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リトアニア出身のチェリスト、ゲリンガスのCD "David's Song" composed by Anatolijus Šenderovas (2008)


先日、渋谷のタワーレコードのクラシックフロアに立ち寄り、現代音楽のコーナーで興味深いCDを見つけました。その名も"DAVID'S SONG: David Geringas plays Anatolijus Šenderovas"というものです。リトアニア出身のチェリスト、ダーヴィド・ゲリンガス(David Geringas)がリトアニアの作曲家アナトリユス・シェンデロヴァス(Anatolijus Šenderovas)の作品を収録したCDと聞いては、買わずにはいられませんでした。

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2005年秋に、ロンドンのウィグモア・ホールで行われた"A Russian Spectacular"という演奏会で彼の演奏を初めて聴いたのですが、その演奏会はNatalia Gutman、Leonid Gorokhov、Sergei Suvorov、Ivan Monighetti、Alexander Rudin、David Geringasという6人のチェリストが集い、プロコフィエフ、シュニトケ、ヴァスクス、リムスキーコルサコフ、ペンデレツキ、アレンスキーの曲を演奏するという豪華な演奏会で、ゲンリンガス氏はラトヴィアの作曲家Pēteris VasksのDas Buchを演奏したのですが、その時の彼の演奏があまりにも印象的で、それまでに聴いたことのないような洞察力の深い演奏でしたので魅了されてしまい、その日以来、彼には注目していました。

ダーヴィド・ゲリンガスは、指揮者としても有名で、現在ヴィリニュスのリトアニア室内管弦楽団の常任客演指揮者や2006年4月からは九州交響楽団の首席客演指揮者として活躍しています。

彼は、モスクワ音楽院で、故ロストロポーヴィチ氏に師事し、バロックから現代音楽まで幅の広いレパートリーを持ったチェリストとしても良く知られています。

このCDの収録作品の作曲者アナトリユス・シェンデロヴァス(Anatolijus Šenderovas)とゲンリンガスは幼なじみで、ゲリンガスの最初の師はアナトリユスのお父様であったそうです。このCDのなかでは、もちろんこの"David's Song"がおすすめですが、"Songs of Shulamith for Cello, Bajan, Percussion and Recording (1992/ Version 2001)"も色々な楽器の音が聞こえてきて楽しめますし、チェロの音色もクラシック音楽の楽器ではないようなどこか、民族的な楽器に聴こえます。

ゲリンガスはシェンデロヴァスの曲を多数初演しており、2002年に初演された《ハ調の協奏曲》では、ヨーロッパ作曲家賞を受賞したそうです。

また、ゲリンガスはラトヴィアの作曲家、ぺーテリス・ヴァスクスのチェロ作品もCDに録音していて、そちらもかなりおすすめのCDですので、ご紹介しておきます。

Peteris Vasks: Gramata cellam; Partita; Episodi e canto perpetuo

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ゲリンガスの演奏は、洞察力の深い、完璧なテクニックによる世界でも屈指の名演ばかりだと思います。

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by ciurlionis | 2009-03-04 23:59 | 音楽