企画展示「錦絵はいかにつくられたか」 国立歴史民俗博物館
友達のブログでこの「錦絵はいかにつくられたか」という企画展がとても良かったと紹介されていたので、国立歴史民俗博物館に行ってきました。
今まで錦絵というものにはあまりなじみがなかったのですが、今回の企画展で、錦絵というものを通して、江戸時代の人々の生活や興味関心を伺い知ることができました。
例えば、歌舞伎役者を描いた錦絵や、天保の改革のさなかに売り出された改革を風刺する錦絵が良く売れていたとのこと。実際に解説を聞くこともできてとても勉強になりました。
この企画展で何がすばらしかったかというと、普段あまり見る機会のない「錦絵の版木を実際に見られたこと」だったと思います。「歴博」では、昨年度から今年度にかけて歌川国芳、三代歌川豊国、歌川広重など、「歌川派錦絵版木」を368枚も入手されたそうで、今回、実際にそれらの版木の一部を見ながら、「いかにして錦絵が摺られたか」を段階ごとに見ることができ、こちらも足を運んで良かったことのひとつでした。
また、ひとつ感心させられたことがありました。「錦絵を科学する」というコーナーで、「高精度のデジタル画像により、錦絵の細部までアップで見れるシステム」というものがあり、パソコンのように画面をマウスを使ってクリックしていって、錦絵の細部を見てみました。ギャラリー・トークで、ある錦絵に描かれている人物のこめかみ部分には、「1mmに4本の髪の毛が彫られています」と聞いていたので、実際に寸法のわかるようになっている画面で「1mmに4本の髪の毛が彫られている」ことを確認することができたのでした。ここまで詳細に昔の彫り師の仕事の細かさをみることができる技術があるなんて、感心することしきりでした。
こんなに充実した企画展のなかにも色々な錦絵が展示されていて、私がもっとも気に入った錦絵はあまり目立たないかも知れませんが、下記の「弁慶なまづ道具」でした。。弁慶に扮するなまづがコミカルに描かれていてなんともいえず魅力的でした。
もしこれから足を運ばれる方がいらっしゃるようでしたら、ぜひ探してみてください。
また、この企画展の図録も発売されていますので下記に載せておきます。
企画展図録
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