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先日、渋谷のUPLINK-Xで映画『シロタ家の20世紀』を観てきました。

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この映画は昨年岩波ホールで好評を博したようなのですが、観るチャンスを逸してしまい、今年に入って、アップリンクXで観たのでした。劇場自体は、20名ほどが入れるホームシアターのような小劇場でした。

ストーリーは、ウクライナ出身のユダヤ人ピアニスト、レオ・シロタ(1885-1965)の家族が、大戦中のユダヤ人迫害などによって、ヨーロッパ、日本、米国にそれぞれ離れて暮らすことをよぎなくされた事実を、今現在集められる情報を元に映像化して、戦争の悲惨さを伝えるというものでした。

レオ・シロタは1929年から17年に渡って日本の音楽学校でピアノ教師として活躍しました。その教え子にはピアニストの故園田高弘氏や藤田晴子氏がいます。そのレオの娘、ベアテさんは日本国憲法に男女平等の条項を盛り込んだことでも知られ、2005年には彼女を主人公とした映画『ベアテの贈りもの』が上映されました。

この映画を観たことをきっかけに一枚のCDを聴いてみました。

1946年、レオ・シロタは日本を去ってアメリカのセントルイス音楽院に就任しますが、その17年後の1963年、日本の教え子たちに誘われたシロタは、17年ぶりに来日し演奏会を開催します。そのときのTokyo Farewell RecitalのCDがありました。

シロタの演奏は、とても繊細で緻密でここに収録されているものでは特にシューマンのソナタとリストの小品が印象に残りました。ブゾーニの教え子だけあって、ピアノのテクニックには優れていて、表現力も作曲家の意図を汲んだすばらしいものでした。おすすめです。

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チュルリョーニスの時代』(佐藤泰一・村田郁夫訳、ヤングトゥリープレス 2008)
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by ciurlionis | 2009-01-31 23:59 | 映画


先日、渋谷のユーロスペースで映画『チェチェンへ~アレクサンドラの旅~』を観てきました。

ご紹介するのが遅れてしまったのですが、1月30日まで上映されています。

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この映画のすばらしいところは、世界的オペラ歌手のガリーナ・ヴィシネフスカヤさんが主人公を演じている点ではないでしょうか?ガリーナさんはご存じのとおりチェリストのロストロポーヴィチ氏の奥さまです。私も学生の頃にこのロストロ先生の弟子であるチェリストのアレクサンドル・イヴァシキン氏にロシア音楽史やオーケストラの授業を教わっていて、イヴァシキン先生がよくロストロ先生のお話しをしてくださいました。「ロストロ先生は朝からウォッカをお飲みになるのだよ」などと学生を笑わせたり感心させたりしていたのを覚えています。また、グルジア人ピアニストとリサイタルを開いたことをきっかけに彼女からグルジアやチェチェンの話を聞いていたこともあり、この映画には特に関心を持っていました。

この映画は、主人公アレクサンドラを演じる80歳のヴィシネフスカヤさんが、チェチェンに駐屯している孫でロシア人将校のデニスを訪問する話で、わずか3日間ほどの話のなかに、ロシア軍兵士たちの日常や、いつ終わるかわからない戦争への不安、また、現地チェチェン人たちの声や、敵も味方も関係なくひとを愛し、もてなすことを忘れない女性たちとの交流などがアレクサンドラとの会話を通して描かれています。

戦争を題材としている映画とはまったく感じられないほど、駐屯地やその周辺の人々の日常が静かにドキュメンタリー的に映し出されていて、ソクーロフ監督らしい人物を中心としてみせる映像に引き込まれました。この映像を通してのみ訴えられる「平和への願い」がとても伝わってきました。

また、ヴィシネフスカヤさんを主役に起用できる方なんてソクーロフ監督しかいないのではないでしょうか?この映画の存在を知ったとき、ロストロポーヴィチ氏の人生を描いた映画『ロストロポーヴィチ 人生の祭典』のことを思い出しましたが、奥さまを主人公とした映画も計画していたとは!こちらもすばらしい映画なのでした。

参考までに、ロストロポーヴィチ氏の伝記やヴィシネフスカヤさんの自伝も日本語に翻訳され出版されていますので、これを機会にご紹介しておきます。私も近いうちに図書館で借りて読みなおしたいと思います。アレクサンドル・イヴァシキン先生の著書で『栄光のチェリスト ロストロポーヴィチ』という本が春秋社より、また、『ガリーナ自伝―ロシア物語』がみすず書房より出ています。

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チュルリョーニスの時代』(佐藤泰一・村田郁夫訳、ヤングトゥリープレス 2008)
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by ciurlionis | 2009-01-29 23:59 | 映画

昨日、映画『ピロスマニ』のことについて書いて、セルゲイ・パラジャーノフ監督の映像作品を思い出したのでちょっとだけご紹介します。

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もともとバルト三国・グルジア・アルメニア・ロシア・北欧などの藝術に興味を持っていて、昨年ちょっとしたきっかけでアルメニアに興味を持ちました。

初めは、コミタス (1869-1935) やマンスリアンの音楽を聴きながら、カシュカシャンのヴィオラを追いかけて、ECMより発売されているヘイレン~マンスリアン、コミタス作品集』(UCCE-2027)『モノディア(マンスリアン:ヴィオラ協奏曲)』(UCCE-2033)などを聴いていたのですが、そのうちに友人から「マンスリアンはパラジャーノフ監督の映画でも音楽を担当している」と教えられ、インターネットで色々と検索していたら、なんと「映画『ざくろの色』最終上映!!」との文字が飛び込んできて、良く読んでみたらあと2日で上映が終わっていまうところでした。

すべりこみセーフで渋谷のイメージフォーラムで映画を鑑賞し、どの音楽がマンスリアン作曲なのか良く分からず、でもスクリーンで次から次へと繰り広げられる摩訶不思議な映像藝術に吸い込まれるように夢中になっていました。

以前から、ロシアの映画監督、アンドレイ・タルコフスキーの作品が好きでたびたび鑑賞していたのですが、その日『ざくろの色』を観て、今度はパラジャーノフ監督の作品に魅了されてしまったのでした。


映画『ざくろの色』 (アルメンフィルム/1971年/カラー/1時間13分) (以下、解説より)
「18世紀アルメニアの詩人サヤト・ノヴァの生涯に沿い、全8章の映像詩編で綴られる。

第一章・詩人の幼年時代
雷雨に濡れた膨大な書物を乾かす日常の風景。幼いサヤト・ノヴァに、書物への愛が芽生える。

第二章・詩人の青年時代
宮廷詩人となったサヤト・ノヴァは王妃と恋をする。琴の才に恵まれた彼は、愛の詩を捧げる。

第三章・王の館
王は狩りに出かけ、神に祈りが捧げられる。王妃との悲恋は、詩人を死の予感で満たす。

第四章・修道院へ入る
詩人は修道院に幽閉された。そこにあるのは婚礼の喜び、宴の聖歌、そしてカザロス総主教の崩御の悲しみ。

第五章・詩人の夢
夢のなかに全ての過去がある。幼い詩人、両親、王妃がいる。

第六章・詩人の老年時代
彼の眼差しは涙に閉ざされ、理性は熱に浮かされた。心傷つき、彼は寺院を去る。

第七章・死の天使との出会い
死神が詩人の胸を血で汚す。それともそれはざくろの汁なのか。

第八章・詩人の死
詩人は死に、彼方へと続く一本の道を手探りで進む。だが肉体が滅びても、その詩才は不滅なのだ。


こちらは、DVDが発売されています。
ざくろの色 [DVD] 

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とにかくこの『ざくろの色』を初めて観たのがスクリーンでしたので、「映像藝術とはこういうもののことを言うのだ!」なんて感激してしまったのでした。

さらに「パラジャーノフ・コード」を含む、ざくろの色 プレミアム・エディション[DVD 3枚組]が発売になりましたのでお知らせしておきます。

ざくろの色 プレミアム・エディション[DVD 3枚組]

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いずれ残りのパラジャーノフ監督の長編作品火の馬』、『アシク・ケリブ』、『スラム砦の伝説もご紹介したいと思います。

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チュルリョーニスの時代』(佐藤泰一・村田郁夫訳、ヤングトゥリープレス 2008)
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by ciurlionis | 2009-01-27 23:59 | 映画


昨日ご紹介したグルジアの画家、ピロスマニの生涯を描いた映画『ピロスマニ』(グルジアフィルム・1969年製作)というものがあります。

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登場人物が、まるでピロスマニの絵画から抜き出てきてきたかのように、テーブルを囲んで宴会をしたり、ピロスマニが生活のために居酒屋などを回って看板を描いていた様子などを映像でみることができます。グルジアの風土や文化も良く映像化されていて勉強になりました。

ピロスマニは、「弧高の画家」などと言われますが、その朴訥な人柄をグルジア人美術家のアフタンジル・ワラジが絶妙に演じきっています。

監督は、ゲオルギー・シェンゲラーヤ。美術はアフタンジル・ワラジ&ワシーリー・アラビーゼ、音楽はワフタング・クヒアニーゼが担当しています。(35mm / スタンダード / カラー /1時間27分)

また、この映画のVHSとDVDも発売されています。
ピロスマニ[VHS] VIDEO=IVCB-7014 
ピロスマニ [DVD] DVD=IVCF-25 アイ・ヴィー・シー

古い映画ですが、私は公共図書館でVHSを借りてきて観ました。
物静かな感じですが、グルジア民謡の合唱が聴けたり、とにかくグルジア色いっぱいの映画で、言葉で表現するのではなく、映像で見せる映画です。

ロシアのタルコフスキー監督やアルメニアのパラジャーノフ監督の映画作品を連想させる、とても絵画的な映像作品だと思いました。


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チュルリョーニスの時代』(佐藤泰一・村田郁夫訳、ヤングトゥリープレス 2008)
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by ciurlionis | 2009-01-26 22:46 |


先ほどNHKで新日曜美術館を観ていたら、なんと私の大好きなグルジアの画家、ニコ・ピロスマニが取り上げられていました。

昨年渋谷の文化村ザ・ミュージアムで行われた「青春のロシア・アヴァンギャルド展」でもピロスマニの絵画が10点ほど展示されていて、あまりにすばらしかったので2回も訪れてしまったのでした。

なんとその「青春のロシア・アヴァンギャルド展」が、埼玉県立近代美術館にも巡回するそうです!会期は2月7日(土)~3月22日(日)です。私ももう一度見に行きたいと思います。

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ニコ・ピロスマニ (Niko PIROSMANI, 1862-1918)(グルジア語 ნიკო ფიროსმანაშვილი)は、グルジアのカヘティ地方のミルザーニに生まれました。幼いころに両親を亡くしてしまったため、8歳でティフリス(現在のトビリシ)に出てきます。10代の初めには、親戚の貴族カランタロフ家に引き取られ、印刷工などの仕事に就きますが、28歳で独立。その後、鉄道員になりますが4年で退職し、コーカサス地方の旅に出ます。今度は、友人と食料品店を開き、軌道に乗ったところで自分には向いていないと商売をやめてしまいます。それ以来、生活のために絵画を描くようになり、居酒屋などの看板を手掛けました。

その後、1912年には、彼の絵画がペテルブルグからやってきた前衛芸術家たちの目にとまり、モスクワでの展覧会に絵画を出品する機会を得たり、グルジアの画家協会の会員にもなりましたが、生活が豊かになることはなく、1918年、衰弱しているところを発見され病院に運ばれましたが、回復することなく息を引き取りました。

ピロスマニ(ピロスマナシヴィリ)は、動物や人物を描いた絵画が有名ですが、独特な黒と白のコントラストを基調として、要所要所に赤や青、黄色などを加えていく描き方はとても個性的で魅力的に映ります。

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またピロスマニは、日本語でも歌われている「百万本のバラ」という歌に登場する画家のモデルになったことでも知られています。彼は、トビリシを訪れたフランス人女優マルガリータに恋をして彼女の宿泊先であったホテルの庭を赤いバラで埋め尽くしたと言われています。

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先ほど、新日曜美術館のなかでも述べられていましたが、ピロスマニはグルジア人に愛されていて、グルジアにとってとても大切な存在だそうです。それを聞いて、リトアニアにおけるチュルリョーニスのようだと思いました。また、グルジアにあるグルジア正教会の教会の映像がありましたが、円筒形の建築が美しく印象的でした。

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先日からお話ししている、リトアニアのヴィリニュスの「欧州文化首都」を記念したイヴェントでもピロスマニの展覧会が催されています。こちらも埼玉の展覧会と併せてお知らせしておきます。

場所は、Vilnius Picture Galleryで、昨年12月31日に始まっていて、2009年5月31日までです。
詳細は下記をご参照ください。

Exhibition Pirosmani

また、昨年ピロスマニの画集が発売になりました。

こちらも日本語で書かれた数少ない文献のうちの一冊ですし、ピロスマニに関する論文も掲載されていますので、おすすめです。ニコ・ピロスマニ 1862‐1918 (大型本) 

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チュルリョーニスの時代』(佐藤泰一・村田郁夫訳、ヤングトゥリープレス 2008)
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by ciurlionis | 2009-01-25 22:46 |


リトアニアには、チュルリョーニスの美術館と記念館(?)があります。

ひとつは、カウナスにあるM. K. CIURLIONIS NATIONAL ART MUSEUMで、
もうひとつはドルスキニンカイにあるM. K. CIURLIONIS MEMORIAL MUSEUMです。

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このうち、DVDが発売されているのは、カウナスにあるMIKALOJUS KONSTANTINAS CIURLIONIS NATIONAL ART MUSEUM、「ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス国立美術館」の方で、この美術館を実際に見て回るような感じでチュルリョーニスの絵画を鑑賞できるようになっています。また、日本語の解説も付いていますので、おすすめです。

現在、貸し出し中で手元にないので、写真は後日アップしますが、内容は下記のようになっています。

M. K. Čiurlionis gallery in M. K. Čiurlionis Art Museum DVD
Interactive tour of panoramic photography around M. K. Čiurlionis gallery in M. K. Čiurlionis Art Museum with detailed view of paintings and listening of music works.
DVD video, 44 panoramic photographs, 114 reproduction of M. K. Čiurlionis paintings, 12 his music works.
Published by Bonarta, 2007, ISBN: 9789955992707
Lithuanian, English, German, Russian, French, Polish, Italian, Spanish, Japanese


また、チュルリョーニスが多くの音楽作品や絵画作品を生んだリトアニアのリゾート地、ドルスキニンカイにはMIKALOJUS KONSTANTINAS CIURLIONIS MEMORIAL MUSEUM、「ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス記念館?」があります。

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今年は、リトアニア国名の千年紀(1009-2009)、(古い書物に初めて「リトアニア」という国名が記されてから1000年)の記念年であり、首都ヴィリニュスは「欧州文化首都」に指定されていて、ヴィリニュスやカウナスではたくさんの文化イヴェントが開催予定ですので、ぜひ一度、リトアニアを訪れてみてはいかがでしょうか?


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チュルリョーニスの時代』(佐藤泰一・村田郁夫訳、ヤングトゥリープレス 2008)
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by ciurlionis | 2009-01-24 23:59 |


チュルリョーニスに少しでも興味を持たれた方におすすめのチュルリョーニスのDVDとVHSがありますのでご紹介します。

まず、DVDのすばらしいところは、1985年当時、まだ音楽学者であったヴィータウタス・ランズベルギス氏の映像が観られることと、プリセツカヤのダンスが観られることでしょうか。チュルリョーニスに扮する俳優さんも登場します。


           M. K. Ciurlionis Trilogy DVD
                『チュルリョーニス トリロジー DVD』

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これら三つのフィルムは、リトアニアテレビによって制作されたもので、画家で作曲家のミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス(1875-1911)の作品を紹介しています。彼は、音楽における目覚ましい想像力を持った芸術家であるばかりでなく、絵画においては、ヨーロッパ象徴主義の先駆者でもあります。



一本目のフィルム(1975)は、チュルリョーニスの絵画と音楽をインタビューと彼の手紙からの引用とともに結びつけています。ワルシャワやライプツィヒ音楽院で学んだことや、ヴィジュアル・アーティストとしての成長過程や、サンクト・ペテルブルグの前衛芸術サークルに参加したことなどが含まれています。この芸術家を記念してデザインされた彫刻は、完成し、公開されました。


二本目のフィルム(1975)は、カウナスにあるチュルリョーニス美術館で撮影されたものですが、率直にその芸術家の音楽と絵画が提示されています。


三本目(1985)は、ヴィータウタス・ランズベルギス(音楽学者であり、リトアニアの独立運動のリーダーであり、ソ連から独立後初のリトアニアの国家元首です。)によって紹介されていて、オリジナル作品を創作するためにマヤ・プリセツカヤによって振りつけられた創作ダンスとともにチュルリョーニスの作品が紹介されています。


1DVDに3作品を収録。リトアニア作品1975/85、カラー、140分
リトアニア語による解説と対話。英語字幕。


NTSC形式 リージョン0 全世界共通


また、もうひとつチュルリョーニスのVHSもあり、こちらは1964年というとても古い映像ですが、こちらもご紹介しておきます。

           
Ciurlionis: Mintys, Paveikslai, Muzika (Ciurlionis: Thoughts, Pictures, Music)
『チュルリョーニス: 思想、絵画、音楽』 VHS
 


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このちょっとしたドキュメンタリーは、有名な作曲家・画家のM. K. チュルリョーニスの絵画に焦点をあてています。彼の音楽を使い、彼の個人的な日記を有名なリトアニア人俳優ユオザス・ミルティニスが読み上げます。言葉と音楽作品のハーモニーはチュルリョーニスの幻想的な絵画の鑑賞をより盛り上げてくれます。
(リトアニア作品、1964、カラー、30分、リトアニア語による解説、字幕なし)




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チュルリョーニスの時代』(佐藤泰一・村田郁夫訳、ヤングトゥリープレス 2008)
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by ciurlionis | 2009-01-23 23:59 | 映画


1902年の7月14日にライプツィヒ音楽院を卒業したチュルリョーニスは、すぐにワルシャワに帰ってしまいます。そして、8月からはワルシャワにあった小さな絵画学校に通い始めるのでした。

チュルリョーニスにとって、絵画を描くこともまた、長年思い続けていた夢でした。彼が絵画に出会ったのは彼がまだプルンゲのミコーラス・オギンスキス公の音楽学校で教育を受けていた14歳頃のことで、オギンスキス公の屋敷に雇われていた画家に影響を受け、多くの素描や風景画を描いたのでした。その長年温めていた夢が、1903年ごろ(27~28歳ごろ)から急に開花し始めます。

そして、チュルリョーニスが初めて職業画家として描いたのが連作『葬送交響曲』と『森の囁き』でした。また、抽象絵画を描いた絵はがきなども残っています。

そこで今日は、連作『葬送交響曲』と『森の囁き』をご紹介します。

連作『葬送交響曲』(1903)は、7枚のパステル画からなり、葬送の行列を描いています。
「チュルリョーニスの故郷のドルスキニンカイでは葬送の行列は古来の伝統に従って夕刻に始まり、参列者たちは手に手にろうそくの火を灯し、湖を巡る道を進んでお墓のある礼拝堂へと向かうのだった。」(『チュルリョーニスの時代』p. 168より引用。)

『葬送交響曲』 Ic0193950_1325872.jpg
『葬送交響曲』 IIc0193950_1331625.jpg

『葬送交響曲』 IIIc0193950_1333599.jpg

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『葬送交響曲』 Vc0193950_134050.jpg

『葬送交響曲』 VI
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『葬送交響曲』 VII
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また、『森の囁き』(1903-04)は油彩で描かれており、チュルリョーニスが尊敬していた象徴主義画家であるアルノルト・ベックリンの絵画に影響を受けたのではないかと言われています。
チュルリョーニスは、ベックリンと同じような色調で絵画を描き、『森の囁き』は「木々の幹を竪琴のようにつま弾く手を浮かび上がらせて」います。(『チュルリョーニスの時代』p. 167より引用。)

『森の囁き』c0193950_1511295.jpg









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チュルリョーニスの時代』(佐藤泰一・村田郁夫訳、ヤングトゥリープレス 2008)
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by ciurlionis | 2009-01-22 23:59 | 美術


今朝早く、アメリカの第44代大統領にバラク・フセイン・オバマ氏が就任されました。
これを機会に世界中の景気が少しでも良くなってくれるよう願っています。

昨日に引き続き、ライプツィヒ音楽院に留学した頃のチュルリョーニスについて考えていて、あるCDのことを思い出しました。

先日、弦楽四重奏曲を取り上げた日にちょっとだけ触れましたが、チュルリョーニスとカール・ライネッケ両氏の作品が収録されているCDがありますのでご紹介します。

収録されているのは、チュルリョーニスがライプツィヒ音楽院時代に作曲した、弦楽四重奏のためのカノン2曲と弦楽四重奏曲1曲。ピアノ曲7曲。そして、カール・ライネッケ教授作曲のピアノ五重奏曲イ長調作品83(1866)です。演奏もリトアニア人アーティスト、Čiurlionis Quartetと、Petras Geniušas (piano)によります。Čiurlionis Quartetの演奏が素晴らしく仕上がっています。数々のCDを聴いてきましたが、チュルリョーニスの作品は、奏者によって大きく趣が変わってしまうものであることがわかりました。このCDに収録されている弦楽四重奏曲は特におすすめしたいと思いました。


ここで、改めてライプツィヒ留学時代に作曲されたということを意識して聴いてみると、Pastorale VL 187, Prelude VL 182a, VL 188, Little Song VL 199などは、ライプツィヒで作曲法を学んだ成果というよりは、まだ、ポーランドのショパンやワルシャワ音楽院での影響が残っているように感じました。しかし、Fugue VL 219やPrelude VL 230は、対位法や斬新な反復進行などが採用されていて、それまでのチュルリョーニスの作品とは違ってきていることが感じ取れます。

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1. M.K.Čiurlionis. Canon in C minor (VL 216a; 1902)
2. M.K.Čiurlionis. Canon in D major (VL 217a; 1902)

3. M.K.Čiurlionis. Prelude in D flat major (VL 187; 1901)
4. M.K.Čiurlionis. Fugue in C minor (VL 219; 1902)
5. M.K.Čiurlionis. Prelude in F major/A minor (VL 188; 1901)
6. M.K.Čiurlionis. Mazurka in E flat minor (VL 222; 1901)

7. M.K.Čiurlionis. String Quartet in C minor. Allegro moderato (VL 83; 1901)
8. M.K.Čiurlionis. String Quartet in C minor. Andante
9. M.K.Čiurlionis. String Quartet in C minor. Menuetto
10. M.K.Čiurlionis. Little Song (VL 199; 1901)
11. M.K.Čiurlionis. Prelude in B minor (VL 182a; 1900)
12. M.K.Čiurlionis. Prelude in A minor (VL 230; 1902)

13. Carl Reinecke. Piano Quintet in A major, Op. 83. Lento ma non tropo. Allegro con brio (1866)
14. Carl Reinecke. Piano Quintet in A major, Op. 83. Andante con variazioni
15. Carl Reinecke. Piano Quintet in A major, Op. 83. Intermezzo
16. Carl Reinecke. Piano Quintet in A major, Op. 83. Finale. Allegro con spirito

Petras Geniušas (piano)
Čiurlionis Quartet


このCDのライナーノーツを読んでいたら、「内気だけれども野望のあるわずか26歳のリトアニア人田舎者が、77歳にもなるドイツの伝統主義者であるライネッケに出会ったのだから、年齢さもある彼にがっかりさせられるのも当然であったかも知れない」「またチュルリョーニスはドイツ語が全くできなかったがために友達ができなかった」とあり、納得してしまいました。チュルリョーニスはわずか1年しかライプツィヒ音楽院にいませんでしたし、まして年齢差のある教授と分かり合えるようになるにはもっと時間が必要だったのかも知れません。しかし、チュルリョーニスは自身の卒業作品であった弦楽四重奏曲VL 83について「この作品は特に悪いというものではなかったけれども、演奏が本当に下手だった。私はすばらしい演奏を期待していたが、まったく不満であった。しかし、ライネッケ教授はこの作品が気に入った様子だった」と述べていて、結果的に1902年の夏にはきちんと音楽院を卒業しています。

このCDに収録されているカール・ライネッケ教授のピアノ弦楽五重奏曲もさすが大作曲家を何人も育てた方だけあると思いました。今日のCDの作品を聴いてみて、また新たに彼の作品のすばらしさに触れることができました。変化があって、ドラマがあって、軽快なフレーズもあり、もりだくさんでしたので、もっと色々な作品を聴いてみたくなりました。

また、彼の作品では、フルート・ソナタやフルート協奏曲が演奏会などでよく取り上げられますので、機会があったら生演奏も聴いてみたいと思いました。


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チュルリョーニスの時代』(佐藤泰一・村田郁夫訳、ヤングトゥリープレス 2008)
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by ciurlionis | 2009-01-21 23:17 | 音楽


今年に入ってから単行本『チュルリョーニスの時代』を読み返していて、26~7歳のチュルリョーニスがライプツィヒ音楽院留学時代(1901-02)に「作曲法をライネッケ教授に、また対位法をヤーダスゾーン教授に学んだ」とあったことを思い出し、これを良い機会としてライネッケを聴いてみることにしました。Carl Reineke: Fantasy Pieces Op. 22; Trio Op. 274; Sextet Op. 271というCDです。


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Carl Reinecke(1824-1910): Chamber Music with Clarinet
Fantasy Pieces, Op. 22
Trio, Op. 274
Sextet, Op. 271

Clarinet: Csaba Klenyán
Horn: Gábor Bizják, Gábor Tóth
Flute: Gergely Ittzés
Oboe: Ilona Csizmadia
Bassoon: György Lakatos
Piano: Ildikó Cs. Nagy
(Hungaroton Classic 2005)



カール・ライネッケ(Carl Reinecke, 1824-1910)は、ドイツの作曲家・ピアニストで、父親から音楽教育を受け、ヨーロッパ全土でピアニストとして、また教育者としても活躍しました。シューマンやリストと親交があったことでも知られています。

チュルリョーニスが友人のモラフスキに宛てた手紙を読むと、1902年の初めには、「もはや、ライネッケには信がおけない――彼は僕を縛りすぎ、二人の好みは完全に違うときている」と書いています。

また、もう一通の1902年2月のモラフスキに宛てた手紙では、チュルリョーニスはライネッケ教授について「何と言っても彼が好きなのは音楽の「中庸」で、彼は生徒たちに百年も前に実践されていた方法で作曲をするよう望んでいる。多分それは良いことだが、最初だけだ」と述べているように、ライネッケは多産な作曲家ではあったけれども、どこか保守的で中庸な作品が多いような感じがします。

これらのライネッケ教授とチュルリョーニスの感性の不一致が原因だったのかは不明ですが、その頃からチュルリョーニスは絵画を描き始め、1902年秋にはワルシャワに戻り、今度は絵画学校に通い始めるのでした。


今日聴いていたのは、『クラリネット室内楽作品集』ですが、いずれもウェーバーやブラームスを想わせるロマン的な作品でした。おすすめは、六重奏曲 Op. 271で、それぞれの楽器の良さを活かすように作曲されていて、木管楽器の音色が重なり合って響くtuttiのフレーズなどには美しい場面もありました。

『クラリネット室内楽作品集』というCDなので、クラリネット奏者に期待をしてこのCDを購入したのですが、クラリネット奏者のCsaba Klenyánの演奏は、特に個性のあるものではなく、オーケストラ・プレイヤーというよりは、室内楽向けの奏者であると思いました。どうやら現代音楽を得意としている奏者のようです。また機会があったら、彼のほかの演奏も聴いてみたいと思います。

しかし、チュルリョーニスと関わりのあった作曲家の作品でしたので、興味深く聴くことができました。

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チュルリョーニスの時代』(佐藤泰一・村田郁夫訳、ヤングトゥリープレス 2008)
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by ciurlionis | 2009-01-20 21:48 | 音楽