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サー・ネヴィル・マリナー指揮 NHK交響楽団 オーチャード定期 マルティン・フロスト cla.


御年86歳のイギリス人指揮者、サー・ネヴィル・マリナー(Sir Neville Marriner, 1924- )が来日、しかもスウェーデン人クラリネット奏者、マルティン・フロストとモーツァルトのクラリネット協奏曲を共演すると聞いて足を運びました。

プログラムは下記の通り:

メンデルスゾーン / 序曲「フィンガルの洞窟」作品26
モーツァルト / クラリネット協奏曲 イ長調 K.622
* * *
ブラームス / 交響曲 第2番 ニ長調 作品73

86歳という年齢を全く感じさせない溌剌とした指揮ぶりにただただ魅入ってしまいました。

やはりマリナーのモーツァルトの解釈には確固たるものがあると確信しました。ほんのわずかなニュアンスも見逃さない、決めどころをしっかり押さえたモーツァルトで、かなりの好演。フロストのくせのないピュアな音色による弱音がホールの隅々まで行き渡り、久しぶりに聴く木管楽器のぬくもりのある音色に魅了されました。しばし違う世界へタイムスリップ。夢のようなひとときでした。次回はアカデミー室内管弦楽団の演奏で聴きたいです。

フロストのクラリネットを最後に聴いたのは、2004年9月26日ロンドンのQueen Elizabeth Hallでの、内田光子さんとの共演。そのときフロストは、Anders Hillborgの "Peacock Tales" とFredrik Högbergの "Invisible Duets" を好演しました。突然ステージが真っ暗になり、そこへマスクをしたフロストが登場。楽器を組み立てるところからパフォーマンスを始め、踊りながら演奏していました。そのパフォーマー的なステージが新鮮だったので、今でも良く覚えています。

今回の日本での公演でもフロストの弟がクラリネットとオーケストラのために作曲した「シアワセニナロウ」という曲がアンコールとして演奏されました。それもクラリネットを熟知したフロストらしいパフォーマンスで会場を沸かせていました。

またどこかで聴けたらいいなと思いました。

マリナーが自ら結成したアカデミー室内管弦楽団 (the Academy of St. Martin in the Fields, AMF) が好演したモーツァルトのCDがありますので、ご興味のおありの方はぜひどうぞ。

Symphonies: Complete Mozart Edition 1

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映画『アマデウス』のサウンドトラックにはマリナー指揮のアカデミー室内管弦楽団の演奏が採用されているとのことです。

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