ブリュッヘン+新日本フィル HAYDN PROJECT 「ロンドン・セット」第四日目(最終日)


昨日のリハーサルに続き、本日2月28日もすみだトリフォニー・ホールにて、フランス・ブリュッヘン+新日本フィルの HAYDN PROJECT 「ロンドン・セット」第四日目(最終日)を聴いてきました。

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最終回のプログラムは下記の通り、ハイドンのロンドン・セットから最後の3曲でした。

ハイドン作曲交響曲第102番変ロ長調Hob.I-102
ハイドン作曲交響曲第103番変ホ長調「太鼓連打」Hob.I-103
ハイドン作曲交響曲第104番ニ長調「ロンドン」Hob.I-104


リハーサルのときから、最終回はすばらしいものになる予感はしていたのですが、本当に心温まる最高のハイドンを聴かせてくださいました。

交響曲第102番変ロ長調では弦楽器の複雑で繊細なフレーズが多いのですが、機械的にならずにクリアーで、奏者全員のフレージングの方向性もしっかりと合っていて、しかもどこか心温まるアンサンブルにとても感動しました。

交響曲第103番変ホ長調「太鼓連打」の目玉はもちろん冒頭のティンパニで、ティンパニの完璧なトレモロに続いて、さまざまな地方の民族音楽の旋律に由来されるという主題が交互にあらわれ、低弦パートにしっかりと支えられた主旋律の美しいこと!思わず息をのんでしまいました。また、クラリネットがちょっとだけ活躍していたのも嬉しかったです。ハイドンはクラリネットを忘れてはいなかった!

交響曲第104番ニ長調「ロンドン」は、これも学生時代に演奏したことのある曲だったので、その時のことを頭のなかで回想しつつ、ブリュッヘンのテンポ設定は「少しゆったりめ」でしっかりと聴かせている演奏だなと思ったりしていました。冒頭部分のトゥッティも上品にまとまっていたし、またこの曲では、要所要所に弦楽器と管楽器が絡み合うフレーズが出てくるのですが、弦と管の息のあったアンサンブルが印象的で、このひと月のうちにずいぶんと趣が変わり、指揮者と演奏者が完璧に一体となり、ひとつの塊(かたまり)となって聴こえてきてすばらしかったです。

アンコールに、「ロンドン」交響曲の終楽章が演奏されたのですが、本当に本当にすばらしい演奏で、名残惜しく、「まだ聴いていたい!」と心の中でずっと思っていました。

ブリュッヘンは、指揮者用のちょっと高めの椅子に腰かけて、指揮棒を持たずに指揮をされているのですが、その大きな手、長い指から表現される細かいニュアンスまでもが演奏者さんたちにはきちんと伝わっているようで、「ブリュッヘン+新日本フィル」がこのひと月をかけて取り組んできた集大成ともいえる、指揮者と演奏者のばっちりと息のあったハイドン・イヤー、没後200年を飾る最高の演奏会でした。今回のバイドン・プロジェクトのおかげで、ふだん意識して聴くことのあまりないハイドンの後期の交響曲を集中して聴くことができ、とても有意義なひと月でした。

今回リハーサル3回と演奏会4回に足を運びましたが、ハイドン音楽に造詣の深い古楽アンサンブルのスペシャリスト、ブリュッヘンを海外から招いて、「ひと月間をかけてじっくりと取り組む」というこのプロジェクトのやり方が指揮者にもオーケストラにも最良の結果をもたらしたのではないか?と思いました。観客として聴いていた私にもオケの成長ぶりには目を見張るほどでしたので、今後もこのような「時間をかけてじっくりと取り組むプロジェクト」を期待したいです。

やはり、2,3回の公演のために足早に来日して、一週間も滞在しないで帰国してしまうような指揮者の招聘の仕方では、日本の国内オケがどんなに優れていても指揮者と演奏者が一体となって何かを成し遂げるのには限界があるのではないかと思った次第です。

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