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国立新美術館で行われた「ゴッホ展」のオープニングに伺いました。

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今年はゴッホの没後120周年にあたるとのこと。展覧会チラシを読んで初めて知ったのでした。

今回の展覧会はオランダのファン・ゴッホ美術館とクレラー=ミュラー美術館所蔵のゴッホを中心に構成されていました。

学生の頃にアムステルダムのファン・ゴッホ美術館を訪れてすべてのコレクションを観て回るのに2~3時間くらいかかった記憶があります。ここの美術館は、ゴッホが集めたという浮世絵もたくさん所蔵しているのです。

今回のゴッホ展では、楽しみにしていた《カフェにて(「ル・タンブラン」のアゴスティーナ・セガトーリ)》や《ゴーギャンの椅子》、《種まく人》、《アイリス》を間近に見られて嬉しかったのですが、何よりもゴッホ以外の普段なかなか観られない傑作が揃っていたのが印象的でした。

特に、ピサロ《虹》、ロートレック《テーブルの若い女(白粉)》、スーラ《オンフルールの港の入口》には目を見張るものがありました。おすすめです。

会期は、2010年12月20日(月)まで。

先日は、チュルリョーニスの音楽に関する記事で残念に思った芸術新潮10月号ですが、第一特集は「ゴッホの手紙」。

こちらの特集はさすが芸術新潮だけあって、手紙の和訳、デッサン入りのゴッホ直筆の手紙の写真などが掲載されていて熱のこもったもので読みごたえがありました。

ゴッホに興味をもって芸術新潮を購入した方にもチュルリョーニスのCDを聴いていただけたら嬉しいなと思いました。

芸術新潮 2010年 10月号 [雑誌]

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by ciurlionis | 2010-09-30 23:59 | 美術

芸術新潮2010年10月号のチュルリョーニス特集を読みました。

ランズべルギス教授、チュルリョーニスのひ孫のズボヴァス、そして、先日の音楽学会でお目にかかったラサ・アンドリュシーテ・ジュキエネ教授のインタビューを楽しく拝見しました。

ただ、小沼純一氏の執筆した「音楽篇」は具体性に欠ける文章でチュルリョーニスの音楽に関してなにも得るものがありませんでした。かえって誌面の印象を悪くしている気さえしました。

チュルリョーニスの音楽を愛し、詳しく知る人は大勢いるのに、その方々によって執筆されなかったのは残念に思いました。

付録のCDは、昨年リトアニア国立交響楽協会からリリースされた2枚組CDからの抜粋盤。以前のランズベルギス録音にあったチュルリョーニス音楽の素朴感が薄れ、洗練された演奏になっています。

個人的にはソ連時代にメロディヤからリリースされたランズベルギス氏の演奏するピアノ曲のLPや、1998年にEMI ClassicsからリリースされたCDの録音の方が、本来チュルリョーニスの音楽のもつ牧歌的で素朴なイメージがよくあらわれていて、おすすめです。

芸術新潮誌上では、詳しい曲目の解説がなかったので、軽く解説をしておきます。

トラック1~5
プレリュードなど5曲 (VL186, 187, 189, 188, 197)

チュルリョーニスが1899-1903年に作曲した一連のプレリュードは、幅広い和音と多声のテクスチュアからなり、ロマン的な要素の上に、リトアニア民謡の旋律やリズムが用いられていて、最もチュルリョーニスらしい作品です。なかでも1901年の夏にリトアニアの保養地ドルスキニンカイにて作曲されたプレリュードは「ドルスキニンカイ・プレリュード」と呼ばれ、牧歌的で素朴な印象が強い作品。このCDに収録されているVL187, VL188, VL260の3曲はジョナス・メカス監督の映画『リトアニアへの旅の追憶』でも使用されていたので聞いたことがある方もいらっしゃるはず。

トラック6
"Sefaa Esec" の主題によるピアノのための変奏曲 (VL258)

1904年の作品。親しい女友達の名前、ステファニア・レスキェヴィチ (Stefania Leskiewicz) の綴り字から9音 "Sefaa Esec" (変ホ、ホ、ヘ、イ、イ、変ホ、ホ、ハ)を採用して音列化し、その主題をもとに7つの変奏曲が作曲されました。

トラック7
プレリュード ト長調 (VL338)

1909年にドルスキニンカイで作曲された8曲のプレリュードのうちの一曲でチュルリョーニス晩年の作品。この年初めにソフィヤと結婚し、自作の絵画と音楽作品がともにサンクト・ペテルブルグで発表されるなど、幸せの絶頂にありました。この曲を含む8曲のプレリュード(VL335, 337a, 338, 339, 340, 341, 343, 344)を聴くと、音楽を知り尽くしたチュルリョーニスの宇宙観を感じることができます。独創的なテクスチュアに新古典主義的な方向性すらうかがえます。そしてこれらの集大成としてチュルリョーニス最大の傑作、フーガVL345が生まれることになります。

トラック8
Pater Noster 「主の祈り」(パーテル・ノステル)(VL260)

1904年にワルシャワで作曲された作品。チュルリョーニスの音楽は1904年を境にして大きく作風が変わりました。この時期チュルリョーニスは彼自身の芸術への道を模索しており、美術学校で絵画を学ぶようになったことも影響したのか、空間的な拡がりや、新しい現代的な和声やリズムを試すようになっていきました。その頃の作品のひとつです。


下記にランズベルギス教授の演奏するおすすめCDを載せておきます。

”Born of the Human Soul” Čiurlionis Piano Works by Vytautas Landsbergis

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また、リトアニアをソ連邦からの独立回復へと導いたランズベルギス教授の英語による自伝も出版されていますのでご興味のおありの方はぜひどうぞ。

Lithuania Independent Again: The Autobiography of Vytautas Landsbergis [Hardcover]

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芸術新潮 2010年 10月号 [雑誌]

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by ciurlionis | 2010-09-27 23:59 |

大田黒元雄が愛用し、1918年に来日したプロコフィエフも弾いたとされる1900年製のスタインウェイのグランドピアノが修復され復活し、再び音を取り戻すことができた。

その点で意義深い演奏会だったと思う。

実際に音を聴いた感想は、「木箱が純粋に響いていた」という感じ。

以下、備忘録。

2010年9月24日(金)
19:00~
浜離宮朝日ホール
出演/根岸一郎(バリトン)*、釜洞祐子(ソプラノ)**
曲目/
ドビュッシー:
アラベスク 第一番・第二番
夢、マズルカ、ロマンティックな円舞曲
カノープ、亜麻色の髪の乙女、沈める寺
月の光
亜麻色の髪の乙女
菅原明朗:
ピアノ組曲「断章」より Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ
ピアノ組曲「白鳳の歌」より 第一曲「﨟纈」
ドビュッシー:
人形のセレナード
(休憩)
菅原明朗:
韓藍花、過近荒都詩、無題、田舎歌、白い姉の歌、丘の上*
ドビュッシー:
ロマンス*
堀内敬三訳詞歌曲:
御身を愛す(ベートーヴェン)、母の教え給いし歌(ドヴォジャーク)、スペインのセレナーデ(ビゼー)、メドレー「青空」「アラビヤの唄」「蒲田行進曲」、ホフマンの舟唄(オッフェンバック)、インドの歌(リムスキー=コルサコフ)、別れの曲(ショパン)**
ビゼー:
「カルメン」より セギディーリャ**
(アンコール)
レハール: 「メリー・ウィドウ」の二重唱* **
フリース: 「モーツァルトの子守唄」* **


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チュルリョーニス・ファンにお知らせです。

芸術新潮2010年10月号の第二特集でチュルリョーニスが取り上げられます。

チュルリョーニスのピアノ曲を収録したミニCDも付録についているそうです。

誰の演奏なのかが楽しみです~。ランズベルギスさん演奏の板おこしでしょうか?

9月25日(土)発売です。下記のサイトでも購入できます↓


芸術新潮 2010年 10月号 [雑誌]

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感想はまた後日~


*****

チュルリョーニスの生涯や作品について知るには下記書籍がおすすめです。

『チュルリョーニスの時代』(佐藤泰一・村田郁夫訳、ヤングトゥリープレス 2008)[単行本]
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リトアニアを象徴する作曲家・画家チュルリョーニスの伝記が発売になりました!
ピアノ曲の楽譜、詳細なディスコグラフィー、音楽作品リスト、参考文献目録も収録!


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by ciurlionis | 2010-09-24 00:14 |

今やロシアの歌曲として知られる「百万本のバラ」"Миллион алых роз" は、元々は、ラトヴィア民謡「マーラが与えた人生」 "Dāvāja Māriņa" という、ラトヴィアのライモンド・パウルスによって作曲され、レオン・ブリディスが作詞を担当した曲でした。

1981年にラトヴィア人歌手アイヤ・クレレにより歌われて知られるようになったのですが、その後ロシアのヴォズネンスキーにより、グルジアの画家ニコ・ピロスマニを題材とした歌詞がつけられ、大歌手アラ・ブガチョワによって歌われ、さらに世の中に知られるようになったそうです。

この度の第一回ラトビア音楽祭でもラトヴィア語の原曲が歌われるようですので、お聴きになってみてはいかがでしょうか?

You Tubeにアイヤ・ククレによりラトヴィア語で歌われている原曲を見つけましたので、下記に載せておきます。



* * *

ロシア語版の「百万本のバラ」のモデルとなったグルジアの画家、ニコ・ピロスマニの描く絵画は独特の作風で魅力的です。私はロンドンで共演したグルジア人ピアニストに教えてもらいました。グルジア人にとってピロスマニとは国を象徴する画家だそうです。リトアニアにおけるチュルリョーニスのようですね。。。

ご興味のおありの方はぜひどうぞ。

グルジアの画家 ニコ・ピロスマニ 1862‐1918(画集)

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by ciurlionis | 2010-09-23 00:03 | 音楽

ラトビア音楽の集い~第一回ラトビア音楽祭~が2010年9月25日(土)13:30より、四谷区民ホールにて開催されます。

詳細は下記演奏会チラシをご確認ください。
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これは余談ですが、バルト三国がソヴィエト連邦から独立を回復するきっかけとなった "The Singing Revolution" (歌う革命、歌とともに闘う革命などと言われたりします)のDVDがでています。エストニアで製作されたドキュメントです。ご興味のおありの方はぜひどうぞ。

Singing Revolution [DVD] [Import]

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先日、浅草へ行く用事があったのでちょっと辺りを散策して隅田川まで行ってみたら、建設中のスカイツリーが目の前にありました。

ぱっとみたら、現実の世界ではないような不思議な景色ではありませんか?

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今朝の朝刊では、中秋の名月と一緒に写るスカイツリーが一面を飾っていました。

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by ciurlionis | 2010-09-23 00:01 | 旅行

オーチャードホールでの演奏会のあと、そのまま階下のBunkamura ザ・ミュージアムへ。

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「フランダースの犬」ならぬ「フランダースの光」展。要するに「フランドル地方の絵画展」です。

精緻に描かれた絵画の数々、フランドル地方の光に照らされた木々の優しい緑色が印象的で、以前3度ほど訪れたベネルクス三国の自然や、レンタ・サイクルで走り回った農村の風景を思い出したりしていました。

この展覧会へ来て良かったことのひとつに、大原孫三郎の後援によりヨーロッパへ留学して美術を学び、その後倉敷にある大原美術館の礎となったコレクションを収集した児島虎次郎(1881-1929)の足跡をしることができたことがあげられます。

児島虎次郎は、1908年に大原孫三郎の後援によりパリへ渡り、その後パリ郊外の田舎町グレで創作活動を行いました。1909年には友人の画家太田喜二郎に呼ばれ、ベルギーのゲント美術アカデミー(ヘント)で学ぶことになり、画家のエミール・クラウスに師事しました。1912年4月、児島はゲント美術アカデミーを首席で卒業。ゲント市で開催された展覧会に絵画を出品し、金賞を受賞。同年、校長の紹介で画家のアマン=ジャンとの知遇を得ました。アマン=ジャンには自身の絵画への意見を求めたり、また大原コレクションの第一号となった絵画「髪」を購入したりしています。

今回の展覧会にも、ゲント美術館所蔵の児島虎次郎作《黒い帽子の女》が出品されていました。この作品がゲント市の展覧会で金賞を受賞したものかは定かではないのですが、今でも児島の絵画がゲントの美術館に所蔵されていることを知り、嬉しい気持ちになりました。児島の師エミール・クラウスの作品も出品されていました。もちろん初めて観ました。

倉敷へは今年5月に足を運び、アイビースクエア内で児島本人の絵画も堪能し、また大原美術館では大原氏に協力して集めたという質の高い芸術品の数々を観てきたばかりでしたので、感激もひとしおでした。

渋谷の東急7Fに誕生した大型書店「ジュンク堂x丸善」は、なかなかの品ぞろえでした。長い通路の両脇に分かりやすく本が並べられていて、目的の本をすぐに見つけることができました。通路がまっすぐで長いのでこどもがかけっこしていましたが。。これからは渋谷でも退屈しないで済みそうです。

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by ciurlionis | 2010-09-21 00:01 | 美術

御年86歳のイギリス人指揮者、サー・ネヴィル・マリナー(Sir Neville Marriner, 1924- )が来日、しかもスウェーデン人クラリネット奏者、マルティン・フロストとモーツァルトのクラリネット協奏曲を共演すると聞いて足を運びました。

プログラムは下記の通り:

メンデルスゾーン / 序曲「フィンガルの洞窟」作品26
モーツァルト / クラリネット協奏曲 イ長調 K.622
* * *
ブラームス / 交響曲 第2番 ニ長調 作品73

86歳という年齢を全く感じさせない溌剌とした指揮ぶりにただただ魅入ってしまいました。

やはりマリナーのモーツァルトの解釈には確固たるものがあると確信しました。ほんのわずかなニュアンスも見逃さない、決めどころをしっかり押さえたモーツァルトで、かなりの好演。フロストのくせのないピュアな音色による弱音がホールの隅々まで行き渡り、久しぶりに聴く木管楽器のぬくもりのある音色に魅了されました。しばし違う世界へタイムスリップ。夢のようなひとときでした。次回はアカデミー室内管弦楽団の演奏で聴きたいです。

フロストのクラリネットを最後に聴いたのは、2004年9月26日ロンドンのQueen Elizabeth Hallでの、内田光子さんとの共演。そのときフロストは、Anders Hillborgの "Peacock Tales" とFredrik Högbergの "Invisible Duets" を好演しました。突然ステージが真っ暗になり、そこへマスクをしたフロストが登場。楽器を組み立てるところからパフォーマンスを始め、踊りながら演奏していました。そのパフォーマー的なステージが新鮮だったので、今でも良く覚えています。

今回の日本での公演でもフロストの弟がクラリネットとオーケストラのために作曲した「シアワセニナロウ」という曲がアンコールとして演奏されました。それもクラリネットを熟知したフロストらしいパフォーマンスで会場を沸かせていました。

またどこかで聴けたらいいなと思いました。

マリナーが自ら結成したアカデミー室内管弦楽団 (the Academy of St. Martin in the Fields, AMF) が好演したモーツァルトのCDがありますので、ご興味のおありの方はぜひどうぞ。

Symphonies: Complete Mozart Edition 1

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映画『アマデウス』のサウンドトラックにはマリナー指揮のアカデミー室内管弦楽団の演奏が採用されているとのことです。

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リトアニアが意外にもジャズ大国であることを知ったのは、鈴木正美先生の下記のブックレットを読んでからでした。

このブックレットはロシア・ジャズについて(ソヴィエト時代を含めて)詳しく書かれていて勉強になりました。おすすめです。

ロシア・ジャズ―寒い国の熱い音楽、鈴木正美 (著)、(ユーラシア・ブックレット)

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その後、リトアニアへ行くたびにリトアニア人の演奏によるジャズのCDを買ってくるようになり、現在に至っています。

下記の3枚組x2の計6枚のCDを聴くとリトアニア・ジャズの歴史を聴きながら辿ることができます。ブックレットも英訳されていて、半世紀におよぶそのパースペクティヴを詳しく知ることができました。

LITHUANIAN JAZZ 1929-1980 (3CD SECD011)





LITHUANIAN JAZZ 1980-1990 (3CD SECD014)
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特に、モツクーナスの師匠、ウラジーミル・チェカシンのサックス演奏が光っています。

日本ではCDの入手が難しいかも知れませんが、ご興味のある方はYou Tubeに公開されている演奏を聴いてみてください。

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アマゾンでリトアニアの国旗柄のマグを見つけました。リトアニア・ファンの方、いかがでしょうか?

Sugar Land (シュガーランド) フラッグマグ LITHUANIA(リトアニア) 11181-3
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by ciurlionis | 2010-09-17 00:02 | 音楽