音楽劇《展覧会の絵》 by アファナシエフ 東京オペラシティコンサートホール


クラシック音楽ファンが聴いてみたい、観てみたいと思う演奏会はどうやら重なりやすいのか、演奏会場で今日も多くのお知り合いの方をお見かけしました。

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今日の目玉は何と言ってもヴァレリー・アファナシエフ自身が演出・演技を担当した音楽劇《展覧会の絵》であったでしょう。演奏会が始まる前から舞台の上にはワインとウォッカが載ったテーブルと椅子が置いてありました。

前半はその《展覧会の絵》の前座にふさわしい、シンメトリに配された絵画的ピアノ曲の数々が演奏されました。
  
ドビュッシー: 雪の上の足跡(「前奏曲集第1巻」より)   
プロコフィエフ: 間のびしたアレグロ(「風刺(サルカズム)」より第2曲)
   
ショスタコーヴィチ: 24の前奏曲より第14曲変ホ短調
   
プロコフィエフ: 嵐のように(「風刺(サルカズム)」より第1曲)
   
ドビュッシー: 沈める寺(「前奏曲集第1巻」より)
 

いずれの曲もピクチャレスクという言葉がぴったりというものばかりで、またそれらをアファナシエフの演奏が絵画的に聴かせてくれました。こんなに絵画的に音楽をイメージできたのは初めての経験でした。


前半で絵画を想わせる音楽を聴き、後半の音楽劇《展覧会の絵》がとても楽しみになりました。

実際、ムソルグスキー作曲の《展覧会の絵》にアファナシエフのセリフを所々に挟んだ演出は大成功。とてもすばらしい仕上がりになっていました。

アファナシエフはムソルグスキーの大作をもっと効果的に演出するには、ピアノの演奏だけでは足りないと思ったのかも知れません。確かにセリフを含んだ演出の方が音楽が際立って聴こえました。アファナシエフの豊かな感受性にも驚かされたのですが、ムソルグスキーのこの作品の偉大さにも改めて感心させられました。その当時、誰の作品にも見られなかった彼独自の音楽というものの存在を改めて知ることができ有意義でした。

音楽劇の途中にアファナシエフが鼻をつまんでウォッカを一気に飲み干し、それをワインを飲んで中和しているところがなんとも言えずロシアっぽくて楽しかったです。

今まで、ムソルグスキーの《展覧会の絵》のピアノ演奏は、リヒテル、ホロヴィッツ、アシュケナージ、ポゴレリチなどを聴いたことがあり、今までのベストはポゴレリチ演奏のものだったのですが、この度アファナシエフの演奏を聴いて、アファナシエフがベストへ替わりました。

みなさまも機会があったらアファナシエフ演奏の《展覧会の絵》をお聴きになってみてください。感動すること間違いなしです!

アファナシエフ演奏によるムソルグスキー:展覧会の絵

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またアファナシエフは詩人としても活躍していますが、6月に彼の詩集の日本語版が発売になりました。ご興味のある方はぜひどうぞ。

乾いた沈黙―ヴァレリー・アファナシエフ詩集

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