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国立西洋美術館の常設展を歩く


昨年、お知り合いの方から下記のようなガイドブックを頂いていた。国立西洋美術館はル・コルビュジエの設計によるものとして有名であるが、その新館はコルビュジエの弟子である前川國男が設計している。一昨年から昨年にかけて新館の改装工事が行われており、それ以来常設展からは足が遠のいていたのだった。

国立西洋美術館 公式ガイドブック

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今日は、そのガイドブックの製作に係わられた方が西美をご案内くださるというので上野まで足を運んだ。ソメイヨシノはまだのようだったが、早咲きの桜が5本ぐらいピンクの花をつけていた。

西洋美術館は松方幸次郎氏のコレクションをもとに構成されている。

まず、ロダンの彫刻からはじまり、ブリューゲルなどフランドル派の絵画、ヴェロネーゼなどイタリア・ルネサンスの絵画、さらにはヨーロッパ各地のバロック、ロココ絵画へ。ここまでがル・コルビュジエの本館での展示である。

廊下を渡ると新館があり、ここからが19世紀以降のフランスを中心とする近代美術。ミレー、クールベ、ルノワール、ピサロなど、どれも完成度の高い作品が続く。

特に、西美のモネ・コレクションは圧巻だ。フランスでの四季折々の情景、ロンドンのテムズ川にかかる橋の情景など、屈指の名画が揃っている。

改装された新館は広々としていて照明も明るくてじっくり鑑賞することができた。

もうひとつおすすめしておきたいのが、新館にある「版画・素描小企画室」で行われている「所蔵・水彩・素描展-松方コレクションとその後-」というもの。こちらは傷みやすい作品ばかりなので照明を落とした部屋となっている。

なかでも目を引いたのがモローの水彩画や、マティスの描いた「ピアニスト、アンリ・ジル=マルシェの肖像」。日本で行われたピアノ・リサイタルのプログラムの表紙に使用されていた。とても珍しいものである。

フランク・ブラングィン展はもう少し暖かくなってから訪れるとしよう。

帰り掛けにその方から、早稲田大学の演劇博物館で「メイエルホリドの演劇と生涯展 没後70年・復権55年」が開催中と教えていただいた。

メイエルホリドはプロコフィエフにオペラ『三つのオレンジへの恋』を書くように勧めた人物でもあるし、数々の演劇の演出を手掛けた。そういえば、戯曲『南京虫』の音楽は、プロコフィエフが作曲の依頼を断り、その後ショスタコーヴィチが作曲していたと思う。

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by ciurlionis | 2010-03-19 23:59 | 美術