カテゴリ:コンサート・オペラ( 50 )


今日は、すみだトリフォニーホールで行われている地方都市オーケストラ・フェスティバル2009の群馬交響楽団の公演に行ってきました。

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演目は下記の通り。

チャイコフスキー作曲 幻想的序曲《ロメオとジュリエット》
プロコフィエフ作曲   ピアノ協奏曲第3番 ハ長調 作品26
ドビュッシー作曲   「海」 3つの交響的スケッチ

指揮:  マルティン・トゥルノフスキー
ピアノ:  ヤロスラヴァ・ピエフォチョーヴァー
管弦楽:  群馬交響楽団


指揮者もピアニストもチェコ出身で、指揮者のトゥルノフスキーは、カレル・アンチェルやジョージ・セルに師事した東欧の巨匠であり、ピアニストのピエフォチョーヴァーはイヴァン・モラヴェッツの下で研鑽を積んだ現在注目のアーティストです。

実は、群馬交響楽団の演奏を今日初めて聴いたのですが、とても新鮮な印象を受けました。

まず、木管楽器の各奏者が名手揃いであると思いました。ほどよい自己主張のある音が3F後方で聴いていた私のところまでしっかりと届いていました。また、この木管奏者さんたちの音は、木管セクションのアンサンブルとしても小気味好くまとまっていて、それも聴いていて気持ちが良く、今日のプロコフィエフと良く合っていました。このオーケストラでいずれ「ピーターと狼」を聴いてみたいと思いました。木管楽器奏者が名手揃いなので、きっと楽しい演奏をしてくださるのではないか?と思った次第です。

一曲目のチャイコフスキーは、弦楽器セクションのクリアーな音色と管楽器の音色が程良く織り合っていて、ひとつひとつの音が明快だったので、曲の隅から隅までしっかりと聴くことができました。プロコフィエフのピアノ協奏曲第3番は、以前お世話になったクラリネットのN先生のソロで始まったのですが、そのソロがすばらしく、また、ピエフォチョーヴァーのピアノも技巧に走りすぎず、プロコフィエフの抒情性をよく表現されていて、久しぶりに清々しいプロコフィエフを聴かせていただきました。ドビュッシーの「海」もこのオケのクリアーな音色にとても合っていて、指揮者の解釈のおかげなのでしょうか、「3つの交響的スケッチ」という副題が付けられているように、音が視覚的に迫ってくるように聴こえてきました。

また、来年の公演も楽しみです。来年もプログラムにプロコフィエフを入れて頂きたいと思いました。

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今日3月21日はヨハン・ゼバスティアン・バッハのお誕生日でしたが、佐倉市民音楽ホールにて鈴木雅明とバッハ・コレギウム・ジャパンのメンバーによる「マタイ受難曲講座」を聴いてきました。

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今年はメンデルスゾーンの生誕200年なので、その年を記念して、メンデルスゾーン上演稿のJ. S. バッハ「マタイ受難曲」BWV244を演奏することになったそうです。

今日は、4月11日に同ホールで行われる公演の先がけて、そのメンデルスゾーンの上演稿ができた経緯や、その内容などが演奏を交えたレクチャーで詳しく語られました。

メンデルスゾーンは1823年のクリスマスか、1824年の誕生日プレゼントとして大叔母さんから「マタイ受難曲」のスコアを贈られて、それ以来その上演を目指して演奏者や場所などを探します。そして、1829年3月11日と21日にベルリンのジングアカデミーにて復活上演が実現します。1841年にはライプチヒの聖トマス教会でも上演されました。

2009年4月11日に公演が予定されている「マタイ受難曲」はこの1841年に演奏されたものを基準としているそうですが、そのスコアは、19世紀の演奏様式のものであり、バッハが作曲した元のものとはかなり様子が異なっていたそうです。例えば、アリアやコラールをカットして、全体の長さを短くすることでストーリーをわかりやすくしていたり、エヴァンゲリストなどのレチタティーヴォの伴奏にピアノや2本のチェロが使われたりしました。またオーボエ・ダモーレの代わりにA管のクラリネットが、オーボエ・カッチャの代わりにバセット・ホルンが使用されていたそうです。また、通常アルトによって歌われる「憐みたまえ」がソプラノによって歌われたなど、当時の出演者たちの技量によって音程が変えられているフレーズがいくつかあるようでした。レクチャーではその変更になった部分部分しか演奏されなかったので、すべてを通して聴くとどうなるのか、4月11日の公演がとても楽しみになりました。

私がふだん愛聴している「マタイ受難曲」のCDは、バッハ作曲による原典版ですが、ヘレヴェッヘ指揮、コレギウムヴォカーレによる合唱のもので、ソリストたちもボストリッジ、ゼーリヒ、ルーベンス、ショル、ギーラ、ヘンシェルなど一流の方々なので、とても完成度の高い演奏となっていて、おすすめです。

バッハ:マタイ受難曲

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今日は、午前中に埼玉県立近代美術館に巡回している「青春のロシア・アヴァンギャルド」展と、それに付随した映画『ピロスマニ』の上映会に行き、午後からは杉並公会堂で行われていた日本フィルによるエデュケーション・フェスティバル2009の一環である「ピーターと狼」のワークショップと演奏会にも足を運びました。

まず、「青春のロシア・アヴァンギャルド」展は、巡回の途中でシャガールの絵画が贋作であったことが判明し、残念なこともありましたが、なによりもこの展覧会の目玉は、グルジア出身の画家ピロスマニの絵画を一度に10点も観られることでしょう。今日は、そのピロスマニの生涯を追った伝記映画『ピロスマニ』の上映会が行われたのでした。雨にもかかわらず、11時の上映時刻には、130席のイスが足りず、立ち見の方も出るほどの観客が集まり、賑わっていました。先日、この映画を公共の図書館でVHSを借りてきて観ていたのですが、やはり小さなTV画面で観るより、スクリーンで観た方がピロスマニの描いた絵画が実物とほぼ同じ大きさでみることができ、感慨もひとしおでした。そして、映画を観終わってすぐに、展覧会場で本物のピロスマニ絵画も鑑賞することができ、本当に幸せでした。

午後からは北浦和から荻窪に移動して、日本フィルによるワークショップと演奏会を鑑賞してきました。

杉並区の小学生と女子美術大学の学生さんと、日本フィルによる地域に根差したイヴェントで、プロコフィエフ作曲の『ピーターと狼』がそのメイン・ピースとして採用されていて、プロコフィエフが好きで研究している私としても、とても嬉しく思いました。

演奏会場のロピーには、女子美術大学の学生さんたちが作成した「ピーターと狼」に登場する動物たちをあしらったアート作品が展示してあって、こちらも夢のある可愛らしいものでした。

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午後4時からの演奏会では、ブリテン作曲の『青少年のための管弦楽入門(パーセルの主題による変奏曲とフーガ)』に続き、プロコフィエフ作曲の子どものための音楽物語『ピーターと狼』が演奏されました。

指揮は川瀬腎太郎さん、語りはおおたか静流さん。川瀬さんは音大を卒業したばかりの24歳。おおたか静流さんはUNESCOの無形文化遺産にも登録されている、エストニアの国民参加型の合唱祭に日本人で初めて参加されたとか。これからの活躍がますます楽しみです。休憩時間に子どもたちに「気に入った楽器は?」と質問を投げかける場面があり、意外にもハープの人気が高かったので、「今日参加した小学生のなかから将来のハープ奏者が生まれるかな?」なんてちょっと期待してしまいました。

これからも地域の子どもと大人が参加できるこのような音楽イヴェントが増えていってくれることを願っています。やはり音楽のある生活は人のこころを豊かにさせる良いものだと今日あらためて思いました。

演奏会が終わって帰り際に新宿のタワーレコードに立ち寄り、下記のような『ピーターと狼』のCDを見つけました。

プロコフィエフ: ピーターと狼*
シベリウス: 交響曲 第二番
グリーグ: 過ぎし春~悲しい旋律 作品34-2
セルゲイ・クーセヴィツキー指揮 ボストン交響楽団
朗読/エレノア・ルーズベルト*
1950年8月11日、タングルウッド、シアター=コンサート・ホール*
1950年11月29日、ボストン、シンフォニー・ホール
Naxos 8.111290 (2008)


このCDは1950年に録音されたLPの復刻盤で、朗読を担当されたのはエリナー・ルーズべルト(第32代アメリカ合衆国大統領夫人)。『ピーターと狼』に興味がお有りの方にはおすすめです。

プロコフィエフ作曲『ピーターと狼』 セルゲイ・クーセヴィツキー指揮 ボストン交響楽団

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指揮者のクーセヴィツキーはプロコフィエフの最大の支援者で、パリとボストンで多くの作品を指揮しています(ちなみに交響曲第四番は彼の注文で書かれています)。世に出たあと50年も復刻されなかったクーセヴィツキー指揮の『ピーターと狼』が、CDで聴けるのですからすばらしいことです。

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今日は、国分寺市立いずみホールで行われた「リトアニア杉原千畝記念館改修のためのチャリティーコンサート」に足を運びました。

国立音楽大学附属高等学校合唱部 第14回定期演奏会として行われたこの演奏会は、400人くらい入るホールがほぼ満席で大盛況でした。

日本歌曲のほかに、G. ロッシーニの《3つの宗教的合唱曲》、イタリア・マドリガル、ポーランド民謡、またリトアニアの作曲家L. Degėsysの《夏の鳥》 Vasaros Paukštisなどが歌われ、若くてエネルギッシュな合唱に魅了され、しばし時を忘れて聴き入っていました。

また、休憩時間にロビーでは杉原千畝記念館改修のための募金活動なども行われていて、多くの方が募金をされていました。

国立音楽大学附属高等学校合唱部はこのあと、リトアニアやポーランドでも公演をされるそうです。合唱を通じての交流がますます深まっていくことを願っています。

リトアニアを含むバルト三国では、UNESCOの無形文化遺産にも登録されている大規模な合唱・舞踊祭が4,5年ごとに行われることでも良く知られていますが、今日はここで、バルト三国の合唱曲CDをご紹介しておきます。

バルト三国の合唱音楽選集 Vol.1 エストニア合唱曲集(1)混声
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バルト三国の合唱音楽選集 Vol.2 エストニア合唱曲集(2)女声
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バルト三国の合唱音楽選集 Vol.3 ラトヴィア合唱曲集(1)混声・女声
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バルト三国の合唱音楽選集 Vol.4 ラトヴィア合唱曲集(2)混声・男声
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バルト三国の合唱音楽選集 Vol.5 リトアニア合唱曲集
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また先日のブログでもバルト諸国の合唱曲 ~Baltic Voices~というシリーズの合唱曲CDもご紹介していますので、併せてご覧ください。こちらはどちらかというとバルト三国出身の現代作曲家による合唱曲が多く収録されています。合唱界でも有名なポール・ヒリヤー(Paul Hillier)率いるエストニア・フィルハーモニー室内合唱団による秀逸な録音ばかりで、おすすめです。

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14日付の読売新聞の夕刊でも取り上げられていましたが、「国立音楽大学附属高等学校合唱部の 第14回定期演奏会」として「リトアニア杉原千畝記念館改修のためのチャリティーコンサート」が開催されるそうです。

 国立音楽大学附属高等学校合唱部 第14回定期演奏会
 日時:2009年 3月17日(火) 18:30開演
 場所:国分寺市立いずみホール
 曲目:ロッシーニ/3つの宗教的合唱曲
    瑞慶覧尚子/女声合唱組曲「白いシクラメン」より ほか
入場料:無料(要入場整理券)

●予約方法:下記アドレスにメールで申し込む。
  メール本文には、名前、電話番号、申し込み人数を明記する。
●アドレス:ticket@onkou-chorus.com
●詳細情報:http://www.onkouchor.com/09annual_concert_.html

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昨年の3月、リトアニアのカウナスを訪れた際に、私もこの「杉原千畝記念館」に立ち寄りました。カウナスのバスターミナルから歩いて行ったのですが、この記念館は丘の上にあり、200段くらいの階段を登った先の住宅街の一角にありました。すでにいくつかの部屋は改修中でした。

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実際に杉原氏が仕事をしていた執務室の椅子に座らせていただき、折り紙フィギュアをいくつか折って置いてきました。個人旅行で訪れる日本人は少ないだろうと思っていたのですが、訪問者ノートには結構たくさんの訪問者の名前が記されていて、嬉しく思いました。

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昨日のリハーサルに続き、本日2月28日もすみだトリフォニー・ホールにて、フランス・ブリュッヘン+新日本フィルの HAYDN PROJECT 「ロンドン・セット」第四日目(最終日)を聴いてきました。

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最終回のプログラムは下記の通り、ハイドンのロンドン・セットから最後の3曲でした。

ハイドン作曲交響曲第102番変ロ長調Hob.I-102
ハイドン作曲交響曲第103番変ホ長調「太鼓連打」Hob.I-103
ハイドン作曲交響曲第104番ニ長調「ロンドン」Hob.I-104


リハーサルのときから、最終回はすばらしいものになる予感はしていたのですが、本当に心温まる最高のハイドンを聴かせてくださいました。

交響曲第102番変ロ長調では弦楽器の複雑で繊細なフレーズが多いのですが、機械的にならずにクリアーで、奏者全員のフレージングの方向性もしっかりと合っていて、しかもどこか心温まるアンサンブルにとても感動しました。

交響曲第103番変ホ長調「太鼓連打」の目玉はもちろん冒頭のティンパニで、ティンパニの完璧なトレモロに続いて、さまざまな地方の民族音楽の旋律に由来されるという主題が交互にあらわれ、低弦パートにしっかりと支えられた主旋律の美しいこと!思わず息をのんでしまいました。また、クラリネットがちょっとだけ活躍していたのも嬉しかったです。ハイドンはクラリネットを忘れてはいなかった!

交響曲第104番ニ長調「ロンドン」は、これも学生時代に演奏したことのある曲だったので、その時のことを頭のなかで回想しつつ、ブリュッヘンのテンポ設定は「少しゆったりめ」でしっかりと聴かせている演奏だなと思ったりしていました。冒頭部分のトゥッティも上品にまとまっていたし、またこの曲では、要所要所に弦楽器と管楽器が絡み合うフレーズが出てくるのですが、弦と管の息のあったアンサンブルが印象的で、このひと月のうちにずいぶんと趣が変わり、指揮者と演奏者が完璧に一体となり、ひとつの塊(かたまり)となって聴こえてきてすばらしかったです。

アンコールに、「ロンドン」交響曲の終楽章が演奏されたのですが、本当に本当にすばらしい演奏で、名残惜しく、「まだ聴いていたい!」と心の中でずっと思っていました。

ブリュッヘンは、指揮者用のちょっと高めの椅子に腰かけて、指揮棒を持たずに指揮をされているのですが、その大きな手、長い指から表現される細かいニュアンスまでもが演奏者さんたちにはきちんと伝わっているようで、「ブリュッヘン+新日本フィル」がこのひと月をかけて取り組んできた集大成ともいえる、指揮者と演奏者のばっちりと息のあったハイドン・イヤー、没後200年を飾る最高の演奏会でした。今回のバイドン・プロジェクトのおかげで、ふだん意識して聴くことのあまりないハイドンの後期の交響曲を集中して聴くことができ、とても有意義なひと月でした。

今回リハーサル3回と演奏会4回に足を運びましたが、ハイドン音楽に造詣の深い古楽アンサンブルのスペシャリスト、ブリュッヘンを海外から招いて、「ひと月間をかけてじっくりと取り組む」というこのプロジェクトのやり方が指揮者にもオーケストラにも最良の結果をもたらしたのではないか?と思いました。観客として聴いていた私にもオケの成長ぶりには目を見張るほどでしたので、今後もこのような「時間をかけてじっくりと取り組むプロジェクト」を期待したいです。

やはり、2,3回の公演のために足早に来日して、一週間も滞在しないで帰国してしまうような指揮者の招聘の仕方では、日本の国内オケがどんなに優れていても指揮者と演奏者が一体となって何かを成し遂げるのには限界があるのではないかと思った次第です。

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昨日のリハーサルに続き、本日2月20日もすみだトリフォニー・ホールにて、フランス・ブリュッヘン+新日本フィルの HAYDN PROJECT 「ロンドン・セット」第三日目を聴いてきました。

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今回のプログラムは下記の3曲で、今回から木管楽器セクションにクラリネットが加わりました!

ハイドン作曲交響曲第99番変ホ長調Hob.I-99
ハイドン作曲交響曲第100番ト長調「軍隊」Hob.I-100
ハイドン作曲交響曲第101番ニ長調「時計」Hob.I-101


回を重ねてきて指揮者もオケもお互いが良くわかってきたのか、ますます指揮者とオケの距離が縮まっているのを感じました。多少ピッチのブレなどがありましたが、今回の演奏会では木管楽器の存在感が増して、弦と管が一体化していて、ブリュッヘンの手腕のすばらしさを実感することができました。まるでどこかのピリオド楽器のオーケストラの演奏ではないか?と錯覚してしまうほど、ハイドンの後期の交響曲の多様さを上手く引き出せていたと思います。

特に交響曲第100番ト長調「軍隊」Hob.I-100は、自分もロンドン大学のオケでクラリネットの首席奏者をしていたときに演奏した思い出の曲で、最初から最後まで熟知しているので、ハイドン・イヤーに最高の演奏を聴けて感慨無量でした。第四楽章フィナーレではトルコの軍楽隊を思わせる打楽器隊が舞台を行進する場面もあって、ブリュッヘンの演出にも感動しました!

ブリュッヘンは古楽器アンサンブルのスペシャリストで「18世紀オーケストラ」という古楽器専門のオーケストラを結成したことでも良く知られています。ブリュッヘンがこの「18世紀オーケストラ」と録音したハイドン交響曲ロンドン・セット12曲のCDHaydn: 12 London Symphoniesが出ていますので、下記にご紹介しておきます。

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それでは、2月28日(土)の最終日も楽しみに。


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本日2月15日(日)も、すみだトリフォニー・ホールにて、フランス・ブリュッヘン+新日本フィルの
HAYDN PROJECT 「ロンドン・セット」第二日目を聴いてきました。

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今回のプログラムは下記の3曲でした。

交響曲第94番ト長調「驚愕」Hob.I-94
交響曲第98番変ロ長調Hob.I-98
交響曲第97番ハ長調Hob.I-97


前回にも増して指揮者と演奏者の呼吸が合っていて、前回はぎこちない部分がいくつかあったものの、今回は指揮者の意図と演奏者の自発性が上手く噛み合っている感じがしました。

「驚愕」シンフォニーのAndante楽章のティンパニのffの一撃も上手く決まっていたし、交響曲第98番の冒頭の弦楽器のアンサンブルがすばらしく、最終楽章では渡邊順生さん演奏のフォルテピアノが優しく奏され、ハイドンの交響曲が時折みせる優しいフレーズにまたほのぼのとしてしまったのでした。交響曲第97番ハ長調の第一楽章のゲネラル・パウゼもバッチリ決まり、さすがブリュッヘン!と大拍手を送りました。

本日のブリュッヘン氏は心なしか足取りも軽くなっていたような気がしたのですが…

次回2月20日(金)の公演がますます楽しみになりました。

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チュルリョーニスの時代』(佐藤泰一・村田郁夫訳、ヤングトゥリープレス 2008)
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2月11日(水・祝)、すみだトリフォニーホールにて、フランス・ブリュッヘン指揮、新日本フィルのハイドン交響曲を聴いてきました。

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今年はハイドンの没後200年にあたり、さまざまなイヴェントが予定されていますが、そのなかでもこの「ブリュッヘン+新日本フィル」のプロジェクトは最大規模のものと言って良いでしょう。2月11日、15日、20日、28日の4日間で、ハイドンの交響曲のなかでも晩年にロンドンで書かれた代表作12曲が演奏される予定となっています。

先日聴いてきたのは、HAYDN PROJECTのなかでも「ロンドン・セット」の第一日目で、下記の3曲が演奏されました。

交響曲第96番ニ長調「奇蹟」Hob.I-96
交響曲第95番ハ短調Hob.I-95
交響曲第93番ニ長調Hob.I-93


もちろん、本物のハイドンを聴くにはそれ相応の古楽アンサンブルで聴くのが一番で、実際ロンドン留学中に聴いたOAE (The Orchestra of the Age of Enlightenment) によるハイドンは「現在聴けるハイドンのなかでは最高のハイドンではないか?」と思ったほどでした。古楽器を使用しているにもかかわらず、縦の線も横の線もとても美しく、耳に優しい演奏だったのが印象的でした。

今回のブリュッヘン+新日本フィルのハイドンはもちろんそのOAEとはまた一味違うハイドンでしたが、古楽アンサンブルを得意とするブリュッヘンと新日本フィルが時間をかけて取り組んできたということがわかる演奏でした。一音一音が大切に演奏されていましたし、なによりも演奏している楽団員さんたちの表情がとても良く、ブリュッヘンと楽団員の深いつながりが感じられました。

最も良かったと思ったのは唯一の短調作品といわれる「交響曲第95番ハ短調Hob.I-95」でした。他の二曲に比べて、アインザッツも上手く行っていて、演奏者もリラックスした雰囲気でゆったりと演奏されていて、こちらもほのぼのとした気持ちになりました。

実は、このブリュッヘンはリコーダー奏者としても世界的に有名で、数々のCDを出しています。下記のCD涙のパヴァーヌ ~リコーダー名曲集のなかでは特にソナタ ト短調op.5-12「ラ・フォリア」(コレッリ) がダイナミックな情感あふれる演奏で、リコーダーの表現力の豊かさを実感することができ、おすすめです。

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チュルリョーニスの時代』(佐藤泰一・村田郁夫訳、ヤングトゥリープレス 2008)
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先日、JTアートホール アフィニスで行われた「麻布飯倉 南葵楽堂の記憶 〈カミングズ・コレクションの至宝から〉」というレクチャー・コンサートに行ってきました。


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「南葵楽堂」というのは、紀州徳川家第15代当主徳川頼倫(1872-1925)が創設した「南葵文庫」に付属する形で立てられた音楽ホールで、息子の頼貞(1892-1954)の希望によって1918年、音楽図書館「南葵音楽文庫」とともに開設されました。

私がこの「南葵楽堂」について知ったのは、ロシアから日本を通ってアメリカに移住したプロコフィエフが1918年の夏に2か月ほど日本に滞在していた折に徳川頼貞から楽曲の作曲を依頼され、しかし、プロコフィエフの旅立ちが思ったよりも早まってしまったことで実現しなかったということを読んだのがきっかけでした。徳川頼貞について調べて行くうち、頼貞は日本の音楽文化の先駆けとして音楽ホールや公共音楽図書館を開設した方として関心を持っていました。

この「南葵楽堂」(南葵音楽文庫)には、英国人ウィリアム・カミングズ(William Cummings, 1831-1915)が蒐集した音楽資料、「カミングズ・コレクション」が多く所蔵されていました。それは、カミングズの蔵書の一部が、1917年にロンドンで行われたオークションに1700点ほど出品され、それを知った頼貞がそのうちの約400点を落札し、その落札品のなかには、ヘンリー・パーセルやヘンデルの筆写譜が含まれていました。

今回のレクチャー・コンサートでは、まず、この「カミングズ・コレクション」についてや南葵楽堂についての詳しい説明があり、その後にこの頼貞がロンドンで落札した「カミングズ・コレクション」のなかから、パーセルのオペラ《インドの女王》や《ダイドーとエネアス》から序曲や歌曲、ヘンデルのオラトリオ《メサイア》からアリア、ジョン・クリストファー・スミス(1712-1975)のオペラ《アルタセルセ》からアリアなどが演奏され、大変充実した催しとなっていました。

それぞれソプラノ、チェンバロ、カルテットで出演された音楽家たちも大変水準の高い演奏をされていました。次回もこのメンバーによる他のコレクションの演奏会を期待したいと思いました。

今年は、パーセルの生誕350年とヘンデルの没後250年の年にあたりますので、その年に彼らの曲をオリジナルに近い形で聴ける良い機会となりました。

今年中にもう何回か同じような企画の演奏会があるといいですね。

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チュルリョーニスの時代』(佐藤泰一・村田郁夫訳、ヤングトゥリープレス 2008)
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