西本智実指揮 リトアニア国立交響楽団 東京公演 サントリーホール


指揮者とソリストがリトアニア人でないうえに、リトアニア人作曲家の作品も一曲も演奏されないので行かないつもりでいたのですが、「一緒に行きませんか?」とお誘いを戴き、またリトアニアのオーケストラがせっかく来日してくれているのだからと考え直し、聴きに行ってきました。
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ホールは満席。

このホールの観客のなかにどのくらいリトアニアについて知っている方がいるのだろうと思いながらも、彼らの演奏を聴いて少しでもリトアニアに興味を持ってくれるひとがいてくれたらそれも本望と思って聴いていました。

プログラムは下記の通り:

1部
シュトラウス2世: オペレッタ『こうもり』より 「田舎娘を演じる時には」
ヴェルディ: オペラ『椿姫』より 「ああ、そは彼の人か、花から花へ」、「さようなら、過ぎ去った日よ」
デラックア: 「ヴィラネル(牧歌)」 他
*   *   *   *   *
2部
リムスキー=コルサコフ: 交響組曲「シェエラザード」(シェヘラザード)作品35
ラヴェル: ボレロ



指揮者は今年9月よりロシア国立交響楽団首席客演指揮者に就任予定の西本智実氏。

演奏会の第1部では韓国人ソプラノ歌手スミ・ジョーが登場。世界各地で好評を得ている彼女だけあって彼女のもつ演技力と華やかな衣装でステージを楽しませてくれました。聴きやすい声で音程もきちんとしてはいましたが、声量が足りなくて少々残念。

第2部の交響組曲「シェエラザード」では、コンサートマスターのソロが聴かせてくれました。さすが歌の国リトアニアのオーケストラだけあってみなさん音感が鋭い!各セクションごとのアンサンブルが、楽器を演奏しているのではなくまるで歌っているかのような音色で迫ってきました。リトアニアの自然を象徴しているかのような優しくソフトでナチュラルな音色が心地よく、クライマックスではバランスのよい厚みのあるアンサンブルがしっかり聴かせてくれました。時折聴こえてくるハープの音が実に美しく印象的でした。

ボレロでも、リトアニア人の持つ音楽性に驚かされました。各楽器のソロをしっかり表現しつつも演奏が自然なのです。日本人が演奏するとどうしても「こぶし」が効いてしまうようなサキソフォンのソロもリトアニア人奏者の演奏はオーケストラの音に溶け込んでいて嫌みの全くないものでした。

西本智実氏の指揮も終始、奏者たちのセンスに委ねているといった感じがあり、西本氏とオーケストラの温かい関係が演奏にも表われていたように思いました。

次回の来日では、このオーケストラの首席指揮者ドマルカス氏の指揮やリトアニア人作曲家の作品を演奏する日を設けてほしいと思いました。

リトアニア公演を収録したCDが数量限定のDVD付きでドイツグラモフォンより販売されています。ご興味のおありの方はぜひどうぞ。

イン・コンサート(初回限定盤)(DVD付)
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