ジョゼフ・コーネル (Joseph Cornell,1903-1973) の箱の謎
昨日上野の国立西洋美術館のカポディモンテ美術館展でお知り合いの学芸員の方に教えて頂いたのですが、パルミジャニーノの《貴婦人の肖像(アンテア)》が、ジョゼフ・コーネルの箱の作品《無題(ラ・ベラ [パルミジャニーノ] )》にも採用されているのです。
しかもそのコーネルの作品も現在、川村記念美術館で開催中の企画展「ジョゼフ・コーネル×高橋睦郎 箱宇宙を讃えて」で展示中であるとのこと。
そういえば、展覧会のチラシに載っていたのがその作品でした。
二つの展覧会のチラシを比べてみるとこうなります。
ふたりのアンテアが時を同じくして日本国内で観られるというのはまたとない珍しい機会であることは間違いないでしょう。
これを良い機会としてもうひとつ以前から気になっていたことを調べてみました。
ジョゼフ・コーネルの箱の作品《無題(星ホテル)》などに採用されている「ほほ笑んでいる黄色い太陽のマークについて」です。
そして、そのマークが何から採られたものなのかを突き止めました。
Lindsay Blair (著) の研究書 "Joseph Cornell's Vision of Spiritual Order" (1998) によれば、この太陽印は、その当時コーネルの自宅近くのデリカテッセンで販売されていた "IL SOLE ANTIPASTO" の缶の蓋から採られていたとのこと。
以前からとても気になっていたので、謎が解けてスッキリしました。
これらの事実を踏まえてコーネルの箱作品を改めて鑑賞してみてはいかがでしょうか?
川村記念美術館で開催中の企画展「ジョゼフ・コーネル×高橋睦郎 箱宇宙を讃えて」は、7月19日(祝)までです。