チュルリョーニスとストラヴィンスキー


先ほど、教育テレビの「N響アワー」で、ストラヴィンスキーのオペラ・オラトリオ『エディプス王』からの抜粋を観ていて、ストラヴィンスキーもチュルリョーニスとつながりがあったことを思い出したので、少し書きます。

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"Allegro from the Sonata of the Pyramids"


ストラヴィンスキーは、チュルリョーニスの絵画を所有していたことがあると言われています。



そのことについては、先日ご紹介した『チュルリョーニスの英語論文集』に詳しく載っていますので、そこの一部だけ抄訳します。

ストラヴィンスキーは1907年にチュルリョーニスの絵画を知り、1908年に彼の絵画を購入し、リトアニア人芸術家による作品の最初の収集家となりました。この絵画の運命は――ピラミッドのソナタよりアンダンテであったと思われるのだが。――詳しくは、彼とロバート・クラフト氏による著書"Exposition and Developments" (London: Faber and Faber, 1962 p.27)の脚注にて触れられています。:

ある画家にとても興味を持った。――彼は恐らく今世紀初頭のロシア人芸術家たちのなかで最も才能ある画家であるだろう――彼の名はM. K. チュルリョーニスと言った。私自身1908年にベヌアから勧められたこともあり、チュルリョーニスから見事な絵画を購入した。複数のピラミッドの列と淡い真珠色に光る色調の帯が地平線に向かって伸びている。しかし、"ディミヌエンド"ではなく、"クレッシェンド"に伝統的な遠近画法で描かれていた。その絵画は実際、私の人生の一部であったし、今でもはっきりと覚えているが、Ustilugにおいてここ50年間紛失したままである。ロマン・ロランはこの芸術家の作品に興味を持ち、スイスで彼とチュルリョーニスのことを思い出して話しました。



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"Scherzo from the Sonata of the Pyramids"

1930年にロマン・ロランもチュルリョーニスの未亡人、ソフィヤ・チュルリョーニエネに宛てた手紙で「ストラヴィンスキーもまたチュルリョーニスの作品について良く語りました。彼は、チュルリョーニスの絵画を所有していたこともあると言っていました」と書いています。

これらの発言が書物として残っていたおかげで、チュルリョーニスとストラヴィンスキーが直接出会って絵画を購入していたこと、しかもストラヴィンスキーとロマン・ロランがチュルリョーニスの思い出について語リあった事実を垣間見ることができ、有意義でした。


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チュルリョーニスの時代』(佐藤泰一/村田郁夫訳、ヤングトゥリープレス 2008)
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by ciurlionis | 2009-01-11 23:59 | 美術