カテゴリ:音楽( 77 )


このブログもしばらくお休みさせていただくことにしましたので、今日は、最近自分が気に入って聴いているCDについて書きます。

7月の終わりにリトアニアの首都ヴィリニュスにあるCD屋さんに立ち寄ったら、リトアニアの元最高会議議長(国家元首)のヴィータウタス・ランズベルギス氏の弾くチュルリョーニス作品集CDが新しく発売になっていました。

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カバーに採用されている絵画は昨年末オランダから返還譲渡されたチュルリョーニス作の『ピラミッドのソナタよりアンダンテ』です。

この夏にヴィリニュスのネリス川対岸に新規オープンしたVilnius Art Galleryで行われていた「チュルリョーニスと同時代の芸術家たち展」にも出品されていたので、ひと月半の滞在中に3度ほど足を運び、じっくり鑑賞してきました。今はきっとカウナスにある国立チュルリョーニス美術館に戻されていることかと思います。

収録曲は、世界初録音のものも含まれています。録音技術が進歩したせいか、今回の演奏は音色が研ぎ澄まされていて、これまでのLPやCDにあったようなチュルリョーニスのピアノ曲の素朴さが無くなってしまっているのは残念に思いましたが、さすがチュルリョーニス研究の第一人者のランズベルギス氏の演奏だけあって、洗練されているとともにチュルリョーニスのことを知りつくしたピアニストの演奏であるということがよく伝わってきました。

今現在、このCDはリトアニア語のサイトでしか購入することができませんので、また英語のサイトやアマゾンで購入可能になった際は改めてご紹介させていただきます。

それでは、みなさま、良い5連休をお過ごしくださいませ。
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by ciurlionis | 2009-09-18 23:59 | 音楽

昨日の続き。

第五福竜丸展示館で第五福竜丸に関する資料が多数販売されていて、そのなかに作曲家、林 光さんの”ラッキードラゴン・クインテット 完結版”というDVDがあったので購入してみました。
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内容は、今年2009年5月16日に展示館で行われた「ビキニ水爆実験被災55年・映画「第五福竜丸」公開50周年記念コンサートでのライブ収録というもの。

収録されていたのは演奏会の”ラッキードラゴン・クインテット”の部分のみ。

 第一楽章 出航 (2006)
 第二楽章 曳航 (2006)
 第三楽章 調和の海へ (2009)


この五重奏は林光さんが1959年に公開された映画「第五福竜丸」のために作曲した室内楽用のサントラから着想を得て、新たな気持ちで作曲されたとのこと。2006年に作曲された第1,2楽章に、今年2009年に第3楽章が加えられ完結版となりました。

演奏は、日本フィルハーモニー弦楽四重奏団とピアニストの寺嶋陸也さん。

大海をイメージできるような爽やかな音楽でした。

2004年に被災50周年を記念して出版された展示館の図録も充実した内容でした。
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映画「第五福竜丸」もDVDになっています。
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by ciurlionis | 2009-09-02 23:59 | 音楽

今日は、新聞もTVニュースもこの話題で持ち切りだったのですが、上野学園大学の3年生で弱冠20歳の若手ピアニスト、辻井伸行さんが米国・テキサス州フォートワースで開かれた「第13回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール」で優勝され、日本人初の快挙を成し遂げられました。これまでの日本人の最高位は1969年の野島稔さんの第2位だったそうです。

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辻井さんは、決勝でショパン作曲のピアノ協奏曲第1番とラフマニノフ作曲のピアノ協奏曲第2番を演奏。そのときの映像が少しTVでも放送されましたが、的確なテクニックと澄み切った音色が実に印象的でした。

表彰式ではヴァン・クライバーン氏が辻井さんを強く抱きしめる心温まるシーンがあり、本当に良かったと思いました。

これからのますますのご活躍をお祈り申し上げます。

このコンクールの名前にもなっているヴァン・クライバーン氏は、1934年7月12日アメリカ生まれのピアニスト。1958年の冷戦下に、モスクワで開催された第一回チャイコフスキー国際コンクールで優勝。当時冷え切っていた米ソの関係改善に音楽の面から貢献したことでも知られています。

辻井さんの演奏が収録されているCDやDVD、辻井さんのこれまでの人生を綴った本などが発売されていますので、下記にご紹介しておきます。

辻井伸行: debut(CD)

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ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番CD(DVD付)

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川のささやき: 辻井伸行サントリーホールLIVE! [DVD]

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『のぶカンタービレ!』 全盲で生まれた息子・伸行がプロのピアニストになるまで

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by ciurlionis | 2009-06-08 23:59 | 音楽

先ほどいろいろとネットサーフィンしていたら、おばさん歌手のスーザン・ボイル(Susan Boyle)さんの22歳時の映像がYou Tubeにありました。

5月の初めに公開されていたのでもう多くの方はご存じかと思いますが、聴いてみたいという方のためにリンクを載せておきます。

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Exclusive: Susan Boyle sings The Way We Were at 1984... 


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by ciurlionis | 2009-06-01 00:01 | 音楽

2009年5月30日の夜に英国オーディション番組"Britain's Got Talent"の決勝が行われ、先日から話題になっていたおばさん歌姫のスーザン・ボイル(Susan Boyle)さんは惜しくも2位に終わりました。優勝したのは、ストリート・ダンサーのグループ"Diversity"でした。

歌った曲は、予選の時と同じ、ミュージカル「レ・ミゼラブル」より《夢破れて》。

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その決勝の模様(英語)を下記よりご覧ください。

Susan Boyle - Final - Britains Got Talent 2009 (HQ)

彼女は、「今まで支えてくれた家族、観客のみなさまに感謝します。」と言い、去って行きました。

結果は残念でしたが、彼女の出現は、世界中の人々に夢と希望を与えてくれたことでしょう。

今後のご活躍をお祈りいたします。

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by ciurlionis | 2009-05-31 19:46 | 音楽

先日のブログでもご紹介しましたスコットランド人のおばさん歌手、スーザン・ボイル(Susan Boyle)さんが2009年5月24日の"Britain's Got Talent"準決勝第1組に出場しました。

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今回はミュージカル「キャッツ」より《メモリー》を熱唱。前回同様、聴衆を熱狂させていました。

無事、準決勝を突破した模様を下記の動画でご覧ください。

《メモリー》/スーザン・ボイル (こあらオヤヂさんによる日本語字幕つき)

30日夜には決勝が行われ、残念ながらスーザンは2位に終わりました。

その模様も後日ご紹介できればと思います。

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by ciurlionis | 2009-05-30 23:59 | 音楽

先日新国立劇場の『ポッペアの戴冠』を観に行った際、幕間にN氏にお会いした。なんでも2009年5月19日はディアギレフ率いるバレエ・リュスがパリで初公演を行ってから100周年なのだそう。

彼は以前から『バレエ・リュスと日本人たち』に着目し、あちこちに論文を発表されていて、それらを改編して本日より古書店「日月堂」のホームページで順次発表されるとのこと。楽しみに読ませて頂こうと思う。

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ロンドンで音楽学を学んでいたとき、私もロシア・バレエについての講義を受け、Lynn, Garafolaの" Diaghilev's Ballets Russes(Paperback)"などを読んでバレエ・リュスにはとても興味を持っていた。

コヴェントガーデンにもバレエを観に幾度となく足を運んだ。最も印象に残っているのは2004年5月に観た “Celebrating Diaghilev” というプログラムで、一晩で『ダフニスとクロエ』、『薔薇の精』、『牧神の午後』、『結婚』すべての公演が行われた。あまりにもモダンで衝撃的だったので2度も足を運んだのだった。

ご存じの通り、バレエ・リュス "Ballets Russes" とは、ロシア人興行師セルゲイ・ディアギレフ (Serge Diaghilev, 1872-1929) が主宰した「ロシア・バレエ団」である。1909年5月19日にパリのシャトレ座で初公演を行ってから1929年にディアギレフが急逝するまでの間、当時ヨーロッパで活躍していたダンサーや作曲家、画家たちを巻き込み、主にパリで、最先端のモダン・バレエを発表し続けた。

このバレエ・リュスに関わった主なダンサー、振付師、作曲家、画家には、ミハイル・フォーキン、アンナ・パヴロワ、タマーラ・カルサヴィナ、ヴァーツラフ・ニジンスキー、ブロニスラヴァ・ニジンスカ、レオニード・マシーン、ジョージ・バランシン、ニコライ・チェレプニン、アレクサンドル・ボロディン、クロード・ドビュッシー、エリック・サティ、モーリス・ラヴェル、マヌエル・デ・ファリャ、イーゴリ・ストラヴィンスキー、セルゲイ・プロコフィエフ、ダリウス・ミヨー、ジョルジュ・オーリック、レオン・バクスト、アンリ・マティス、アレクサンドル・ブノワ、ニコライ・レーリッヒ、パブロ・ピカソ、ナターリヤ・ゴンチャローワ、ミハイル・ラリオーノフ、ジョルジュ・ブラック、マックス・エルンストなどがいた。

特に、ディアギレフのお気に入りでもあったバレエ・ダンサーで後に振付けも手がけたヴァーツラフ・ニジンスキーは、斬新な踊りによりパリの聴衆を魅了し続けた。しかし、1913年に初演されたニジンスキーの振付けによるストラヴィンスキー作曲の『春の祭典』では、それまでにはなかった足を内股にした踊りなどが観客に受け入れられないようなこともあったようだ。ニジンスキーはその後、統合失調症を患い、1919年1月の公演を最後にバレエからは身を退いた。そして、回復することなく1950年にロンドンで息を引き取った。

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今日は、映画『ニジンスキー』(DVD)を観てみましたが、「映像を遺さなかったニジンスキー」と言われるとおり、彼の映像は含まれていませんでした。後年になって療養でパリを訪れたニジンスキーをディアギレフが呼び寄せ、ニジンスキーが振り付けを担当したこともあるドビュッシー作曲の『牧神の午後』をみせるのであるが、ニジンスキーは椅子から立ち上がるのが精一杯であった当時の証言映像が含まれていました。

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このDVDよりもむしろ、数年前に話題になったバレエ・リュス 踊る歓び、生きる歓び [DVD]の方が楽しめるかも知れません。この映画にはかつてバレエ・リュスやディアギレフの遺志を継いで踊り続けた今は100歳近くになったバレリーナたちの同窓会の様子を撮ったドキュメンタリーです。私は映画公開直後にヨーロッパからの機内で観たのですが、とても良い映画だったのでおすすめです。

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バレエ・リュス生誕100周年をひとりでひっそりと祝ってみました。日本国内では何か記念公演などはないのでしょうか?あったらぜひ足を運びたいと思います。


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by ciurlionis | 2009-05-19 23:59 | 音楽

今年2月に錦糸町のすみだトリフォニーホールで、オランダ人指揮者のフランス・ブリュッヘンと新日本フィルハーモニー交響楽団が、作曲家のハイドン没後200年を記念して、ひと月をかけた大プロジェクト"Haydn Project"をやっていました。

その時に、2月の新日本フィルの「すべての公演」、または「交響曲の公演4回」に通った方にはもれなくこのプロジェクトの演奏CDをプレゼント!という企画があり、私は後者の方に応募して2月末からまだかまだかと首を長~くして待っていました。

2か月経っても届かないので、郵便が届かなかったか、何か不備があったかで却下されたものと諦めかけていたのですが、今日帰宅したらそのCDが届いていたのでした。。

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収録曲は下記の通り:
FRANZ JOSEPH HAYDN (1732-1809): SYMPHONIES
1. Symphony No. 95, 2nd movement
2. Symphony No. 93, 4th movement
3. Symphony No. 94, 1st movement
4. Symphony No. 97, 2nd movement
5. Symphony No. 100, 3rd movement
6. Symphony No. 101, 2nd movement
7. Symphony No. 104, 1st movement
8. Symphony No. 104, 4th movement

February 2009, Sumida Triphony Hall
Frans Brüggen (cond.)
New Japan Philharmonic Symphony Orchestra


このプロジェクトでは公開リハーサルも無料で行われていて、ブリュッヘンがどのように曲作りをするのかに興味があったので、リハにも3回ほど通いました。ですから2月は7回もすみだに通ったことになります。

ブリュッヘンは古楽器アンサンブルのスペシャリストで、18世紀オーケストラ(Orchestra of the 18th Century) と録音したハイドンの交響曲のCDがたくさん出ているので7~8枚聴いてみたのですが、このオーケストラの演奏に比べて、今回の新日本フィルとの演奏は、演奏者の意思を尊重した、より柔軟なものになっているように思いました。

これを良い機会として、今後も「ブリュッヘン+新日本フィルハーモニー交響楽団」のコンビネーションで別のプロジェクトを企画して欲しいです。CDはハイドン・イヤーの良き思い出として大切にしたいと思います。

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by ciurlionis | 2009-05-14 23:59 | 音楽

先日から楽しみにしていたラトヴィア人作曲家のぺーテリス・ヴァスクス(Pēteris Vasks, 1946-)の「弦楽のためのカンタービレ」(Cantabile for Strings) (1979)を聴きに東京オペラシティ コンサートホールまで足を運びました。

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演奏は東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、指揮は矢崎彦太郎氏。

このオーケストラは先日の演奏会でもラトヴィア人作曲家のゲオルクス・ペレーツィスの作品を採り上げていて、バルト三国の音楽に興味を持っている筆者にとっては嬉しい演奏会なのでした。

当の演奏はどうだったかというと、大人しい感じではありましたが、隅々まできちんと聴かせる好演でした。冒頭のチェロの旋律も、途中のヴァイオリンの下降音もしっかり演奏されていました。偶然性の音楽が採用されているにもかかわらず、和音がクリアーでとにかく美しかった。今日の演奏会のためにリガ(リーガ)フィルハーモニック管弦楽団とラトヴィア国立交響楽団のCDを聴いて予習していたのですが、ラトヴィア人の演奏から感じる鬼気迫る感じはなかったものの、日本のオーケストラの弦楽器パートの演奏水準の高さを知る良い機会となりました。次回はMusica Dolorosa (1983)にトライして欲しいと思います。

続けて演奏されたのが、松山冴花さんのヴァイオリン独奏によるモーツァルトのヴァイオリン協奏曲 第4番 二長調 K. 218。第一楽章は少々不安定な部分もありましたが、第二、三楽章は、とにかく松山さんのヴァイオリンが聴かせました。線の細い繊細な音色にもかかわらず、彼女の持つ抒情性と絶妙なデュナーミクがすばらしかった。総じて好印象のモーツァルトでした。

休憩をはさんで今度はシベリウスの交響曲第1番が演奏されました。ときおりティンパニとバスドラムを伴った大音響が響き渡ったのですが、Allegro energicoという表記が作品中にあるものの、シベリウスがあそこまでの大音響を望んで作曲したのか、甚だ疑問に思いました。それ以外は、シベリウスの作品から受ける「無機的」な感じが今日の演奏にも顕れていて、日本のオーケストラとシベリウスの作品は結構マッチしているのかも知れないと思いました。

この東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団は、次回の第229回定期演奏会でも「日本オランダ年」を記念して、オランダ人作曲家のめずらしい作品ばかりを演奏するようです。このようなユニークな企画はこれからも継続していって欲しいと思います。

最後に、ヴァスクス作曲の「弦楽のためのカンタービレ」を収録したCDがもう一枚ありますのでご紹介しておきます。このCDは比較的入手しやすいようですのでご興味のある方は聴いてみてください。演奏は、ラトヴィア国立交響楽団。ラトヴィアがソヴィエト連邦から独立を回復した翌年の1992年5月に録音されたものです。

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by ciurlionis | 2009-05-08 23:59 | 音楽

初めてラトヴィアを訪れたのは確か2004年の9月だったと思う。バルト三国がEU加盟を果たした直後だった。その時私はまだロンドン留学中で、研究滞在されていた日本人の先生にお会いするためにリガを訪れたのであった。

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その時はガイドブックのようなものを一切持っていなかったので少々不安に思いつつも、アルヒーフに行ってくるという先生と別れてひとりリガの街を歩いてみた。そこには、大きな生鮮市場があったり、ユーゲントシュティルの建築群(映画監督のエイゼンシュテインの父による建築物)があったり、ワーグナーが弾いたといわれるパイプオルガンがある大聖堂があったりと、初めて訪れたリガは様々な文化・芸術の集合体に思えた。そして最後に訪れたのが「占領博物館」。政治犯として逮捕された人々がどのような生活を強いられたのかが展示されていた。

あちこち歩いてみたもののまだ約束の時間には早かったので、ラトヴィアの民族音楽のCDでも買ってみようとCD店に立ち寄った。そこで、CD屋のお姉さんが勧めてくれた民族楽器による音楽CDや、ラトヴィアの作曲家によるCDを数枚購入したのだった。そのなかにペーテリス・ヴァスクス(Pēteris Vasks, 1946-)のCDもあった。

なぜ突然こんなことを書き始めたのかというと、2009年5月8日(金) 19:00~に東京シティ・フィルが東京オペラシティ・コンサートホールでこのヴァスクス作曲の『弦楽のためのカンタービレ』(1979)を演奏するというので、久しぶりにヴァスクスのCDを聴き、ラトヴィアのことを思い出していたからである。

いずれも今はなきConifer Classicsというレコード会社からリリースされたもので、その当時リガで購入したのは、"message""chamber music"の2枚。そして先週たまたま立ち寄った新宿のCD屋さんで3枚目の"cello concerto" (リトアニア人チェリストのゲリンガスによる演奏)を発見!もう一生手に入ることはないだろうと思っていた一枚だったのでとても嬉しかった。

"message"
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"chamber music"
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"cello concerto"

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そして今日、"message"のライナーノーツを読んでいたら4月1日のブログでご紹介したポドニエクス監督のドキュメンタリーについて触れられているではないか!これら3枚のCDをConifer ClassicsからリリースしたプロデューサーのJohn Kehoe氏によるノーツには、1991年1月にリガとヴィリニュスで起こった惨事のことや、ユリス・ポドニエクス監督制作のドキュメンタリー映画のこと、また彼の親友であった二人のカメラマン、アンドリス・スラピンスとグビード・ズバイグスネがその一連の惨事で負傷し亡くなったことが記されていた。またKohoe氏はちょうどその頃、ラトヴィア人ハーフで指揮者のクリシュス・ルスマニスによるBBC Radio 3のためのバルト三国の音楽のプログラムを聴いて、多くの新事実を見出した。その後、すぐにルスマニス氏に会いスコアを見せてもらい、録音も聴かせてもらったそうだ。話をしていくうちに、そのルスマニス氏がポドニエクス監督のドキュメンタリーもプロデュースしていたという事実も知ることとなった。その後Kohoe氏はルスマニス氏とラトヴィアに渡り、30人ものラトヴィア人作曲家と出会うことになった。そこで、彼の耳に留まったのがヴァスクスだったのである。

ヴァスクスについてはまた後日ゆっくりと紹介させていただくとして、今日はこの代表的なCD “message”から、5月8日に演奏される予定の”Cantabile for string orchestra (1979)とヴァスクスの代表作である”Musica dolorosa (1983)”の2曲を紹介しておきたい。

“Cantabile”はヴァスクスがピアノの白鍵しか使わずに作曲した弦楽のための作品で、「この世界がいかに美しく調和のとれたものであるかをこの8分間で伝えたかった」とのこと。しばしばパターン化された偶然性のパッセージやミニマリズム的なフレーズも聴こえるが、決して単調ではなく、絶え間なく奏される低音の上で、サイレンのような弦楽器のグリッサンドや突然のピッチの降下などが起こり、とても斬新である。ヴァスクスによれば、「音楽とは感情に基づく芸術で、もしそこに感情がなければ芸術もない。」とのことである。

“Musica Dolorosa”は、ヴァスクスの最も個人的で情熱的な作品である。この作品はこれが書かれる少し前に亡くなったお姉さん(妹さん)に捧げられた。この音楽はとてもメロディックな音楽と言いたいが、ヴァスクスはこれをメロディーとは呼ばず、自分が作曲するにつれて成長する主題の粒で、作品の創作のために積み上げているレンガのようなものであるとしている。この作品が書かれたのは、個人的に悲しい時期であったばかりではなく、ラトヴィアの政治的状況がもっとも厳しい時期でもあった。「この作品は私のもっとも悲劇的な作品であり、そこにオプティミズムはなく、希望もなく、あるのは痛みだけである。」と。

最近はRCAから同CDが再リリースされていますので、ご興味のある方はぜひどうぞ。


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by ciurlionis | 2009-04-28 23:59 | 音楽