東京都立第五福竜丸展示館 新木場
麻布での野暮用のあと、先日から気になっていた「東京都立第五福竜丸展示館」を訪れた。
日本人にとって毎年8月は広島や長崎の原爆投下や終戦について考えさせられる月ではないだろうか?(といっても今日からもう9月だが)
日本が広島や長崎に原爆を投下され終戦を迎えたのが1945年8月。そのさらに9年後の1954年に第五福竜丸の悲劇は起きていた。
第五福竜丸とは、昭和29年(1954年)3月1日に太平洋のマーシャル諸島にあるビキニ環礁でアメリカが行った水爆実験によって被爆した木造のマグロ漁船である。
その水爆実験の規模は広島の原爆の750倍の大きさであったとされる。広島や長崎の原爆投下のあとも、アメリカのみならず世界の核保有国が海上や地下を利用して核実験を行っている事実を知り、憤りすら覚えるのである。
リトアニア出身でアメリカ人画家のベン・シャーンはこの第五福竜丸の悲劇をもとに、数多くのペン画や、一連のタブロー画作品「ラッキー・ドラゴン」(福竜)を描いた。1960年には来日して焼津港を現地取材もしている。
1965年には、そのベン・シャーンの一連の作品にアメリカ人作家のリチャード・ハドソンによりストーリーが付けられ、"Kuboyama and the Saga of the Lucky Dragon"という題で本が出版された。
また、2006年にも日本在住のアメリカ人作家のアーサー・ビナードもこのベン・シャーンの一連の作品に日本語によるストーリーを付けて『ここが家だ―ベン・シャーンの第五福竜丸』という本を出版している。こちらは日本のアマゾンで簡単に手に入る。
実際に第五福竜丸を目前にしてみて、これは風化させてはいけない重大な過去の事実の証拠であると感じた。
東京都立第五福竜丸展示館は、JR京葉線や地下鉄有楽町線の新木場駅から徒歩10分ほど。
ぜひ一度訪れてほしい。
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by ciurlionis
| 2009-09-01 23:59
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