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先日、バルカン半島から戻ってきた友だちからCDが送られてきました。

もうすっかり忘れていたのですが、その友だちとは以前エミール・クストリッツァ監督の映画『アンダーグラウンド』やその音楽の話で盛り上がったことがあったのでした。

映画『アンダーグラウンド』をご存じの方なら音楽も思い出して頂けると思うのですが、ゴラン・ブレゴヴィッチはその映画で音楽を担当していました。

ジプシーバンドがエレキギターや打楽器と独特な男声合唱とともに伝統的なブルガリアの多声音楽を奇怪なロックのリズムで演奏します。蒸し暑い夏がますます暑くなってしまいそうな音楽ですが、作曲家本人も「飲んで踊るパーティーのための音楽」と言っている通り、聴いているうちに自然と踊りだしたくなるような音楽です!

もしよろしければ、聴いてみてください。少々やかましいですが、痛快な音楽です。

"Alkohol : Šljivovica & Champagne", Goran Bregović [Import] [from US]

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そしてもうひとつ、昨年夏に渋谷のシネマライズでも公開されていたエミール・クストリッツァ監督の映画『ウエディング・ベルを鳴らせ!』がなかなかおもしろかったのでおすすめです。DVDが出ていますのでご紹介しておきます。ただしこの映画で音楽を担当しているのは、監督の息子さんのストリボル・クストリッツァさんです。

ウェディング・ベルを鳴らせ! [DVD]

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by ciurlionis | 2010-06-29 00:01 | 音楽

リトアニア元大統領のアルギルダス・ブラザウスカス氏が6月26日に前立腺がんで逝去されました。77歳。

ブラザウスカス氏は1993-98年まで独立回復後の初代大統領、2001-06年には首相を務めています。

取り急ぎ。

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by ciurlionis | 2010-06-28 00:01 | その他

先日サントリーホールでのリトアニア国立交響楽団の演奏会の後、楽屋に伺ってリトアニア人作曲家Arvydas Malcys (アルヴィダス・マルシス) 氏にお会いしてCDを頂戴したので早速聴いてみた。
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"Liberated Things" (Išlaisvinti Daiktai) : Works for Symphony Orchestra (Kūriniai simfoniniam orkestrui)
1. Festus Meae Terrae (1989) 11'57"
改革運動の機運が高まる1989年のリトアニアで作曲された作品。ラテン語から採られたタイトルFestus Meae Terrae (Feast of My Land) の通り、歴史的瞬間や喜びを待ちわびる様子を描いた色彩感あふれる祝いの音楽。

2-4. Liberated Things, Symphony No. 2 (2005) 25'00"
I. 6'55", II. 10'45", III. 7'15"
さまざまな形に組み合わされたリズムとメロディーのモチーフを作品中に散りばめて加速感を構築・表現している。

5-7. Concerto for Soprano Saxophone and Symphony Orchestra (2004) 23'10"
I. 8'39", II. 6'40", III. 7'37"
作曲者は「この作品では、シリアスな音楽とポップな音楽の境界を消そうと努力した」と言っている。ベルリオーズの《イタリアのハロルド》との関係を認めつつも、主人公にリトアニアの方言を与え、サキソフォンにその表現を委ねている。リトアニアの民謡やジャズ、ワールドミュージックのイントネーションを自由に組み合わせた作品。

8. Only Heaven above Us (2003) 13'34"
Total: 73'51"
チェリストのロストロポーヴィチ氏へ献呈された作品。ゆっくりとした弦楽器のクラスターが形成するノスタルジックな幻想をエピソードの反復によって構築・描写し、クラスターを変形させていくことによって空に浮かぶ雲の域に達することができるとしている。楽器のもつ自然な音色やその音色のスペクタクル、過ぎ去った過去の感覚の重要性を強調している。

Lithuanian National Symphony Orchestra (1-7)
Latvian National Symphony Orchestra (8)
Conductors/ Robertas Šervenikas (1), Juozas Domarkas (2-7), Andris Nelsons (8)
Soprano Saxophone/ Liūdas Mockūnas
©ⓟArvydas Malcys 2010

リトアニア人作曲家、アルヴィダス・マルシス (Arvydas Malsys) の作風はどのコンテンポラリー・アヴァンギャルドの従来の型にはまらないものである。彼の音楽は現代の文化と呼応しあう過去の経験や伝統を描写している。作曲家としてばかりでなく演奏家としても活躍する彼は、クラシック音楽と現代音楽の分野において深い知識と演奏技術を併せ持っている。演奏家としての経験から彼の作品の音楽形式は30以上もの交響楽作品、2つの交響曲、10の協奏曲など多岐にわたる。彼の音楽の多くは過去の歴史や現代におけるイライラ、生活のリズム、社会の盛衰、希望、夢、過ちなどを暗示・諷刺している。

お勧めは、ソプラノサキソフォンとオーケストラのための協奏曲 (Concerto for Soprano Saxophone and Symphony Orchestra) 。ドマルカス氏の指揮によりリトアニア国立交響楽団の良さが引き出されている作品。ソプラノサキソフォンのソロもさることながら、オーケストラの一体感がなんとも言えなく素晴らしい。次回の来日時にぜひ演奏してほしい一曲。

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by ciurlionis | 2010-06-27 23:59 | 音楽

昨日上野の国立西洋美術館のカポディモンテ美術館展でお知り合いの学芸員の方に教えて頂いたのですが、パルミジャニーノの《貴婦人の肖像(アンテア)》が、ジョゼフ・コーネルの箱の作品《無題(ラ・ベラ [パルミジャニーノ] )》にも採用されているのです。

しかもそのコーネルの作品も現在、川村記念美術館で開催中の企画展「ジョゼフ・コーネル×高橋睦郎 箱宇宙を讃えて」で展示中であるとのこと。

そういえば、展覧会のチラシに載っていたのがその作品でした。

二つの展覧会のチラシを比べてみるとこうなります。
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ふたりのアンテアが時を同じくして日本国内で観られるというのはまたとない珍しい機会であることは間違いないでしょう。

これを良い機会としてもうひとつ以前から気になっていたことを調べてみました。

ジョゼフ・コーネルの箱の作品《無題(星ホテル)》などに採用されている「ほほ笑んでいる黄色い太陽のマークについて」です。
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そして、そのマークが何から採られたものなのかを突き止めました。

Lindsay Blair (著) の研究書 "Joseph Cornell's Vision of Spiritual Order" (1998) によれば、この太陽印は、その当時コーネルの自宅近くのデリカテッセンで販売されていた "IL SOLE ANTIPASTO" の缶の蓋から採られていたとのこと。
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以前からとても気になっていたので、謎が解けてスッキリしました。

これらの事実を踏まえてコーネルの箱作品を改めて鑑賞してみてはいかがでしょうか?

川村記念美術館で開催中の企画展「ジョゼフ・コーネル×高橋睦郎 箱宇宙を讃えて」は、7月19日(祝)までです。

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by ciurlionis | 2010-06-26 23:59 | 美術

上野の国立西洋美術館で6月26日(土)~9月26日(日)まで開催の「ナポリ・宮廷と美―カポディモンテ美術館展 ルネサンスからバロックまで」のオープニングにお邪魔しました。

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展覧会のポスターにも採用されているパルミジャニーノの《貴婦人の肖像(アンテア)》を以前から観てみたいとは思っていたもののなかなかナポリまで足を運ぶ機会もなかったので、上野にやってくると聞いて楽しみにしていました。

深みのある独特の緑色をバックに光沢感のある衣服を纏ったアンテアは、想像以上に美しく描かれていて一目観ただけで魅了されてしまいました。作品の目の前に立つとアンテアと視線が合ったような感じがして、こちらがドキッ!っとしてしまうほどでした。細部まで丁寧に描かれていてとても印象的な絵画でした。

この展覧会を一周してイタリアのバロック絵画を深く理解するにはもっと勉強が必要と思った次第です。そんななかでも印象に残った絵画を5点挙げておきます。

1.アンドレア・マンテーニャ 《ルドヴィコ(?)・ゴンザーガの肖像》
テンペラ画なのに肌の色調がまるで油彩画のように美しい。

2.エル・グレコ 《燃え木でロウソクを灯す少年》
言うまでもなく、ろうそくの光で照らされた少年の顔の描写が絶妙。

3.ティツィアーノ・ヴェチェッリオ 《マグダラのマリア》
涙を流している目の辺りに注目。

4.アルテミジア・ジェンティレスキ 《ユディトとホロフェルネス》
女性二人がかりでアッシリアの将軍ホロフェルネスの首を切っているシーンを描いた絵画。残酷すぎて直視していられなかった。これを描いたのが女性だというのでさらにびっくり。

5.グイド・レーニ 《アタランテとヒッポメネス》
オウィディウスの『変身物語』から採られた1シーンを描いた絵画。バロック時代のアンリ・ルソーか?はたまたピカソ?を想わせるような大型作品。

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by ciurlionis | 2010-06-25 23:59 | 美術

指揮者とソリストがリトアニア人でないうえに、リトアニア人作曲家の作品も一曲も演奏されないので行かないつもりでいたのですが、「一緒に行きませんか?」とお誘いを戴き、またリトアニアのオーケストラがせっかく来日してくれているのだからと考え直し、聴きに行ってきました。
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ホールは満席。

このホールの観客のなかにどのくらいリトアニアについて知っている方がいるのだろうと思いながらも、彼らの演奏を聴いて少しでもリトアニアに興味を持ってくれるひとがいてくれたらそれも本望と思って聴いていました。

プログラムは下記の通り:

1部
シュトラウス2世: オペレッタ『こうもり』より 「田舎娘を演じる時には」
ヴェルディ: オペラ『椿姫』より 「ああ、そは彼の人か、花から花へ」、「さようなら、過ぎ去った日よ」
デラックア: 「ヴィラネル(牧歌)」 他
*   *   *   *   *
2部
リムスキー=コルサコフ: 交響組曲「シェエラザード」(シェヘラザード)作品35
ラヴェル: ボレロ



指揮者は今年9月よりロシア国立交響楽団首席客演指揮者に就任予定の西本智実氏。

演奏会の第1部では韓国人ソプラノ歌手スミ・ジョーが登場。世界各地で好評を得ている彼女だけあって彼女のもつ演技力と華やかな衣装でステージを楽しませてくれました。聴きやすい声で音程もきちんとしてはいましたが、声量が足りなくて少々残念。

第2部の交響組曲「シェエラザード」では、コンサートマスターのソロが聴かせてくれました。さすが歌の国リトアニアのオーケストラだけあってみなさん音感が鋭い!各セクションごとのアンサンブルが、楽器を演奏しているのではなくまるで歌っているかのような音色で迫ってきました。リトアニアの自然を象徴しているかのような優しくソフトでナチュラルな音色が心地よく、クライマックスではバランスのよい厚みのあるアンサンブルがしっかり聴かせてくれました。時折聴こえてくるハープの音が実に美しく印象的でした。

ボレロでも、リトアニア人の持つ音楽性に驚かされました。各楽器のソロをしっかり表現しつつも演奏が自然なのです。日本人が演奏するとどうしても「こぶし」が効いてしまうようなサキソフォンのソロもリトアニア人奏者の演奏はオーケストラの音に溶け込んでいて嫌みの全くないものでした。

西本智実氏の指揮も終始、奏者たちのセンスに委ねているといった感じがあり、西本氏とオーケストラの温かい関係が演奏にも表われていたように思いました。

次回の来日では、このオーケストラの首席指揮者ドマルカス氏の指揮やリトアニア人作曲家の作品を演奏する日を設けてほしいと思いました。

リトアニア公演を収録したCDが数量限定のDVD付きでドイツグラモフォンより販売されています。ご興味のおありの方はぜひどうぞ。

イン・コンサート(初回限定盤)(DVD付)
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トゥールーズ=ロートレックの油彩画《サーカスの舞台裏》が新たにブリヂストン美術館のコレクションに加わったと聞いたので、京橋へ。

美術館へ辿り着き、まずはティールーム〈ジョルジェット〉でひと休み。

どこかの国立西洋美術館のカフェとは大きく違い、ブリヂストン美術館のティールームは格式が高く、紅茶もデザートもまるでフランスのカフェがそのまま移動してきたかのように香り高い味がした。スタッフもとても親切。ベルガモットオレンジフレーバーセイロンティーをゆっくりと味わってから展覧会へ。
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ここの美術館はいつきてもすばらしい。本当にそう思える。

ひと部屋目の一枚目の絵画、レンブラントの《聖書あるいは物語に取材した夜の情景》から魅了されてしまう。

クールベ、コロー、シスレー、ピサロ、ドガ、ゴッホ、ゴーガン、セザンヌ、マネ、モネ、ルノワール、デュフィなどなど。しかもどれも完成度の高い作品ばかり。それが東京の真ん中でいつでも見られるのだから幸せだ。

初公開されたロートレック《サーカスの舞台裏》もじっくり拝見。モノクロ作品なのがちょっと物足りないが、日本では観る機会の少ないロートレックの油彩画を観られることは意義深いことだと思う。

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by ciurlionis | 2010-06-24 23:58 | 美術

ピアニストで文筆家の青柳いづみこ氏が中心となって募金を募り、先日修復が完了した大田黒元雄氏が昔愛用していたピアノ(1900年製スタインウェイ)を使用した演奏会が9月に浜離宮朝日ホールで催されます。

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2008年5月にロンドンのプロコフィエフ財団の研究誌 "Three Oranges, Number 15" のために1918年夏にプロコフィエフが2か月間日本に滞在した際の大田黒元雄氏との交流エピソードを英語論文 "Motoo Ohtaguro and Serge Prokofiev: an unexpected friendship" (ISSN: 1472-9946) にまとめ発表したことがきっかけで大田黒氏について興味を持ち、実際に大田黒公園へ足を運んだりもしたのですが、このピアノ、もしかしたらプロコフィエフが大田黒家を訪問したときに弾いたピアノかもしれないのです!

今回はプロコフィエフの作品は演奏されませんが、大田黒元雄氏が仲間を集めて月一回行っていたサロン・コンサートで紹介されていたドビュッシーのピアノ曲や菅原明朗氏のピアノ組曲や歌曲、堀内敬三氏の訳詞による歌曲などが演奏されます。

青柳いづみこ氏の弾くドビュッシーはさすが研究者による演奏だけあって奥の深さを感じさせますのでぜひ演奏会へも足をお運びになって頂きたいと思います。

*     *     *     *     *     *

今聴いているのは青柳いづみこ氏の弾く「水の音楽」(KICC-363) というCD。同タイトルの書籍『水の音楽~オンディーヌとメリザンド~』(みすず書房) とともに、「文字と音の両方」でその魅力を語っています。

水辺の情景を想起させるソフトで心地よいピアノ曲の数々。おすすめです。

CD水の音楽~オンディーヌとメリザンド

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書籍『水の音楽―オンディーヌとメリザンド』

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最近ずっと体調を崩していて気分まで暗くなっていた。

若冲展の後半を観に千葉市美術館へ行った帰りにふと古本屋へ立ち寄ってみた。

古本屋の楽しいところはさまざまな書籍が雑多に並べられていて、そのなかから宝探しでもするように自分の好みの書籍を見つけられるところ。

先日オルセー美術館展でも語りかける風景展でもフェリックス・ヴァロットン(Félix Vallotton, 1865-1925) の作品に触れ、ヴァロットンについていろいろと考えていたところであったのだが、古本屋の文庫本コーナーで茶色にヤケたジュール・ルナール著、窪田般彌訳の『にんじん』(角川文庫2170)を見つけた。40円也。この本の挿絵はヴァロットンの木版画なのだ。どれもセンスの良い版画ばかり。

また、最近は印象派の絵画を多くみて次に行くのならひろしま美術館かな?と思っていたところに、図録のコーナーには「ひろしま美術館の図録」が。200円也。絵ハガキを1枚買うのにも150円という今の時代に印象派の名画がたくさん詰まった図録が200円。こちらも良い買い物だった。

オルセー美術館展にヴァロットンの代表作《ボール》が出品されていたのだが、この絵画はフランス近代音楽のCDジャケットに採用されている。

もしご興味があれば聴いてみていただきたい。

Pacific 231 / Rugby / Pastorale D'Ete

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ドビュッシー:管弦楽曲集

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追記:
2011年になってもう一枚この絵画をジャケットに採用しているCDを発見しましたので、下記に追加しておきます。

Schumann: Kinderszenen / Waldszenen

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by ciurlionis | 2010-06-20 23:59 | 美術

ピンク好きの私は先日大型書店を何軒か回って購入しましたが、marimekko 1951- 2010 (e-MOOK) (大型本)がAmazonでも購入可能になりました。マリメッコ好きにはたまらないmarimekkoの文字が入ったトートバッグとポーチ付き。


marimekko 1951- 2010 (e-MOOK)(大型本)
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表紙のウニッコ柄がカワイイですよね?

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by ciurlionis | 2010-06-19 21:00 |