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シュニトケ オラトリオ〈長崎〉 日本初演 読売日本交響楽団 東京芸術劇場 マチネー


今年は旧ソ連が生んだ作曲家アルフレート・シュニトケ (1934-1998) の生誕75周年であるという。

今日は、シュニトケ作品の日本初演があり、しかも指揮は御年78歳のゲンナジー・ロジェストヴェンスキーだというので、池袋の東京芸術劇場まで足を運んだ。

私がシュニトケの音楽と出会ったのは、ロンドン大学大学院で音楽学を学んでいたときのこと。シュニトケの大親友であったチェリスト、アレクサンドル・イヴァシュキン教授の許でシュニトケの作品数曲を楽曲分析をしながら聴いたのだった。

イヴァシュキン教授(イワーシキン、イヴァシキンとも言われている)は、故・ロストロポーヴィチ氏にその実力を認められたチェリストであり、シュニトケ作曲のチェロのための作品もCDに録音しているし、シュニトケについてまとめた著書も執筆している。その邦訳『シュニトケとの対話』 が春秋社から出版されている。

『シュニトケとの対話』 アレクサンドル・イヴァシキン著、秋元里予訳 春秋社 2002

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ロンドンでは11月15日から12月1日まで、ロンドン・フィルと指揮者のウラディーミル・ユロフスキが中心となり、シュニトケ・フェスティヴァルが開催されている。2週間以上まるまるシュニトケの生涯や作品を探求するイヴェントなのである。うらやましい限りだ。

イヴァシュキン教授も、奇しくも本日11月28日にロンドンのロイヤル・フェスティヴァル・ホールでシュニトケのチェロ協奏曲第二番をロンドン・フィルと演奏するとのこと。ロンドン在住の友人が聴きに行くというのでよろしく伝えてもらえるようお願いしておいた。

東京のシュニトケ・プログラムは下記の通り:

2009年11月28日(土) 14:00 東京芸術劇場
指揮:ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー
ヴァイオリン:サーシャ・ロジェストヴェンスキー
メゾ・ソプラノ:坂本 朱
管弦楽:読売日本交響楽団
合唱:新国立劇場合唱団

《シュニトケ生誕75年》
◆シュニトケ:
 リヴァプールのために【日本初演】
 ヴァイオリン協奏曲第4番
 オラトリオ〈長崎〉【日本初演】


いずれの作品も誰のものでもないシュニトケらしいもので、読響と新国立劇場合唱団の演奏もすばらしいものだった。特にシュニトケの初期作品である「オラトリオ〈長崎〉」は、シュニトケの早熟さを示す意味のある作品である。ショスタコーヴィチの作品よりも上を行っているかもしれない。

ロジェストヴェンスキーの淡々とした指揮も健在だった。演奏者のもつ能力をとても良い形で引き出していて、コンパクトではあるが洗練されたシュニトケになっていた。やはりこの作品を指揮するのにふさわしい人物のひとりであると改めて感じさせられた。

ケープ・フィルが2006年に初演し、録音したCDがBISから発売されている。

アルフレート・シュニトケ: オラトリオ〈長崎〉、交響曲0番

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なんでも2009年夏のBBC PROMSの8月24日にゲルギエフがロンドン交響楽団と200人余りのコーラスを率いてオラトリオ〈長崎〉をロンドン初演したのだそう。そのうちCDになってくれることを願うばかりだ。

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by ciurlionis | 2009-11-28 23:59 | 音楽