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今日は、昨日少しご紹介しましたチュルリョーニス研究の第一人者でリトアニア元最高会議議長のヴィータウタス・ランズベルギス氏演奏のCDとLPをご紹介します。CDはアメリカのアマゾンで入手可能です。LPは、ジョナス・メカス監督の映画『リトアニアへの旅の追憶』の音源として使用されたことで有名なものですが、残念ながらCD化されていません。


まず、CDの方は、EMI CLASSICSから、Čiurlionis: Born of the Human Soul, Works for Solo Piano(Piano: Vytautas Landsbergis)というものが出ています。

このCDは1998年に新たに録音された盤ですが、このCDのライナーノーツにランズベルギス氏のチュルリョーニスの音楽への想いが書かれています。その一部をここに抄訳します。

「私がチュルリョーニスの音楽で好きなところは、その音楽が持っているリズムの構成や色彩、フレーズの柔軟性を通して人々を啓蒙する力があるところである。彼の音楽は美しく、心情が良く表現されていて、また卓越した象徴主義作品である。私が彼の音楽を演奏するとき、私の指からこれらのことが聴衆に伝わるように試みている。彼の音楽はつねに揺れ動き、休むことのない魂を反映しているのだが、それがリトアニアなのである。この音楽を知ってもらえるように人々を招いているのである。」

おすすめは、VL 178, VL 184, VL 187, VL 188のプレリュードとリトアニア民謡のピアノ用編曲です。

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CD-EMI CLASSICS: 5 66791-2 (US, 1998) "Čiurlionis: Born of the Human Soul, Works for Solo Piano" Nocturne in F sharp minor [VL 178], Prelude in B major [VL 186], Prelude in B minor [VL 182a], "Angelas Dievo" [Angelius Domini] Prelude in F sharp major [VL 184] (Composed in Druskininkai) , Impromptu in F sharp minor [VL 181], Prelude in D flat major [VL 187], Prelude in B flat minor [VL 169], Fugue in B flat minor [VL 345], Prelude in C major [VL 331], "Vai močiute" [Oh, Mother] [VL 277],Concord (Episode from Symphonic Poem "Jūra" [The Sea]) [VL 255], Prelude in G major [VL 338], "Tėve mūsų" [Pater Noster] [VL 260], "Bėkit, bareliai" [Stretch Away, Fields] 4 Variations [VL 279], Prelude in D minor [VL 239], Prelude in A major [VL 335], "Ant kalno gluosnys" [Willow on the Hill] [VL 289], Prelude [VL 188], Variations "SEFAA ESEC" Theme [VL 258], "on onem kiemely" [In a Courtyard] (Ar vėjai pūtė [Did the winds blow]) [VL 274], Prelude in D minor [VL 325], "Sekminių muzika" (Prelude for the Whitsunday in D major) [VL 337a], Prelude in G minor [VL 310], "Oi giria, giria" [Oh, Forest, Forest] 5 Variations [VL 276] (Vytautas Landsbergis)

下記2枚のLPのうち、1枚目のLPより8曲が、映画『リトアニアへの旅の追憶』のバックグラウンド・ミュージックに使用されました。

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LP-MELODIYA: D 012339/40 (SU, 1962) Prelude op. 7, No. 4 [VL 188], Prelude op. 3, No. 1 [VL 169], Prelude op. 11, No. 2 [VL 199], Prelude op. 7, No. 2 [VL 187], Prelude op. 6, No. 1 [VL 184], Prelude op. 12, No. 1 [VL 239], Prelude op. 12, No. 2 [VL 240], Prelude op. 14, No. 2 [VL 248], [Some sources incorrectly indicate it as op. 12, No. 1], Prelude op. 17, No. 1 [VL 260], [Some sources incorrectly indicate it as op.16, No. 3], Prelude op. 16, No. 3 [VL.256], Prelude op. 21, No. 1 [VL 294], Prelude op. 21, No. 2 [VL 295], Prelude op. 33, No. 3 [VL 340], Prelude op. 33, No. 1 [VL 338], Prelude op. 30, No. 1 [VL 318], Prelude op. 31, No. 2 [VL 327], Prelude op. 33, No. 4 [VL 342], [Some sources incorrectly indicate it as op. 39, No. 4], Prelude op. 33, No. 5 [sic op. 22, No. 5 ] [VL 304], Prelude op. 31, No. 1 [VL 325], Prelude op. 33, No. 2 [VL 339], Prelude op. 32, No. 3 [sic op. 33, No. 7 ] [VL 333], [Some sources incorrectly indicate it as op. 39, No. 7] (Piano: Vytautas Landsbergis)


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LP-MELODIYA: D 022921/22 (SU, 1967) 7 Variations Theme "Sefaa Esec", op. 15 [VL 258], Prelude op. 15, No. 2 [VL 257], 4 Variations Theme "BESACAS", op. 18 [VL 265], Fugue, op. 34 [VL 345], Preludes: op. 32, No. 2 [VL 335], op. 30, No. 2 [VL 319], op. 26, No. 3 [VL 310], "Oi giria, giria" [Oh, Forest, Forest] I-V [VL 276], "Močiute mano miela" [Mother, I Want to Sleep] [VL 281], "Išėjo mergaitė" [Maiden Left] I-II [VL 278], "Ei mergele" [Hey, Maiden] I-III [VL 283], "Ganiau aveles" [I Shepherd] [VL 282], "Vai močiute" [Oh, Mother] I-II [VL 277], "Subatos vakarėlį" [Saturday Night] I-III [VL 286], "on onem kiemely" [In a Courtyard] I-II [VL 274], "Aš pasėjau rūtelę" [I Sowed the Rue ] [VL 280], "Siuntė mane močiutė" [Mother Sent Me] [VL 284], "Bėkit bareliai" [Stretch Away, Fields] I-IV [VL 279] (Piano: Vytautas Landsbergis)

LPの演奏にはリトアニアの素朴な暖かさが良くあらわれている気がしました。

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チュルリョーニスの時代』(佐藤泰一/村田郁夫訳、ヤングトゥリープレス 2008)
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by ciurlionis | 2009-01-14 23:59 | 音楽

先ほど、Amazonを覗いていたら、元旦に行われたバレンボイム指揮ウィーン・フィルのニューイヤーコンサート2009のCDDVDがもう予約受付中になっていました。

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今年は、ハイドンの没後200年の年にあたり、バレンボイム氏はハイドン作曲の「《告別》交響曲」から第4楽章をプログラムに入れていました。

この曲は、「演奏中に楽団員が徐々に退場する」という演出付きで、バレンボイム氏と楽団員のコラボにより、ユーモアたっぷりの舞台となりました。

観そびれ、聴きそびれてしまったという方はニューイヤー・コンサート 2009 [DVD]New Year's Concert 2009[CD] でお楽しみいただければと思います。


今年は、
ヒルデガルト・フォン・ビンゲン没後830年
パーセルの生誕350年
ヘンデルの没後250年

ハイドンの没後200年
メンデルスゾーンの生誕200年

だそうです。

演奏会が楽しみですね。

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チュルリョーニスの時代』(佐藤泰一/村田郁夫訳、ヤングトゥリープレス 2008)
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by Ciurlionis | 2009-01-12 23:59 | 音楽

昨日今井信子さんのヴィオラや日本の曲のフレーズが使われている曲をご紹介したので、そのつながりで今日は、スウェーデンのBISレーベルから発売されている今井信子さんのヴィオラによる"The Russian Viola"『ロシアのヴィオラ』と小川典子さんのピアノによる "Japonisme" 『ジャポニスム~世界の作曲家の目に映った日本』についてお話しします。

まず、一枚めの"The Russian Viola"ですが、文字通り、ロシア人作曲家によるヴィオラ曲ばかりを収録したCDです。今井信子さんの演奏するヴィオラが、まるでチェロかと思わせるような層の厚い音色で朗々と謳い上げています。

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おすすめは、ショスタコーヴィチの遺作となったヴィオラ・ソナタです。この作品は、1975年の春から夏にかけて作曲され、彼が亡くなる三日前に完成されました。曲の冒頭にはアルバン・ベルクのヴァイオリン協奏曲冒頭のピチカートが引用され、第二楽章のグロテスクな踊りはマーラーとストラヴィンスキーを想起させます。また、最終楽章の冒頭13小節はヴィオラのソロに捧げられ、メロディーはベートーヴェンの「月光ソナタ」と同じリズムとメロディーへと続きます。また、彼自身の第五交響曲と、チャイコフスキーの第四交響曲などからも構想を得ているのがわかります。

RUBINSTEIN, Anton (1829-1894)
Nocturne, Op. 11 No. 2 (Track 1)
GLINKA, Michail (1804-1857)
Viola Sonata in D minor (Tack 2-3)
GLAZUNOV, Alexandr (1865-1936)
Elegie, Op. 44 (Track 4)
STRAVINSKY, Igor (1882-1971)
Elégie per viola sola (1944) (Track 5)
SHOSTAKOVICH, Dmitri (1906-1971)
Sonata for viola and piano, Op. 147 (Track 6-8)
Nobuko IMAI, viola
Roland PÖNTINEN, piano



二枚目の "Japonisme" 『ジャポニスム~世界の作曲家の目に映った日本』は、こちらも文字通り、日本の曲や日本が題材にされている曲ばかりが収録されているCDです。収録曲のほとんどが「世界初録音」という貴重な盤です。小川典子さんのピアノの透明感のあるシャープな音色がしっかりと明快にジャポニスムを表現しています。

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アンリ・ジル=マルシェックスはピアニストとして生涯のうち4度ほど日本を訪れており、1937年の5月にRetour du ToshiwaraLune d'automne a Idzoumoを東京で初演しています。いずれも日本人にとっては不評だったようです。このCDに収録されている曲ではジル=マルシェックスが日本で聴いたメロディーやリズムが採用されています。また、この曲はアルフレッド・コルトーに捧げられました。

ポーランド生まれのフランスの作曲家タンスマンは、1933年のアジア・ツアーの際に日本にも訪れました。日本滞在中に、宮城道雄の琴を聴き、その美しさに触発されたそうです。ここでは、都節の音階と琴の音の模倣が試みられています。

Theodor SZÁNTÓはウィーン生まれの作曲家で、1898年から1901年までベルリンでブゾーニに師事しました。彼は、バルトークやコダーイがまだ有名になる前から彼らの曲を紹介していました。また、彼は日本の音楽にも大変興味を持っており、彼の作品のなかにさまざまな形で組み込みました。

Walter NIEMANNは、日本の文化を賞賛しており、自宅にはたくさんの日本画が飾られていたそうです。彼はドイツ人作曲家ですが、ここでの収録曲からはどこか北欧色をいっぱい感じました。

サン=サーンスは、数々の異国風の作品を作曲しましたが、ここでは、パリ博覧会から影響を受けたらしい作品が収録されています。このオペラは、彼がジャポニスムを取り入れた最初の作品だそうです。

シリル・スコットは、イギリス人作曲家でありますが、ドイツのフランクフルトでフンパーディンクに学び、フランスの印象派の音楽から強い影響を受けました。彼は「イギリスのドビュッシー」としばしば呼ばれ、オリエンタルな哲学と神秘主義に自分を捧げ、インドや中国の要素を含んだ曲を作曲しました。ここでの収録曲には明確な日本的要素は見られませんが、明らかに中国風の作品とは異なっており、スコットの日本から受けたイメージが曲想から感じられます。

シラスは、オランダ生まれの作曲家ですが、パリでピアノと作曲法を学びました。オランダにいたころより日本との交流があり、どこかで日本の伝統音楽を耳にしていたようです。ここでの一風変わった音楽は彼が日本の音楽から得た印象を反映しています。

ポルディーニはハンガリー生まれの作曲家で、ハンガリー国内ではオペラの作曲家として有名ですが、世界的には、彼のLa poupee valsanteが、クライスラーによってヴァイオリン用に編曲されたことで知られるようになりました。ここでの作品は、ドビュッシーを想わせるような曲のなかに日本と中国の要素が含まれています。また、中間部のアルペッジョは琴の演奏を暗示させています。

パーシー・グレインジャーはオーストラリア生まれの作曲家で、ブゾーニのもとでピアノを学びました。彼は、民謡のメロディーを用いて多くの作品を作曲しましたが、ここに収録されている作品は、当時として例外的に斬新なもので、和声がまったく感じられません。ここでは、彼がオーストラリアの日本バザールで聴いた都節の音階と日本的なリズムが採用されています。

アルバート・ケテルビーは、イギリス生まれの作曲家です。ここに収録されている作品では、日本と中国のモティーフが一般的なスタイルで採用されています。最初の部分では、芸者が描かれ、第二部では花や鳥、そしてサムライを描いています。そして、第三部には君が代が使用され、ここでは単に異国的な象徴として、日本が採用されています。

GIL-MARCHEX, Henri (1894-1970)
Deux Images du vieux Japon (1936) (Track 1-2)
TANSMAN, Alexandre (1897-1986)
Complainte de Nikko from 'Le tour de Monde en Miniature' (1933) (Track 3)
SZÁNTÓ, Theodor (1877-1934)
In Japan (1918-22)
Four studies in Japanese harmony based on native songs (Track 4-7)
Sakura Sakura (1924)
No. 2 of 'Zwei Japanische Melodien' from the opera 'Taifun' (Track 8)
NIEMANN, Walter (1876-1953)
Japan, Op. 89 (1923) (Track 9-13)
SAINT-SAËNS, Camille (1835-1921)
Overture to the opera 'La Princesse jaune', Op. 30 (1872) (Track 14)
SCOTT, Cyril (1879-1970)
Soirée japonaise Op. 67 No. 4 (1907) (Track 15)
SILAS, Edouard (1869-1909)
Tokio, Japanese March (1894) (Track 16)
POLDINI, Ede (1869-1957)
Étude japonaise, Op. 27 No. 2 (1907) (Track 17)
GRAINGER, Percy Aldridge (1882-1961)
Arrival platform Humlet
from the suite 'In a Nutshell' (1908-16) (Track 18)
KETELBEY, Albert (1875-1959)
From a Japanese Screen (Track 19)
Noriko OGAWA, piano


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チュルリョーニスの時代』(佐藤泰一/村田郁夫訳、ヤングトゥリープレス 2008)
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by ciurlionis | 2009-01-10 22:30 | 音楽

今日はチュルリョーニスから離れて、バルト三国や北欧諸国の合唱曲のCDをご紹介します。

バルト三国(エストニア、ラトヴィア、リトアニア)の人々にとって合唱とは特別な意味を持っています。バルト三国の各国では、数年毎に国民参加の大規模な合唱祭や舞踊祭が行われることでも有名です。

そこで、本日はBaltic Voices 1.2.3(バルティック・ヴォイシズ第1.2.3集)を取り上げます。

このBaltic Voicesは、合唱指導者として崇められているポール・ヒリアー氏がエストニアフィルハーモニー室内合唱団を率いて、バルト海沿岸の国々の現代作曲家による合唱曲を紹介するというCDです。

このCDを初めて聴いたとき、「こんなに美しい合唱曲が世の中に存在したのか!?」と驚かされました。まさに「静謐」という単語が似合う合唱曲たちです。エストニアフィルハーモニー室内合唱団の合唱がすばらしく、ここまでくると「人間の声による芸術作品」と言えるほど完璧な合唱です。

バルティック・ヴォイシズ第1集 [Import] (BALTIC VOICES 1 (HYBR))では、世界初録音3曲を含む、スウェーデン、フィンランド、ラトヴィア、エストニアの作曲家の合唱曲が取り上げられています。おすすめは、トルミス、ペルト、ヴァスクスの世界初録音曲3曲でしょうか?
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1. Psalm 104 (Bless The Lord, O My Soul)
2. Happy Is The Man (From Psalms 1, 2 & 3)
3. Psalm 141 (O Lord, I Call To Thee)
4. Psalm 121 (The Sun Will Not Strike You By Day)
(1-4. Cyrillus KREEK)
5. Hear My Prayer, O Lord
(5. Sven-David SANDSTRØM)
6. Cancion De Jinete (The Rider)
7. El Grito (The Scream)
8. La Luna Asoma (The Moon)
9. Malaguena (6-9. Einojuhani RAUTAVAARA)
10. Garais Sauciens (Song Of Meeting)
11. Rota Dziesma (Spring Song)
12. Kazu Apdziedasanas (Wedding Song Contest)
13. Seru Dziesma (Funeral Song)
14. Linu Druva (The Flax Field)
15. Ligo Dziesma (Midsummer Song)
(10-15. Velijo TORMIS)
16. Es Ist Genug (It Is Enough)
(16. Sven-David SANDSTRØM)
17. Which Was The Son Of
(17. Arvo PÄRT)
18. Dona Nobis Pacem (Grant Us Peace)
(18. Pēteris VASKS)


バルティック・ヴォイシズ第2集 [Import] (BALTIC VOICES 2 (HYBR))では、2曲の世界初録音を含む、バルト地域のキリスト教の3宗派、東方宗教から(シュニトケとGRIGORJEVA)、カトリックからは(シサスクとTULEV)、プロテスタントからは(NØRDGÅRD)が取り上げられています。おすすめは、シサスクとシュニトケの作品です。
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1. I Surrexit Christus
2. II Omnis Una
3. IV Benedicamus
4. XXIII Oremus
5. XIX Confitemini Domino
(1-5, Urmas SISASK)
6. And Then In Silence There With Me Be Only You
(6. Toivo TULEV)
7. Winter Hymn
(7. Per NØRDGÅRD)
8. Lord, Have Mercy
9. Ode 1
10. Odes 7-8
11. Kondakion
12. Ikos
(8-12. Galina GRIGORJEVA)
13. O Holy Virgin, Rejoice
14. O Lord, Jesus Christ
15. Our Father In Heaven
(13-15. Alfred SCHNITTKE)



バルティック・ヴォイシズ第3集 [Import] (BALTIC VOICES 3 (HYBR))は、このシリーズを締めくくる最後の盤として、すでに作曲家としての地位を確立しているベリマン、グレツキ、グズモンセン=ホルムグレンと、若手世代の最近の作品からサーリアホとトゥール、そのほかではリトアニアからアウグスティナス、マジュリス、マルティナイティスの3人が取り上げられています。ここでのおすすめは、グレツキとリトアニア人作曲家3人です。
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1. The Stomping Bride (Vaclovas AUGUSTINAS)
2. Statements (Pelle GUDMUNDSEN-HOLMGREEN)
3. Nuits, Adieux (Kaija SAARIAHO)
4. The Dazzled Eye Lost Its Speach (Rytis MAŽULIS)
5. Das Grobe Lalula (5-8. Erik BERGMAN)
6. Tapetenblume
7. igel Und Agel
8. Unter Zeiten
9. Alleluia (Algirdas MARTINAITIS)
10. Meditatio (Erikki-Sven TÜÜR)
11. Hej, Z Gory, Z Gory! (11-15. Henryk Mikolaj GÓRECKI)
12. Cimna Nocka, Ciamna
13. Wcoraj, dzwcyno, Nie Dzisaj
14. A Torunia Ja Parobecek
15. Wysula Burzycka, Bandzie Desc




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チュルリョーニスの時代』(佐藤泰一/村田郁夫訳、ヤングトゥリープレス 2008)
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by ciurlionis | 2009-01-08 23:59 | 音楽


チュルリョーニスは35年の短い生涯のうち、6曲の弦楽四重奏曲を作曲しました。
いずれも学生時代に書かれた作品のためピアノ曲などと比べるとあまりなじみが
ないかも知れませんが、存在感のあるしっかりとした作品に仕上がっています。


Theme and Variations in B minor [VL 80](1898)
Fugue in G major [VL 81](1898)
Fugue in F Sharp minor [VL 82] (1898)

String Quartet in C minor [VL 83](1901)
Canon in C minor [VL 216a](1902)
Canon in D major [VL 217a](1902)


初めの3曲、「主題と変奏」、「二つのフーガ」はチュルリョーニスがまだワルシャワ音楽院に在学していた頃に書かれました。ロマン派風の楽想のなかにもバロック・古典音楽の基礎がしっかりと築かれています。またチュルリョーニスは、1901年からライプツィヒ音楽院でザロモン・ヤーダスゾーンに対位法を、カール・ライネッケに作曲法を学んでいましたが、彼の室内楽曲の代表作とされる「弦楽四重奏曲ハ短調」はライプツィヒ音楽院の卒業作品として作曲されました。もともとは4楽章からなっていたようですが、第4楽章は消失しています。この曲だけを聴くと、まるでブラームスの作品かと思うほど、ロマン派的な曲に仕上がっています。特に、Canon in C minor [VL 216a](1902)はピアノとオルガン曲としても作曲されていますが、この作品は6曲の弦楽四重奏曲のなかでも際立っており、チュルリョーニスがいかに早熟な作曲家であったかがわかります。


先日の交響詩のCDと一部重複しますが、手許にある弦楽四重奏曲を含むCDをご紹介しておきます。


CD-LE CHANT DU MONDE: LDC 288004 (F-1020) (FR, 1991)"Ciurlionis: Poèmes symphoniques. Quatuor à cordes" Symphonic Poems: "Miške" [In the Forest] [VL 1] & "Jūra" [The Sea] [VL 5] (Edited by Eduardo Balsio) (Vladimir Fedoseyev / Moscow Radio Television Symphonic Orchestra), String Quartet [VL 83] (Vilnius Quartet)
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CD-TEICHIKU: TECC 30143 (JP, 1993)"Works for String Quartet" String Quartet in C minor [VL 83], Theme and Variations in B minor [VL 80], 2 Fugues for String Quartet: Fugue in G major (Allegro) [VL 81], Fugue in F sharp minor (Moderato) [VL 82], 2 Canons for String Quartet: Canon in D major [VL 217a], Canon in C minor [VL 216a] (Vilnius String Quartet)
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CD-RUSSIAN DISC: RDCD 10008 (US, 1998)"Čiurlionis: Complete Music for String Quartet" String Quartet in C minor [VL 83], Theme and Variations in B minor [VL 80], Canon in C minor [VL 216a], Canon in D major [VL 217a], Fugue in G major [VL 81], Fugue in F Sharp minor [VL 82] (Vilnius String Quartet)
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CD-SEMPLICE: VSSECD 003-6 (LT, 2000)"Mikalojus Konstantinas Čiurlionis (1875-1911)" CD 2: Fugues: Fugue C minor [VL 219], Fugue in C sharp minor [VL 86], Fugue in G minor [VL 90] [sic VL 218], Fugue "Kyrie eleison" [VL 19], Fugue-Chorale in A minor [VL 227], Fugue F sharp minor [VL 223], Fugue in B flat minor [VL 345] (Jūratė Landsbergytė), String Quartet C minor [VL 83] (M. K. Čiurlionis Quartet)
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CD-BOMBA RECORDS: BBCD138 (LT, 2000)"M. K. Čiurlionis-125" Prelude in F sharp major [VL 184] (R. Zubovas), String Quartet in C minor [VL 83] (Vilnius State Quartet), Prelude in A major [VL 335] (R. Zubovas)
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CD-Music Information and Publishing Centre: LMIPCCD 047 (LT, 2007) Canon in C minor [VL 216a], Canon in D major [VL 217] (Čiurlionis String Quartet), Pastorale [VL 187], Fugue in C minor [VL 219], Prelude in F major / A minor [VL 188], Mazurka in E flat minor [VL 222] (Piano: Petras Geniušas), String Quartet in C minor [VL 83] (Čiurlionis String Quartet), Little Song [VL 199], Prelude in B minor [VL 182a], Prelude in A minor [VL 230] (Piano: ペトラス・ゲニュシャス Petras Geniušas)
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特にこの最後のディスクはチュルリョーニスの恩師であったライネッケの「ピアノ五重奏曲 イ長調 作品83」も収録されていますので、おすすめです。

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リトアニアを象徴する作曲家・画家チュルリョーニスの伝記が発売になりました!
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by ciurlionis | 2009-01-07 23:59 | 音楽
今日はチュルリョーニスの交響詩『海』と『森の中で』をご紹介したいと思います。

リトアニアの作曲家・画家であるミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス,
Mikalojus Konstantinas Čiurlionis (1875-1911)は、35年の生涯のうちに2曲の交響詩を作曲しました。

一曲目の交響詩:『森の中で』(リトアニア語ではMiške)作品番号VL 1は1900年10月から1901年4月かけて作曲されました。その頃チュルリョーニスは1899年6月にワルシャワ音楽院を卒業し、そのままワルシャワで家庭教師をしていました。この交響詩のスケッチは、ワルシャワで行われたマウリツィ・ザモイスキ・コンクールのためにわずか11日間で書きあげられたのでした。コンクールでは優秀賞を受賞したのですが、賞金は他のひとの手に渡ってしまったと言われています。

この交響詩『森の中で』は打楽器を含まない3管編成の管弦楽曲で、ソナタ風の形式をとっています。拍子は不規則で、またフェルマータが多用され、和音の反復進行が効果的に使われていて、そこにチュルリョーニスの独創性をみることができます。

この交響詩についてチュルリョーニスは1902年に友人のピャートラス・マルキャーヴィチュスに宛てた手紙のなかで、「この作品は静かな幅の広い和音で始まります。ちょうどリトアニアの松の木々の穏やかで風にそよぐようなため息のようです。この和声をオーケストラの演奏で聴けたら面白いでしょう。僕の想像している音が出せなかったら残念だけれど。」と述べています。冒頭部分の弦楽器の和音にの上に、ホルンの和音が重なり、その上にクラリネットについでフルートが主旋律を奏でる部分などはまさにリトアニアの松林を想わせます。


二曲目の交響詩:『海』(リトアニア語ではJūra)作品番号VL 5は、1904年の春から1907年に作曲されました。その頃チュルリョーニスは1904年の春に新たに開校されたワルシャワ美術学校へ入学します。1907年にはこの交響詩のオーケストレーションを終え、絵画作品の創作に取り掛かっています。

この交響詩『海』は、交響詩『森の中で』と同じ3管編成ですが、今度は打楽器が加えられ、ホルンが6本に、ハープは2本になっています。形式は自由なソナタ形式で、ここでもフェルマータが後に起こる主題を効果的に予兆しています。この曲もハープのアルペッジョからはじまり、フルートが静かにメロディーを奏で始め、それを低弦パートが受け止める部分などは、リトアニアの情景を想起させます。再現部でのコールアングレによる主題はチュルリョーニスの生まれた南東リトアニアのズーキヤ地方の民謡に似ていたことから、後に妹のヤドヴィーガ・チュルリョニーテによって「ズーキヤの主題」と名づけられました。ランズベルギス氏の著書では、「この『海』は様式上、後期ロマン派(リヒャルト・ワーグナーとリヒャルト・シュトラウスの技巧が反映されている)と関連づけられるが、その意味のより深い水準では、これは完全に独創的な作品である。象徴的で絵画的なドラマの概念は、ここに新たな考え方を求めて努力し、新しい道を探し求めている。同時に、旋律のパターンから世界観や美学に対する根本的な面に至るまで、さまざまな表現において典型的なリトアニアの香りを感じ取ることができるのである。」と述べられています。



ここで、手元にあるチュルリョーニスの交響詩が収録されているLPやCDをご紹介しておきます。


LP-MELODIYA: D 013977/78 (SU, 1964) Symphonic Poems: "Miške" [In the Forest] [VL 1] & "Jūra" [The Sea] [VL 5] (Balys Dvarionas / Moscow Philharmonic Orchestra)












LP-EMI/ HMV/ MELODIYA: ASD 3503 (UK, 1975) Symphonic Poem: "Miške" [In the Forest] [VL 1] (Juozas Domarkas / Lithuanian State Philharmonic Orchestra)












CD-MARCO POLO: 8.223323 (6253-06-90) (HK, 1990) "The Sea. In the Forest. Five Preludes." Symphonic Poems: "Jūra" [The Sea] [VL 5] (Edited by Eduardo Balsio) & "Miške" [In the Forest] [VL 1] (Edited by Eduardo Balsio), Preludes (Arranged by Antano Venckaus): "Dainelė" [Little Song] [VL 199], Prelude in G minor [VL 90], Prelude in B flat major [VL 94], Prelude in D flat major [VL 187], Prelude in D minor [VL 239] (Juozas Domarkas / Slovak Philharmonic Orchestra)






このCDは↓から購入可能です。
Ciurlionis: The Sea/In The Forest/Five Preludes






CD-LE CHANT DU MONDE: LDC 288004 (F-1020) (FR, 1991) "Ciurlionis: Poèmes symphoniques. Quatuor à cordes" Symphonic Poems: "Miške" [In the Forest] [VL 1] & "Jūra" [The Sea] [VL 5] (Edited by Eduardo Balsio) (Vladimir Fedoseyev / Moscow Radio Television Symphonic Orchestra), String Quartet [VL 83] (Vilnius Quartet)












CD-KING: KICC 76 (FC911D SA) (JP, 1992)
Symphonic Poems: "Miške" [In the Forest] [VL 1] & "Jūra" [The Sea] [VL 5, original version] (Gintaras Rinkevičius / Lithuanian State Symphonic Orchestra)












CD-TRITON: DMCC 26012 (JP, 1997) "The Sea under Evgeny Svetlanov" Symphonic Poem "The Sea" [VL 5] (Evgeny Svetlanov / Russian State Symphonic Orchestra)












CD-SEMPLICE: VSSECD 003-6 (LT, 2000)
"Mikalojus Konstantinas Čiurlionis (1875-1911)" CD 1: Simfoninės poemos: Miške [VL 1], Jūra [VL 5, originali versija] (Gintaras Rinkevičius / Lietuvos valstybinis simfoninis orkestras)















CD-SEMPLICE: VSSECD 003 (LT, 2000)
Symphonic Poems: "Miške" [In the Forest] [VL 1] & "Jūra" [The Sea] [VL 5] (Gintaras Rinkevičius / Lithuanian State Symphonic Orchestra)












CD-DREYER GAIDO: CD 21027 (DE, 2005)
Symphonic Poem: "Miške" [In the Forest] [VL 1] (Gabriel Feltz / Philharmonisches Orchester des Theaters Altenburg-Gera)









CD-EXTON: OVCL 00287 (JP, 2007)
Symphonic Poem: "Jūra" [The Sea] [VL 5] (Evgeny Svetlanov / Russian State Symphonic Orchestra)








CD-SVETLANOV FOUNDATION: SVSEA
005 (RU, 2007) Symphonic Poem: "Jūra" [The Sea] [VL 5] (Evgeny Svetlanov / Russian State Symphonic Orchestra)


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by ciurlionis | 2009-01-03 23:59 | 音楽

みなさま、

あけましておめでとうございます
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます


バルト三国を二度ほど訪れて以来、バルト三国出身の作曲家や画家に興味を持つようになりました。
昨年は、フィンランドとリトアニアを訪れ、フィンランドではトゥルクやハメーンリンナなどシベリウスにゆかりのある地を回り、リトアニアではカウナスにある杉原千畝記念館やチュルリョーニス美術館を回ったりしました。

その影響もあって、昨年はリトアニア語講座にも通い始め、今年の年賀状はリトアニア一色でまとめてみました。中心にある牛の絵画はチュルリョーニスの"Taurus"です。

こんな感じです。→
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「一年の計は元旦にあり」というので、今年の目標を定めてみました。

今年は日ごろから買い集めていたクラシック音楽のCDをできるだけ聴き進めることに専念したいと思っています。少しずつこのブログでも紹介できたらと思っています。

また、今年はリトアニアのヴィリニュスが「欧州文化首都」"European Capital of Culture"というものに指定されていて多くの文化イヴェントが催されるようですので、再度リトアニアを訪れてみたいと思っています。

今日は、毎年恒例のウィーン・フィルのニューイヤー・コンサート2009を観ていました。
今年の指揮者はイスラエル出身のダニエル・バレンボイム氏でした。
観客全員が楽しめるようにユーモアのある選曲がされていて、
とても印象的なニューイヤー・コンサートとなりました。

これを良い機会としてバレンボイム氏について少し書きたいと思います。

バレンボイム氏は個人的にも尊敬している指揮者のひとりです。彼は、1999年、対立状態にあるイスラエルとアラブ諸国(ヨルダン、シリア、レバノン)の若い音楽家たちを集め、その地域の和平を願ってウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団(West-Eastern Divan Orchestra)をエドワード・サイード氏と共に設立しました。2005年にはパレスチナ自治区のラマラでの演奏会を実現させました。この演奏会の模様はこちらのDVDRamallah Concert [DVD] [Import]やこちらのCDライヴ・イン・ラマラでも鑑賞することが可能です。エドワード・サイード氏は2003年9月に急逝されましたが、その後もバレンボイム氏が活動を続けています。私がこのオーケストラについて知ったのは2003年の夏、ロンドンにおいてでした。それはまさにサイード氏が亡くなるひと月ほど前でした。ロイヤル・アルバート・ホールで行われているBBC Proms音楽祭にこのオーケストラが出演すると聞いて、立ち見席でも良いからと並びましたが、定員オーバーでホールの外から聴くことになってしまいました。もし入場できていたら亡くなる前のサイード氏を一目みられていたのですが、とても残念でした。しかし、それをきっかけとし、パレスチナやアラブ諸国について興味を持ち、彼らについての文献などを読み理解を深めました。その文献が『バレンボイム/サイード 音楽と社会』みすず書房(2004)、英文ではParallels and Paradoxes: Explorations in Music and Societyというものでした。これは、バレンボイム氏とサイード氏の対談集で、ドイツのワイマールでのワークショップの話に始まり、話題はフルトヴェングラーやバイロイト、ワーグナーなどにも及びます。バレンボイムはユダヤ系ですので、彼に対する様々な評価を耳にしますが、この本を読むと彼がこのオーケストラを通じて成し遂げようとしていることが理解できると思います。その他にもたくさん文献が出ていますので、読み進めてみると新たな発見に出会えます。おすすめです。

しかし、ウエスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団がパレスチナの和平を祈り、活動を続けている最中、またイスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザへの攻撃が始まりました。罪のない多くの市民までが巻き添えになっているもようです。一日も早い停戦と武力の廃絶を訴えたいところです。戦いのない平和な一年になりますように。
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by ciurlionis | 2009-01-01 23:59 | 音楽