今年は、ロシア人演出家フセヴォロド・メイエルホリド (1874-1940) がスターリンの粛清に遭ってから70年であり、また名誉を回復してから55年であるという。

c0193950_1434528.jpg


メイエルホリドは、作曲家たちとも関係が深かっただけにプロコフィエフやショスタコーヴィチについての本を読むと必ずと言っていいほど彼の名前が登場する。

今まで、彼について特に注目したことはなかったが、この度の展覧会を訪れてみて、当時の舞台装置などの写真を観て、彼のアイディアがいかに斬新なものであったがよくわかった。

それもそのはず、マヤコフスキーが書き下ろした戯曲『南京虫』を上演するにあたり、メイエルホリドは、ロシア構成主義の美術家ロトチェンコに舞台芸術を委ね、音楽には若きショスタコーヴィチを抜擢するという具合に、目も眩むような豪華メンバーによるものだったのだ。

また、初めてビオメハニカが採用された『堂々たるコキュ』の写真を観られたことは大きな収穫だった。写真でみるとどんなものであったのかが一目瞭然だからだ。

そして何よりもプロコフィエフのオペラ『三つのオレンジへの恋』が生まれるきっかけとなった翻案が載っている雑誌『三つのオレンジへの恋』のパネルが観られて嬉しかったのはいうまでもないのだが、後日、ある研究会へお邪魔した際にはその雑誌の現物を拝見することができ、さらに喜びが倍増したのだった。

展覧会図録も図版がふんだんに載せられていて見ごたえのある資料となっている。会期は4月28日(水)まで、入場無料。

c0193950_14471578.jpg


c0193950_23203823.gif

             

HMVジャパン CD DVD 音楽 書籍 ゲーム
[PR]
by ciurlionis | 2010-03-26 23:59 | 美術

昨年から言われていたことだが、今や日本大学の所有となっている御茶ノ水のカザルスホールが3月末日をもって学外の者による使用を停止されることが決まっている。

今日は「もしかしてこのホールでアーレント・オルガンを聴ける最後の機会になるかも知れない」と思い、足を運んだ。

c0193950_21143898.jpg

 
〈第1部〉オルガン演奏 [オルガン:鈴木雅明(○)、今井奈緒子(*)、廣江理枝(□)]

~スウェーリンクからJ.S.バッハまで~
  *J.P.スウェーリンク/ファンタジア・クロマティカ
  *シャイデマン/第8旋法によるマニフィカト
  *ヴェックマン/コラール《来たれ、聖霊、主なる神》 
                   
  □ブクステフーデ/トッカータ へ長調 BuxWV156
  □《われ、汝に呼ばわる、主イエスキリストよ》BuxWV196
  □第1旋法によるマニフィカト BuxWV203

  ○J.S.バッハ/プレリュードとフーガ変ホ長調 BWV552
  ○コラール《心より汝を待ち望まん》BWV727


〈第2部〉J.S.バッハ:教会カンタータ
  《尊き御神の統べしらすままにまつろい》BWV93
  《われ汝に呼ばわる、主イエス・キリストよ》BWV177
  《喜べ、贖われし群よ》BWV30 

出演者
●鈴木雅明(Cond・Org)●バッハ・コレギウム・ジャパン(合唱・管弦楽)●今井奈緒子/廣江理枝(Org)●野々下由香里/藤崎美苗/松井亜希(S)●青木洋也/上杉清仁(A)●水越 啓(T)●浦野智行(Bs)

良く練られたプログラムだった。前半でスヴェーリンクからバッハまで、オルガン音楽100年の歴史が手短にたどられ、しかもそこで奏されたコラール主題が後半のバッハのカンタータで再び登場するという見事な構成。演奏会のはじめに鈴木雅明氏が解説されたように、西洋のオルガン曲とカンタータの二つのジャンルは、もともと深く結びついていたことに気づかされる。

しかも鈴木氏の弾くオルガンはまるでどこかの教会でパイプオルガンを聴いているかのような荘厳な演奏だった。こんなにも「生きた」オルガンを日本で聴いたのは初めてかもしれない。ホールとオルガンと奏者が一体となってひとつの世界ができあがっていたのだ。それと同時に、パイプオルガンという楽器は弾く人によって全く違う表情をみせる楽器なのだということを知った。BCJの演奏が素晴らしかったのはいつもどおり、言うまでもないが。

カザルスホールは、1987年に日本初の室内楽専用ホールとして開館した。アーレント・オルガンは、1997年のホール設立10周年を記念して北ドイツの巨匠ユルゲン・アーレントが建造したもの。ホールもオルガンもクラシック音楽愛好者にとっては、思い入れが深いだけに閉館が惜しまれる。

これも時代の流れとして受け止めるべきなのだろうか。

c0193950_23203823.gif

             

HMVジャパン CD DVD 音楽 書籍 ゲーム
[PR]

昨年、お知り合いの方から下記のようなガイドブックを頂いていた。国立西洋美術館はル・コルビュジエの設計によるものとして有名であるが、その新館はコルビュジエの弟子である前川國男が設計している。一昨年から昨年にかけて新館の改装工事が行われており、それ以来常設展からは足が遠のいていたのだった。

国立西洋美術館 公式ガイドブック

c0193950_10125264.jpg


今日は、そのガイドブックの製作に係わられた方が西美をご案内くださるというので上野まで足を運んだ。ソメイヨシノはまだのようだったが、早咲きの桜が5本ぐらいピンクの花をつけていた。

西洋美術館は松方幸次郎氏のコレクションをもとに構成されている。

まず、ロダンの彫刻からはじまり、ブリューゲルなどフランドル派の絵画、ヴェロネーゼなどイタリア・ルネサンスの絵画、さらにはヨーロッパ各地のバロック、ロココ絵画へ。ここまでがル・コルビュジエの本館での展示である。

廊下を渡ると新館があり、ここからが19世紀以降のフランスを中心とする近代美術。ミレー、クールベ、ルノワール、ピサロなど、どれも完成度の高い作品が続く。

特に、西美のモネ・コレクションは圧巻だ。フランスでの四季折々の情景、ロンドンのテムズ川にかかる橋の情景など、屈指の名画が揃っている。

改装された新館は広々としていて照明も明るくてじっくり鑑賞することができた。

もうひとつおすすめしておきたいのが、新館にある「版画・素描小企画室」で行われている「所蔵・水彩・素描展-松方コレクションとその後-」というもの。こちらは傷みやすい作品ばかりなので照明を落とした部屋となっている。

なかでも目を引いたのがモローの水彩画や、マティスの描いた「ピアニスト、アンリ・ジル=マルシェの肖像」。日本で行われたピアノ・リサイタルのプログラムの表紙に使用されていた。とても珍しいものである。

フランク・ブラングィン展はもう少し暖かくなってから訪れるとしよう。

帰り掛けにその方から、早稲田大学の演劇博物館で「メイエルホリドの演劇と生涯展 没後70年・復権55年」が開催中と教えていただいた。

メイエルホリドはプロコフィエフにオペラ『三つのオレンジへの恋』を書くように勧めた人物でもあるし、数々の演劇の演出を手掛けた。そういえば、戯曲『南京虫』の音楽は、プロコフィエフが作曲の依頼を断り、その後ショスタコーヴィチが作曲していたと思う。

c0193950_23203823.gif

             

HMVジャパン CD DVD 音楽 書籍 ゲーム
[PR]
by ciurlionis | 2010-03-19 23:59 | 美術

その後、すべてのCDが日本のHMV ONLINEで購入可能となりました。詳しくは、2010年9月2日のブログをご覧ください。

『チュルリョーニスの全ピアノ作品がCDになりました Celestial Harmonies』


***** ***** ***** ***** *****


Celestial Harmoniesから「チュルリョーニス: ピアノ全集」の5枚目(完結盤)のCDがリリースされました。

これでチュルリョーニスのピアノ作品すべてが音源化されたことになります。

演奏者は4枚目と同じチュルリョーニスのひ孫、Rokas Zubovas (ローカス・ズボヴァス)。

まだCelestial Harmoniesアメリカのアマゾンでのみの発売ですが、ご興味がおありの方はぜひどうぞ。


Mikalojus Konstantinas Ciurlionis: The Complete Piano Music, Volume 5

c0193950_22132411.jpg
(celestial 13286-2)

c0193950_23203823.gif

             

HMVジャパン CD DVD 音楽 書籍 ゲーム
[PR]
by ciurlionis | 2010-03-15 00:01 | 音楽

今年に入ってからバタバタとしていたので、クラリネットを練習する時間があまりとれずにいた。

今日は久しぶりに天気も良かったので少し吹いてみた。しかしどこか音色が自分らしくない。しばらく吹いていないと勘が鈍るのだと痛感した。

ロンドンに留学していたとき、Victoria Soames先生にクラリネットを教わっていた。先生は世界的にご活躍されているクラリネット奏者であると同時に、Clarinet Classics LabelというCDレーベルのディレクターでもある。

今日は、ロンドンでのレッスンの録音があったので久しぶりに聴いていた。自分はこんな音を出していたのかと思ったり、先生の指摘がとても的確で、その演奏のフレージングの自然さに驚いたりした。

当時、ヴィクトリア先生がClarinet Classicsのためにレーガーのクラリネット・ソナタを録音していたこともあり、私もレッスンでレーガーを取り上げていた。彼女も私の演奏を録音したし、私も彼女のレッスンをつねに録音していた。まさにギブ・アンド・テイクだった。

CDで演奏していた奏者の名前を失念してしまったが、後日ヴィクトリアが出来上がったばかりのレーガーのCDをくださったのだった。

私もせっかく練習したレーガーだったのでグルジア人のピアニストといっしょにリサイタルで演奏した。私が今、ピロスマニやグルジア文化に興味を持っているのは彼女からの影響が大きい。

このヴィクトリア先生が主宰されいるClarinet Classics Labelも、1992年の設立以来すでに100枚近いCDを世に送り出している。

c0193950_15173319.jpg


どの録音も意味があって特別なものなのだが、特にその記念すべき1枚目がとてもユニークなCDなのだ。ヴィクトリア先生自ら演奏されている。

コープランドのクラリネット・ソナタの世界初録音に始まり、「フランス6人組」のうちの数人の曲が収録されている。コープランドはアメリカ生まれのユダヤ系ロシア移民の子でありフランスに留学した経験をもつ。このクラリネット・ソナタは作曲家自身がヴァイオリン・ソナタを編曲したものとされる。

クラリネットがお好きな方はぜひ聴いてみてください。

Copland & "Les Six": Works for Clarinet & Piano [Import] [from US]

c0193950_1452063.jpg


c0193950_23203823.gif

             

HMVジャパン CD DVD 音楽 書籍 ゲーム
[PR]
by ciurlionis | 2010-03-14 23:59 | 音楽

カシオから新しい電子辞書CASIO Ex-word 電子辞書 XD-A10000 が発売になりました。最近はamazonでもお手頃価格になっています。↓

CASIO Ex-word 電子辞書 XD-A10000 フラッグシップモデル ツインタッチパネル 音声対応 150コンテンツ 日本文学300作品/世界文学100作品収録 Blanview (ブランビュー) カラー液晶搭載

c0193950_12432991.jpg


最近の電子辞書では英語の発音が聴けるものが多いですが、この辞書のすごいところは、NHK日本語発音アクセント辞典(約69,000語)で、日本語の美しい発音や言葉の正しいアクセントを聴けるところです。

また、日本の名作文学300作品と世界の名作文学100作品が収録されています。

英語の辞書では、オックスフォード系コンテンツとリーダーズが入ってますので、英語を使うお仕事の方にも便利かも知れません。

詳しくはカシオの商品ページをご覧ください。

c0193950_23203823.gif

             

HMVジャパン CD DVD 音楽 書籍 ゲーム
[PR]
by ciurlionis | 2010-03-13 00:01 | その他

昨日、鶴岡八幡宮の大イチョウが倒れたそうです。

下記の写真は昨年12月に鎌倉へ行ったときに撮ったものです。

樹齢800年の大イチョウの有終の美をごらんください。

c0193950_23573289.jpg


この青空に映える黄金をみていると、辛いことも嫌なことも、すべてが吹っ飛びますね。

追記:先日のニュースでは専門家の手によっても修復は不可能と言われていましたが、3月15日に移植が行われ、東京農業大学の教授によれば、90%の確率で再び根付いて再生するとのことでした。

c0193950_23203823.gif

             

HMVジャパン CD DVD 音楽 書籍 ゲーム
[PR]
by ciurlionis | 2010-03-11 23:59 | その他

2010年3月11日はリトアニア共和国がソヴィエト連邦からの独立を自ら宣言して20周年である。今日はそれを記念してピアノリサイタルが行われた。出席者は大使館の招待客のみ200名ほど。

演奏者はリトアニア人ピアニストのペトラス・ゲニュシャス (Petras Geniušas)。

c0193950_21214124.jpg


ゲニュシャスは、以前東京と大阪での教育活動やヤマハ音楽財団でピアノのマスタークラスを行ったことのある日本とはゆかりの深いピアニストである。

1995年9月に指揮者のドマルカス氏率いるリトアニア国立交響楽団が初来日し、チュルリョーニスの交響詩「森の中で」を日本初演した演奏会で、ゲニュシャスはラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を演奏し、好評を博した。

今日の演奏プログラムは下記の通り:

グリーグ: ホルベルク組曲

クタビチュス: ピアノ・ソナタ

スクリャービン: ピアノ・ソナタ 第3番

ガーシュイン: ラプソディー・イン・ブルー

(アンコール: 吉松 隆氏の作品)

スクリャービンの第三楽章の抒情的なフレーズが印象的だった。

c0193950_23203823.gif

             

HMVジャパン CD DVD 音楽 書籍 ゲーム
[PR]

最近、愛飲しているお茶があります。その名はルイボス茶(ルイボスティー、Rooibos Tea)といいます。

ルイボスは、南アフリカのシーダーバーグ山地域でしか育たない貴重な植物。マメ科なので、厳密にいうとお茶ではないのですが、健康茶として楽しまれています。

ルイボスティーは、紅茶のように赤い色をしています。ほのかな甘みがあり、カフェインを含まず、タンニン濃度もごく低く、抗酸化作用に優れているため、昔から「若返りのお茶」として飲まれてきました。

この冬は週に2,3回はこのお茶を飲んでいたのですが、確かに肌が乾燥せず、みずみずしいままであったような気がします。ハンドクリームを一度も使いませんでした。乾燥肌のひとにはいいかも知れません。

特にこのクリッパー (Clipper) のお茶は有機栽培なので、安心して飲むことができます。

【有機JAS認定】 クリッパー ルイボスティー 40g (20×2gティーバッグ)

c0193950_15252733.jpg


もしよろしければ飲んでみてください。

c0193950_23203823.gif

             

HMVジャパン CD DVD 音楽 書籍 ゲーム
[PR]

渋谷のイメージフォーラムでタルコフスキー映画祭2010が開催中である。

c0193950_1222064.jpg

今日は「ノスタルジア」を鑑賞してきた。

タルコフスキーは生涯で合計9本の映像作品を残している。

「殺し屋」
「ローラーとバイオリン」
「僕の村は戦場だった」
「アンドレイ・ルブリョフ」
「惑星ソラリス」
「鏡」
「ストーカー」
「ノスタルジア」
「サクリファイス」

ロンドン留学時に「殺し屋」以外はすべて見ており映像も所有している。
アンドレイ・ルブリョフは15世紀のロシアが生んだ偉大なイコン画家として良く知られているが、その生涯を描いた映画「アンドレイ・ルブリョフ」はソ連当局から弾圧を受けたそうである。

ロシアへ旅行したときにルブリョフの描いたイコンを観て、深く感銘を受けた。単なる宗教画ではなく、藝術的な絵画だったからだ。この感動は一生忘れないであろう。

今日観てきた「ノスタルジア」は、主人公の名前がアンドレイであることからもわかるが、タルコフスキー自身が自分の姿を主人公に重ね合わせているのではないか。ロシア人の詩人がイタリアに留学し、「ノスタルジア」の病に犯されていく話なのだ。タルコフスキーの父は高名な詩人であったそうだが、その父親の詩集が燃やされるシーンがある。また、18世紀の作曲家としてサスノフスキーという名前が出てくるが、こちらは実在しないようである。背景にベートーヴェンの第九交響曲やヴェルディのレクイエムが断片的に使われているのも印象的。水がしたたる建物内を主人公が歩き回るシーンや老人が石油をかぶって焼身自殺するシーンで「水」と「火」が効果的に使用されていてこちらも印象的だった。クライマックスで廃墟と化した大聖堂とアンドレイのノスタルジアが重なり合うシーンは誰も考えつかないような幻想的な映像で、タルコフスキーの映画ならではの、息を呑むようなクライマックスであった。

「サクリファイス」もバッハのマタイ受難曲が使われている傑作なので、時間が許せば大スクリーンで観てみたい。

タルコフスキーと言えば、ムソルグスキーのオペラ「ボリス・ゴドゥノフ」の演出を手掛けたことでも良く知られている。

下記のDVDはそのタルコフスキー演出の「ボリス・ゴドゥノフ」が1990年にマリインスキー劇場でゲルギエフの指揮により実現した時の映像です。(日本語字幕はありません。)

Boris Godunov (2pc) (Sub Dol) [DVD] [Import]

c0193950_11551641.jpg



c0193950_23203823.gif

             

HMVジャパン CD DVD 音楽 書籍 ゲーム
[PR]
by ciurlionis | 2010-03-05 23:59 | 映画