エドガー・アラン・ポー生誕200周年記念公演 音楽になったエドガー・アラン・ポー 浜離宮朝日ホール


今年はアメリカ人の作家エドガー・アラン・ポーの生誕200周年にあたり、青柳いづみこさんの企画・構成・制作による「音楽になったエドガー・アラン・ポー~ドビュッシー『アッシャー家の崩壊』をめぐって~」という公演が行われたので浜離宮朝日ホールまで足を運びました。

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19世紀末のパリでは、ポーの小説がボードレールの翻訳により積極的に紹介されており、ドビュッシーも影響を受けたそうです。

『アッシャー家の崩壊』のストーリーを少しでも知っておこうと思い、先日大型書店に立ち寄った際に、岩波文庫と新潮文庫の翻訳を読み比べ、今年新訳が出版された新潮文庫の方を購入し予習しておきました。やはり新訳の方が読みやすく感じました。

黒猫・アッシャー家の崩壊―ポー短編集〈1〉ゴシック編 (新潮文庫) (文庫)
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実際の公演は、前半の演奏が思いのほかすばらしく、いつ聴いても質の高い演奏を提供してくださるクァルテット・エクセルシオと、早川りさこさんのハープに魅了されてしまいました!

特にアンドレ・カプレ作曲の『赤死病の仮面』(1909/23)〈ハープと弦楽四重奏のための〉は、カルテットとハープのコラボが絶妙で、謙虚な演奏でありながら、ほどよい自己主張がある完璧な演奏でした。可能ならCDにして残してほどの名演でした!

休憩を挟んで後半は楽しみにしていたドビュッシー作曲の未完のオペラ『アッシャー家の崩壊』(1908~17・未完)。日本での公演は1982年?に船山隆さんの手によって実現されて以来演奏されていなかったそうです。今回の公演は2006年にデュラン社から刊行されたオーリッジ版をもとに、適宜ピアノ曲〈水の精〉が挿入されていました。

演奏の方はやはり断片やモティーフを繋ぎ合わせたものなので、とても感動したかと言われるとそうでもありませんでしたが、このオペラの公演を今年実現させた青柳いづみこさんや暗譜でステージに臨んでいたシンガーの方々にも拍手を贈りたいと思いました。

アンコールには神秘劇《聖セバスティアヌスの殉教》(1911)よりシリア人の合唱〈美しきアドニスは死せり〉が歌われ、エドガー・アラン・ポーの小説に関連のある音楽作品を心ゆくまで楽しめた公演でした。ただしプログラムには「この作品はロシア・バレエ団の依頼によって書かれた」とありますが、正確には「ロシア・バレエ団と袂を分かったダンサー、イダ・ルビンシテインの依頼で書かれた」だと思うのですが。。。

今回のような小説に影響を受けた音楽作品などを取りあげた演奏会は、ただ聴きに行くだけでなく得るものが多いので、足を運んだ甲斐がありました。

ドビュッシー作曲の未完のオペラ『アッシャー家の崩壊』(オーリッジ版)は2006年にブレゲンツ音楽祭で初演され、DVDになっていますのでご興味のある方はぜひご覧になってみてください。
Debussy - La Chute de la maison Usher [DVD]
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CDも手許にはありますが、現在は入手困難のようです。
こちらは、プレートル指揮のモンテ・カルロ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で、ドビュッシーの《アッシャー家の崩壊》のほかにキャプレの交響的エチュード《赤死病の仮面》とシュミットの《幽霊宮》のためのエチュードが収録されていて、聴きごたえがあります。
米国アマゾンのマーケットプレイスには商品がありました。
(カヴァーが違いますが内容は同一)
(東芝EMI: CC33-3507 or CDM 7 64687 2 or 7479212)
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