先日チュルリョーニスをキーワードにインターネットでいろいろと検索していたら辻井 喬さんの著書『幻花』にヒットした。

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辻井 喬とはご存じの通りセゾン(西武)グループのオーナーで、財団法人セゾン文化財団理事長でおられる堤清二氏のペンネームである。

辻井氏はこの著書のなかでリトアニア紀行 I, II, IIIを書いていて、その内容は多岐にわたっていて興味深い。

まずは、セゾン美術館が1986年にグルジアの画家ピロスマニの展覧会を手掛けたときのことから始まり、1992年にはリトアニアの画家・作曲家チュルリョーニスの展覧会を開催するに至った経緯などを、1991年にリトアニアを独立回復に導いた立役者でチュルリョーニス研究家であるランズベルギス氏について紹介しながら説明している。

辻井氏がリトアニアを訪れたのは日本のシンドラーと呼ばれている杉原千畝氏についての調査のためであったそうである。今年2009年5月に神奈川県民ホールの30周年記念にこの杉原千畝氏を主人公としたオペラ『愛の白夜』改訂決定版が上演されたが、そういえば台本は辻井氏によるものだった。

この著書のわずか40ページほどの文章のなかには、リトアニアの悲惨な過去を含めたリトアニアのエッセンスが凝縮されている。例えば、杉原千畝氏についてもそうであるが、ナチ占領時代のユダヤ人、ソ連時代の森の兄弟、シベリアに抑留されたリトアニア人、ニダに住んだことのあるドイツ人小説家トーマス・マン、リトアニア詩人のミウォシュ、十字架の丘、チュルリョーニスについてなどである。

リトアニアについて考えるとき、想像を絶するほどの困難な時代を経てきたこの国からは、人類が二度と繰り返してはならない多くのことを学ぶのである。


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by ciurlionis | 2009-08-28 23:59 |

今日ちょっとした用事で立ち寄った先で、ある方に「リトアニアが大好きなんです」とお話ししていたら、その方が「リトアニアですか?ベン・シャーンってリトアニア出身ですよね?」と仰ったので少々驚いたのですが、ベン・シャーンについて、しかも彼がリトアニア出身であることをご存じの方にお会いできて嬉しく思ったのでした。

そのことがきっかけで日本在住のアメリカ人詩人のアーサー・ビナードさんの著書『ここが家だ―ベン・シャーンの第五福竜丸』にベン・シャーンのイラストが採用されていたことを思い出し、一度実際に夢の島公園にある東京都立第五福竜丸展示館に第五福竜丸を見に行ってみたいなどと考えていました。

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家に帰ってからNHKの教育テレビを見ていたら、明日8月27日の22:50からの視点論点では、そのアーサー・ビナードさんが最近翻訳された、画家のメアリー・ブレアが描いた『ふしぎの国のアリス』が取り上げられるとのこと。

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これもちょっとした偶然なので、見てみたいと思っています。

ご興味を持たれた方はぜひご覧になってみてください。

また、現在東京都現代美術館で開催中の『メアリー・ブレア展』も、お見逃しなく。

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by ciurlionis | 2009-08-26 23:59 |

リトアニアから来日されていたルータ&スビグネヴァス・イベルハウプタス・ピアノ・デュオの演奏会に行ってきました。

月曜の夜だというのに津田ホール(490席)がほぼ満席でした。

駐日リトアニア大使館の臨時代理大使のビルテ・アブライティエネさんのご挨拶で始まり、まずは私が一番楽しみにしていたチュルリョーニスの曲が演奏されました。

演奏曲目は下記の通り:

チュルリョーニス (J・アレクサ編): 交響詩「森の中で」
ラヴェル: 祭 ~スペイン狂詩曲
権代敦彦: 二台ピアノのための「69」

ソデイカ: トーン・オントロジー 第二番
ラフマニノフ: 組曲 第二番
インファンテ: アンダルシア舞曲

(アンコール)
ミヨー: ブラジレイラ ~スカラムーシュ

どの曲もハートのあるすばらしい演奏で甲乙つけがたいのですが、リトアニア人作曲家のチュルリョーニスとソデイカの作品が特に印象に残りました。

チュルリョーニスの交響詩「森の中で」の2台ピアノ版は、チュルリョーニスがピアノで作曲したときのことをイメージできるかのような、ピアノ版なのにオーケストラの音を連想できそうな自然な編曲で、ピアニストたちの演奏センスの良さがさらにその作品のすばらしさを引き出していたように感じました。

ソデイカは、現代リトアニアを代表する作曲家ですが、クラシック音楽の枠からは逸脱していないミニマル風の作品は、イベルハウプタスのために書かれたというのがわかるような、現代音楽なのにハートのある、聞いていて楽しくなる作品でした。もしかしたら日本初演だったかも知れませんね?

また、高度なテクニックを必要とするラフマニノフの作品も、フレージングが自然で、技巧に走りすぎず2台のピアノが呼応しあい、調和していて完璧な仕上がりでした。

アンコールに演奏されたミヨーもほのぼのとした雰囲気で良かったです。

彼らの温かみのある息のバッチリ合った高度な演奏に魅了され続けた2時間でした。

また来年も来日してほしいです。

今日演奏されたソデイカの2台ピアノのための トーン・オントロジー 第2番(1998)は下記のサイトで視聴することができますのでご興味のある方はぜひどうぞ。

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今日2009年8月23日は、1989年に独ソ不可侵条約秘密議定書締結50周年を記念した「バルトの道」(The Baltic Way)または、「人間の鎖」(Human Chain)と呼ばれるデモが行われてから20周年であった。
詳しくはこちら→Baltic Way

その時の様子はYou Tubeで今でも見られるが、バルト三国の首都、リトアニアのヴィリニュス、ラトヴィアのリーガ、エストニアのタリンの約600kmにもおよぶ距離が三国の国民の手で繋がれたのである。



この「バルトの道」運動がきっかけとなり、1991年バルト三国は正式にソ連邦からの分離独立を果たした。2004年にはNATO加盟についでEUにも加盟を果たし、現在ではヨーロッパの一員である。

こちらのサイトでは1989生まれの男の子が20歳になるまでの軌跡をヨーロッパの20年とともに辿った動画をみることができる→Marking the fall of the Iron Curtain

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by ciurlionis | 2009-08-23 23:59 | その他

久しぶりに都内を歩いてみました。お盆中にもかかわらず竹橋にある東京国立近代美術館はたくさんの人々で賑わっていました。

この美術館は毎週金・土曜日が20時まで夜間開館しているので、まずは人気の少ない常設展をゆっくり回ってからカフェで休憩をとり、ゴーギャン展へ向かいました。

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今回の展覧会にはゴーギャン制作の53点の油彩・版画・彫刻が展示されているのですが、どの作品もすばらしく、展覧会自体もちょうどよい規模でしたので疲れることもなくゆったりと鑑賞することができました。

ゴーギャンは、ピサロから多くを学んだそうですが、初期の作品からは確かにピサロの作風に似たものが感じられました。アルルとタヒチ時代の絵画が特に印象的だったのはいうまでもありませんが、年代順に彼の作風の変化を見ることができて勉強になりました。また絵画のわき役として登場している動物たちも微笑ましく感じられました。

そして、いよいよメインの大作《我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか》の部屋へ。

ピカソのゲルニカを観たときのように、あまりのスケールの大きさに驚かされました。圧巻でした。これを日本に貸し出してくださったボストン美術館にも感謝しなくてはいけませんね。。

図録もスッキリとした装丁で、各作品にしっかりとした解説もついていて勉強になりました。

この展覧会に関連したテレビ番組がNHKで放送されるようです。下記をご参照ください。

●ETV特集 楽園への夢の果てに~池澤夏樹とゴーギャン、文明への問いかけ~
9月13日(日)午後10時~11時30分 [教育]
●美術番組 日曜美術館
8月30日(日)午前9時~10時 [教育]
9月6日(日)午後8時~9時 [教育] ※再放送


会期中にもう一度くらいは足を運びたいと思います。


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by ciurlionis | 2009-08-14 23:59 | 美術


みなさま、ご無沙汰しております。その後はいかがお過ごしでしたか?

こちらは今朝ヨーロッパより戻って参りました。

そして、突然のお知らせで恐縮なのですが、今月8月にリトアニアよりピアノ・デュオが来日します。

その名も”ルータ&スビグネヴァス・イベルハウプタス・ピアノ・デュオ”(The Rūta and Zbignevas Ibelhauptas Piano Duo)です。

演奏会の日程は下記の通りです。

2009年国際青少年音楽祭inみやざき
8月13日(木)
宮崎 宮崎市民文化ホール
イベントホール
開演19:00 (開場18:30)
チケット:全席自由 一般¥1,500 大学生以下¥1,000
同時にマーリュス・ヨーヴァイシャ氏の写真展「知られざるリトアニア」も開催されます。


久慈市・リトアニア・クライペダ市姉妹都市締結20周年記念
8月19日(水)
岩手 久慈市文化会館
(アンバーホール)小ホール
開演19:00 (開場18:30)
チケット:全席自由 一般¥1,000 大学生以下¥500

8月24日(月)
東京 津田ホール Tokyo: Tsuda Hall
開演19:00 (開場18:30)
入場無料


リトアニアの首都ヴィリニュスの教会で行われた合唱コンサートにでかけましたら彼らも出演されていたのでお声掛けしてきました。息の合ったハイレベルな演奏でしたのでおすすめです。

リトアニアを代表する作曲家・画家チュルリョーニスの交響詩「森の中で」(ピアノ4手版)も演奏されますのでお聴き逃しなく!

お近くにお住まいの方、ぜひ足を運ばれてみてはいかがでしょうか?

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8月3日7:15のエア・バルティックのプロペラ機でヘルシンキへ。8:25にヘルシンキに着くと友人が迎えにきてくれていた。その足でヌークシオ国立公園へ。さすが森と湖の国フィンランド。空気もおいしく、偉大な自然のなかをゆっくりと散歩できてリラックスできた。
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その夜10時くらいまで明るいため、ヘルシンキ墓地でカヤヌスのお墓などを巡る。
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その足でシベリウス公園へ。昨年3月の雪のなかに訪れた場所に再びくることができて感慨深かった。
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8月4日昨年3月にはトゥルクとハメーンリンナにあるシベリウスの生家と博物館を訪れたのだが、今回は以前から行ってみたかったシベリウスが最期を過ごした家アイノラに行った。写真でみたことのある緑の暖炉が印象的だった。お庭にはリンゴの木があったり、自然に囲まれたとても静かな場所にあった。
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ヤルペンパア駅横にあるシベリウス像とヤルヴェンパー駅舎
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ヘルシンキに戻ってきてガッレン=カッレラの家にも行ってみた。
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8月5日フェリーでスオメンリンナ島へ渡り大砲と記念写真を撮る。
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ヘルシンキに戻ってきて街を散策。
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この並木道の木々は日本から贈られたものだとか。友人が教えてくれた。
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フィンランド料理のニシンのフライをいただく。
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アテネウム美術館で行われていた「カレワラ展」に足を運んだ。
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8月6日この旅の最終日。再びヌークシオ国立公園の別の場所に行き、蓮の花を鑑賞しつつ、鳥たちに餌をやる。鴨たちが手から直接パンを食べてくれたので感動してしまった。
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8月7日友人がホテルまで迎えに来てくれ、空港に行く途中にヘルシンキで一番古い教会で途中下車。
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その後空港で昼食をとり別れを惜しみつつも日本での再会を誓って別れを告げた。青空がきれいな日だった。
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8月8日の朝、成田に戻る。。。

日本国内はのりピー失踪のニュースで持ち切り。

「あぁ、戻ってきたのだな」という気持ちになった。


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by ciurlionis | 2009-08-03 00:00 | 旅行

8月1日朝7時のeurolinesのLux Expressというコーチでラトヴィアのリーガへ。最近の長距離バスは進んでいてトイレも付いているし、コーヒーも飲み放題、Wifiも使用可能。途中シャウレイの町で15分間の休憩があったので快適な5時間の旅だった。ホテルフォルムス(壁が薄いのでおすすめできない。)に到着して、荷物を降ろし、リーガ市内の散策に出かける。途中、音楽・演劇博物館に立ち寄り、ピアノロール用ピアノがあったので興味深げに見ていたら、「弾いてみたら?」と言われ、ペダルを踏み踏み弾かせていただきました。
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8月2日引き続きリーガ市内を散策。バロンス博物館でバロンスの玄孫さんにお目にかかり、その後ユーゲント・シュティール建築群を見て回る。国立美術館もなかなか見ごたえがあった。
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by ciurlionis | 2009-08-01 00:00 | 旅行