リトアニアの作曲家・画家チュルリョーニスの絵画に影響を受けたロシア人画家ニコライ・ベヌア(ブノワ)


チュルリョーニスに関する英語論文を執筆するにあたって過去に日本語で執筆されたチュルリョーニス関連の記事を読んでいる。

先日、国立国会図書館で日本に初めてチュルリョーニスを紹介した加藤氏の雑誌記事を閲覧しに行き、チュルリョーニスについて色々と調べていたら沼野充義先生がポーラ文化研究所発行の雑誌『IS』に1997年~2000年にわたって連載されていた「レーリッヒとロシア文化の地平」というものが目にとまった。おかげで日本ではあまり知られていない画家・思想家のニコライ・レーリヒ(レーリッヒまたは、リョーリフとも)について多くを知ることができて有意義だった。

レーリヒはストラヴィンスキーのバレエ『春の祭典』の舞台美術で知られるが、ヒマラヤ山岳地帯を題材に数多くの風景画を描いている。チュルリョーニスと同時代人で、風景のなかに底知れない神秘を見出すところが共通しているように思う。

沼野先生の連載では「チュルリョーニス・サリヤン・ピロスマニ」と題した回にチュルリョーニスが登場する。レーリヒと関連づけながら同時代のリトアニア、アルメニア、グルジアの画家が紹介されていて興味深かった。

後日、レーリヒやサリヤンなどの絵画を観たくなってロシア絵画やバレエ・リュス関連の画集を広げてみたら、ロシアの芸術家グループ「芸術世界」«Мир искусства»の創始者のひとり、アレクサンドル・ベヌア(ブノワ)の息子、ニコライ・ベヌア(ブノワ)がチュルリョーニスに影響を受けて描いた絵画が数点載っていた。なかでも下記の "Fantasy in the Spirit of Čiurlionis" という作品はチュルリョーニスが好んだモティーフである宇宙、月、太陽、お城、ピラミッドなどの神話的断片がいくつも散りばめられていて面白い。チュルリョーニスの絵画を知るひとなら、楽しんでもらえるかも知れない。
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この絵画は昨年2009年にヴィリニュス・アート・ギャラリーで行われたチュルリョーニス展でも展示されていて現物を観ていたのだが、紹介するのを忘れていたのでこの場で紹介しておくことにした。

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チュルリョーニスの時代』(佐藤泰一・村田郁夫訳、ヤングトゥリープレス 2008)
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by ciurlionis | 2010-09-11 00:02 | 美術