映画『リトアニアへの旅の追憶』



リトアニアを知るにはどうしたらよいかと訊ねられたら、この映画をおすすめすると思います。

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私がこの映画『リトアニアへの旅の追憶』をスクリーンで観たのはちょうど一年前の今日でした。渋谷のシネセゾンで上映があると聞いて駆けつけたのでした。それまでは図書館でビデオを借りてきて部屋でひっそりと鑑賞していたのですが、映画館の大スクリーンで、大きなスピーカーから流れるランズベルギス氏演奏のチュルリョーニスをバックミュージックにこの映画を鑑賞することができて、この上なく幸せでした。

昨日のブログでも少し触れましたが、世界的に有名な映像作家ジョナス・メカス(リトアニア語ではヨーナス・メカス)の自伝的映画『リトアニアへの旅の追憶』は、メカス監督が1949年に叔父に「子供たちよ、西へ行け、そして世界を見てくるのだ」と教えられ、ナチス・ドイツ占領下のリトアニアから西側へ逃亡するもナチスの強制収容所に捕えられ、その後アメリカのニューヨークへ逃れたときの様子と、27年ぶり(映画のなかでは25年ぶりといわれている)に祖国リトアニアのセメニシュケイの母を訪ねたときの映像を16ミリのボレックスで綴った映画です。

この映画では、第二次大戦下のリトアニアの状況やアメリカへ逃れたリトアニア人たちの様子、また、チュルリョーニスのピアノ音楽をバックミュージックとして戦後のリトアニアの田舎の風景をみることができます。メカス監督が約30年ぶりに母を訪ねるシーンなどは感慨深いものがありました。

また、ジョナス・メカス監督は詩人としても有名で、数々の詩集を出版されていて、そのいくつかはリトアニア語学の大家、村田郁夫先生の手によって日本語に翻訳され、出版されています。
ここでは、詩集二冊と、『農民新聞』のために書かれた手紙集一冊をご紹介しておきます。

『セメニシュケイの牧歌 』(りぶるどるしおる)

『森の中で』(りぶるどるしおる)


特に、この手紙集にはフルクサス、マチューナスなど、さまざまなリトアニア人芸術家が登場しますし、リトアニア人がチュルリョーニスを大切に思う気持ちにも触れることができます。おすすめです。
『どこにもないところからの手紙』 (Le livre de luciole (55))


先日出版された伝記『チュルリョーニスの時代』にも、このジョナス・メカス氏から特別に寄せられた詩『リトアニアはチュルリョーニスである』が収録されていますので、ぜひお手にとっていただきたいと思います。


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チュルリョーニスの時代』(佐藤泰一/村田郁夫訳、ヤングトゥリープレス 2008)
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by ciurlionis | 2009-01-06 23:59 | 映画