旧ソ連邦のポスト・アヴァンギャルドピアノ音楽作品集 CD "Pourquoi je suis si sentimental"


たまたま一時アルメニア人作曲家であるコミタスやマンスリアンに興味を持って色々と聴いていたのですが、その時に出会ったこのCD"Pourquoi je suis si sentimental"に先日からご紹介しているラトヴィア人作曲家であるペレーツィスの作品も入っていたので改めて聴いてみました。先日のCDと同じアレクセイ・リュビモフによる演奏です。彼のピアノは少々荒い面もありますが、喜怒哀楽が素直に音に顕れていて良かったです。

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このCDに収録されているのは下記の作品。

1. Rabinovitch: Musique Triste, Parfois Tragique
2. Pärt: Var Zur Gesundung Von Arinuschka
3. Pärt: Für Alina
4. Pelēcis: Jaungada Mūzika (Neujahrsmusik)
5. Mansurian: Nostalgia
6. Silvestrov: Kitsch-Musik für Fortepiano I. Allegro Vivavce
7. Silvestrov: Kitsch-Musik für Fortepiano II. Moderato
8. Silvestrov: Kitsch-Musik für Fortepiano III. Allegretto
9. Silvestrov: Kitsch-Musik für Fortepiano IV. Moderato
10. Silvestrov: Kitsch-Musik für Fortepiano V. Allegretto
11. Rabinovich: Pourquoi Je suis si sentimental
(BIS-CD-702)

アレクサンドル・ラビノヴィッチは1945年にアゼルバイシャンのバク生まれの作曲家で、モスクワ音楽院でカバレフスキーとA. ピルーモフから作曲法を学び、ピアノをN. フィッシュマンに師事。彼は、モーツァルトのピアノソナタ・イ短調を彷彿とさせる作品や、トリスタン・コードで終わる"Happy End"という作品のスキャンダラスな演奏で一時話題となりました。また旧ソ連邦のなかではいち早くシュトックハウゼン、アイヴズ、メシアンに着目し紹介しました。現在はブリュッセル在住。このCDに収録されている"Musique Triste"は、シューベルトの即興曲Op. 90 No. 4が基になっており、メランコリックな曲です。また、最終トラックの"Pourquoi je suis si sentimental"は作曲家によればそれぞれの作品は、「個人の清めの式」や「内なる暴力の悪魔祓いの儀式」の音楽であるとのこと。

アルヴォ・ペルトは1935年生まれのエストニアの作曲家。1963年までタリン音楽院でヘイノ・エレルに作曲法を学んだ。1958-67年までエストニア・ラジオのサウンドエンジニアをしていた。1980年にウィーンに移住。現在はベルリン在住。ここに収録されている2曲は、いずれも家庭で弾かれるための小品で、シンプルで透明感のある、2声からなる原始的かつ幻想的な雰囲気を持った作品です。

そして、ゲオルス・ペレーツィスは、1947年生まれのラトヴィアの作曲家で、ここに収録されている曲は「新年のための音楽」で1970年代のロックやビート・ミュージックを想起させるとのこと。ジャズのようなシンコペーションとバルトークのようなハーモニーが特徴となっています。

ティグラン・マンスリアンは、1939年生まれのアルメニアの作曲家で、彼によれば、彼の作品はショパン、ドビュッシー、ヴェーベルンから影響を受けているそうです。ここでの収録曲は何とも神秘的なフレーズと和音が静寂とともに効果的に使用されています。

最後に、ヴァレンティン・シルヴェストロフは1937年ウクライナのキエフに生まれ、初めは独学で音楽を勉強し、後にキエフ音楽院でボリス・リャトシンスキーに学んでいます。ここで収録されている「キッチュな音楽」はシューマンや、ショパン、チャイコフスキーを彷彿とさせる作品ではありますが、作曲家によれば"Kitsch"という単語の意味は、皮肉な意味よりも哀愁の意味を持っているとのこと。ロマンティックで優しい音楽です。

いずれも個性派ぞろいで、興味深いCDですのでぜひ聴いてみてください。

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by ciurlionis | 2009-04-17 23:59 | 音楽