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チュルリョーニスのCDの3枚目は、1992年にキングレコードよりリリースされたチュルリョーニスの交響詩「森の中で」・「海」(オリジナル版・世界初録音)です。

指揮は、ギンタラス・リンキャヴィチュス。演奏はリトアニア国立交響楽団です。

このCDのすごいところは、交響詩「海」が「オリジナル版の世界初録音である」ということです。

約50年もの間ソ連邦の一国であったリトアニアですが、1990年3月に自ら再独立を宣言。1991年、クーデターの失敗を経て8月には正式にソ連邦からの独立が認められました。

その独立運動の旗手となった当時の国家元首が音楽学者でチュルリョーニス研究者のヴィータウタス・ランズベルギス氏でした。

このCDの録音はリトアニアをソ連邦からの再独立へと導いたランズベルギス氏自らの要請で実現しました。独立直後の混乱期にあったリトアニアで、それまではカットの多いバルシスによる改訂版しか演奏されたことのなかったチュルリョーニスの交響詩「海」のオリジナル版の録音がリトアニアのLITUANUSと日本のキングレコードの協力で行われたのです。

1992年3月には池袋にあったセゾン美術館でチュルリョーニスの絵画展が行われ、ランズベルギス氏も来日されて話題になりました。このCDのジャケットにある絵画はチュルリョーニスが描いたもので「思索」(Thoughts) といいます。独立回復後、初のCD制作に日本のレコード会社が協力・出資できたことは嬉しい事実です。その後、ピアノ作品集とリトアニア民謡曲集のCDもキングレコードよりリリースされました。

それにしても、チュルリューニスを専門とする音楽学者が初代国家元首になるなんて、ちょっと日本では想像もできないことですね。

チュルリョーニス:交響詩「森の中で」・「海」(オリジナル版・世界初録音)(KICC-76)

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リトアニア国立交響楽団の演奏は、透明感のある音色と一音一音大切に演奏する繊細さが特徴です。特に交響詩「森の中で」は、まるで森の中にいるような感覚になり、聴いていて心地いいです。

『チュルリョーニスの時代』(佐藤泰一・村田郁夫訳、ヤングトゥリープレス 2008)
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by ciurlionis | 2011-01-09 23:59 | 音楽
チュルリョーニスCDの2枚目は、エフゲニー・スヴェトラーノフ (1928-2002) が自ら企画した3人の作曲家の「海」にまつわる作品、チュルリョーニスの交響詩「海」VL 5、グラズノフの管弦楽のための幻想曲 ホ長調 作品28「海」、ドビュッシーの交響詩「海」3つの交響的エスキスを収録したものです。

演奏は、ロシア国立交響楽団。1993年2月13日にモスクワ音楽院大ホールで行われた演奏会のライヴ録音です。

チュルリョーニスの交響詩「海」は、バルト海を視覚的にイメージできるような、詩情豊かな作品です。ハープのグリッサンドから始まり、ヴァイオリンの和音の上にフルートとクラリネットのささやきが聴こえ、その後金管楽器が加わっていき、徐々に厚みを増してゆきます。木管アンサンブルがリトアニアの「海」の情景を、金管楽器と弦楽器の低音がバルト海の大波を想起させます。収録されているのは1965年出版のエドゥアルダス・ バルシス版の演奏です。

グラズノフの管弦楽のための幻想曲 ホ長調 作品28「海」もめずらしい作品ですし、重低音の効いた厚みのあるロシア国立交響楽団の演奏で、ドビュッシーの交響詩「海」を聴くのもまた新鮮で新しい発見がたくさんあります。

このCDも比較的入手しやすく日本語で解説も読めますので、ご興味のおありの方はぜひお聞きになってみてください。

「海」: チュルリョーニス、グラズノフ、ドビュッシー: スヴェトラーノフ指揮、モスクワ国立交響楽団 (OVCL00287) (DMCC-26012)


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『チュルリョーニスの時代』(佐藤泰一・村田郁夫訳、ヤングトゥリープレス 2008)
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by ciurlionis | 2011-01-08 23:59 | 音楽
このブログ上でチュルリョーニスの音楽作品を収録しているCDをご紹介していきたいと思っているのですが、「できるだけ入手しやすいもので、日本語で解説が読めるもの」から始めます。

第一枚目は、以前にもご紹介したことのあるビクターエンタテインメントからリリースされている「バルト三国の合唱音楽選集 Vol. 1-5」の「Vol. 5 リトアニア合唱曲集」(V. アウグスティナス指揮、ヴィリニュス市合唱団《ヤウナ・ムジカ》) です。

このCDのなかに一曲だけチュルリョーニスが合唱曲用に編曲したリトアニア民謡「田畑よ、広がって」 (Bėkit Bareliai) のさらなる編曲版が収録されています。

歌詞は「田畑よ、広がって、向こうまで。」が繰り返されるのみ。このカノン風の唱法が古くから伝わるリトアニア民謡の特徴をあらわしています。もの哀しい雰囲気をもった民謡ですが、ご興味を持たれた方はぜひお聴きになってみてください。

バルト三国(エストニア・ラトヴィア・リトアニア)では、ユネスコの世界無形文化遺産にも登録された、国民参加型の合唱祭が行われることでも世界的によく知られています。

バルト三国すべての合唱曲にご興味をお持ちの方のために、「バルト三国の合唱音楽選集 Vol. 1-5」すべてを下記に載せておきます。

バルト三国の合唱音楽選集 Vol.1 エストニア合唱曲集(1)混声 (VICS-61105)
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バルト三国の合唱音楽選集 Vol.2 エストニア合唱曲集(2)女声 (VICS-61106)
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バルト三国の合唱音楽選集 Vol.3 ラトヴィア合唱曲集(1)混声・女声 (VICS-61107)
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バルト三国の合唱音楽選集 Vol.4 ラトヴィア合唱曲集(2)混声・男声 (VICS-61108)
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チュルリョーニスが収録されているのはこちら↓
バルト三国の合唱音楽選集 Vol.5 リトアニア合唱曲集 (VICS-61109)
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バルト三国の合唱曲を収録したCDでは、以前からご紹介している「バルト諸国の音楽 Baltic Voices 1. 2. 3. 」がおすすめです。詳しくは下記のエントリーをごらんください。
http://ciurlionis.exblog.jp/10552509


『チュルリョーニスの時代』(佐藤泰一・村田郁夫訳、ヤングトゥリープレス 2008)
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by ciurlionis | 2011-01-07 23:59 | 音楽
少々遅くなりましたが、今年も2011年が記念年の作曲家をまとめてみました。

私が特に注目しようと思っているのは下記にカタカナで示した作曲家です。カタカナの部分だけでは物足りないという方のためにさらに詳しい英語のリストも付けておきました。

フランツ・リストに関して、先月ロンドンのロイヤル・アカデミー・オヴ・アーツで行われていた「ブダペストの至宝」展 (Treasures from Budapest: European Masterpieces from Leonardo to Schiele) で今まで切手でしか見たことのなかったミハーイ・ムンカーチ(Munkácsy Mihály)が描いたリストの肖像画の実物をみることができ、リスト・イヤーに先駆けて良い予習となりました。今年もリストの作品を楽しみに演奏会へ足を運んでみたいと思います。

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生誕:
ウィリアム・ボイス(イギリス)William Boyce (1711–1779) 生誕300年
フランツ・リスト(ハンガリー) Ferenc [Franz] Liszt (1811–1886) 生誕200年
アントン・アレンスキー(ロシア) Anton Stepanovich Arensky (1861–1906) 生誕150年
ベーラ・バルトーク(ハンガリー) Bartók Béla Viktor János (1881-1945) 生誕130年
セルゲイ・プロコフィエフ(ロシア) Sergei Sergeevich Prokofiev (1891-1953) 生誕120年
アラン・ホヴァネス(アメリカ) Alan Hovhaness (1911–2000) 生誕100年
ニーノ・ロータ(イタリア) Nino Rota (1911–1979) 生誕100年
ソフィヤ・グバイドゥーリナ(ロシア) Sofiya Asgatovna Gubaidulina (1931- ) 生誕80年


没後:
トマス・ルイス・デ・ビクトリア(スペイン) Tomás Luis de Victoria (1548–1611) 没後400年
ルイ・クープラン(フランス) Louis Couperin (1626–1661) 没後350年
アントニン・ドヴォルザーク(チェコ) Antonín Dvořák (1841-1904) 没後170年
ミハイル・グリンカ(ロシア) Mikhail Glinka (1804-1851) 没後160年
テクラ・バダジェフスカ=バラノフスカ(ポーランド) Tekla Bądarzewska-Baranowska (1834–1861) 没後150年
モデスト・ムソルグスキー(ロシア) Modest Petrovich Mussorgsky (1839-1881) 没後130年
ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス(リトアニア) Mikalojus Konstantinas Čiurlionis (1875–1911) 没後100年
グスタフ・マーラー(オーストリア) Gustav Mahler (1860–1911) 没後100年
カミーユ・サン=サーンス(フランス) Camille Saint-Saëns (1835-1921) 没後90年
カール・ニールセン(デンマーク) Carl Nielsen (1865-1931) 没後80年
イグナツィ・パデレフスキ(ポーランド) (Ignacy Jan Paderewski 1860-1941) 没後70年
アルノルト・シェーンベルク(オーストリア) (Arnold Schoenberg 1874-1951) 没後60年
ニコライ・メトネル(ロシア) Nikolai Karlovich Medtner (1880-1951) 没後60年
パーシー・グレインジャー(オーストラリア)Percy Aldridge Grainger (1882–1961) 没後50年
ウーノ・クラミ(フィンランド) Uuno (Kalervo) Klami (1900–1961) 没後50年
イーゴリ・ストラヴィンスキー(ロシア) Igor Fyodorovitch Stravinsky (1882-1971) 没後40年
サミュエル・バーバー(アメリカ) Samuel Barber (1910-1981)没後30年
ヤニス・クセナキス(ルーマニア生まれのギリシャ系フランス人) Iannis Xenakis (1922-2001)没後10年


ご参考までに、より詳しい英語のリストです。

Born(生誕):
D. Dinis (1261–1325) 750 years
Philippe Rogier (1561–1596) 450 years
Jacopo Peri (1561–1633) 450 years 
Andreas Hammerschmidt|Hammerschmid (1611–1675) 400 years
Pablo Bruna (1611–1679) 400 years 
Henri (Henry) Desmarest|Desmarets (1661–1741) 350 years
Giacomo Antonio Perti (1661–1756) 350 years
Georg Böhm (1661–1733) 350 years
Domènec Terradellas (1711–1751) 300 years
William Boyce (1711–1779) 300 years
Ignaz Holzbauer (1711–1783) 300 years
Jean-Joseph Cassanea de Mondonville (1711–1772) 300 years
Evstigney Ipatovich Fomin (1761–1800) 250 years
Johann Christian Ludwig Abeille (1761–1838) 250 years
Antonín (Anton) Vranický (1761–1820) 250 years
Pavel Lambert Mašek (1761–1826) 250 years
Félix Le Couppey (1811–1887) 200 years
Vincenz Lachner (1811–1893) 200 years
Ambroise Thomas (1811–1896) 200 years
August Gottfried Ritter (1811–1885) 200 years
Jan Nepomuk Škroup (1811–1892) 200 years
Ferenc [Franz] Liszt (1811–1886) 200 years
Ferdinand Hiller (1811–1885) 200 years
Louis Schindelmeisser (1811–1864) 200 years
Stanislao Gastaldon (1861–1939) 150 years
Charles Martin Loeffler (1861–1935) 150 years
Pierre de Bréville (1861–1949) 150 years
Marco Enrico Bossi (1861–1925) 150 years
Georgi Lvovitch Catoire (1861–1926) 150 years
John Lemmone (1861–1949) 150 years
Anton Stepanovich Arensky (1861–1906) 150 years
João Arroyo (1861–1930) 150 years
Roberto García Morillo (1911–2003) 100 years
Gábor Darvas (1911–1985) 100 years
Jehan-Ariste Alain (1911–1940) 100 years
Alan Hovhaness (1911–2000) 100 years
Phyllis (Margaret) Tate (1911–1987) 100 years
Alberto Soresina (1911–2007) 100 years
Hans Vogt (1911–1992) 100 years
Franz Reizenstein (1911–1968) 100 years
Frederick May (1911–1985) 100 years
Bernard Herrmann (1911–1975) 100 years
Franco Ferrara (1911–1985) 100 years
Gian Carlo Menotti (1911–2007) 100 years
Jan Koetsier (1911–2006) 100 years
Gustaf Allan Pettersson (1911–1980) 100 years
Jan Mul (1911–1971) 100 years
Vladimir Ussachevsky (1911–1990) 100 years
Nino Rota (1911–1979) 100 years
Stanley Richard Bate (1911–1959) 100 years
Endre Szervansky (1911–1977) 100 years
Daniel Schnyder (*1961) 50 years
Daniel Schroyens (*1961) 50 years
Eduardo Vaz Palma (*1961) 50 years
Emanuel Frazão (*1961) 50 years
Erik Oña (*1961) 50 years
Gordon Kerry (*1961) 50 years
Hakan Olsson (*1961) 50 years
Isabel Soveral (*1961) 50 years
Vasco Pearce de Azevedo (*1961) 50 years
Virgílio Melo (*1961) 50 years
Patrizio Marrone (*1961) 50 years
Alois Bröder (*1961) 50 years
Janet Owen Thomas (1961–2002) 50 years
Craig Bakalian (*1961) 50 years
Marc-André Dalbavie (*1961) 50 years
Lowell Liebermann (*1961) 50 years
Giorgio Colombo Taccani (*1961) 50 years
Petri Kuljuntausta (*1961) 50 years
Piotr Grella-Możejko (*1961) 50 years
Hanna Kulenty (*1961) 50 years
Stephen Parker (*1961) 50 years
Alberto Jacopucci (*1961) 50 years
Karen Tanaka (*1961) 50 years
Kevin Ferguson (*1961) 50 years
Peter Machajdík (*1961) 50 years
Jean-Christophe Rosaz (*1961) 50 years
Unsuk Chin (*1961) 50 years
Rudolf Zaras (*1961) 50 years
Todd Harris (*1961) 50 years
David "Uncle Dave" Lewis (*1961) 50 years
Johan S. Riphagen (*1961) 50 years
Michael Torke (*1961) 50 years
Matthew Malsky (*1961) 50 years
Alain De Ley (*1961) 50 years
Mark R. (Richard Bush) Taylor (*1961) 50 years
Brett Dean (*1961) 50 years
Mike Edgerton (*1961) 50 years
Daron Hagen (*1961) 50 years
Edward Knight (*1961) 50 years
Matthew Fields (*1961) 50 years
Peter Zagar (*1961) 50 years

Died(没後):
Philippe de Vitry (1291–1361) 650 years
Johannes Ciconia (1335–1411) 600 years
Antoine de Févin (1470–1511) 500 years
Jean Ghiselin (1455–1511) 500 years
Luis Milán (1500–1561) 450 years
Pierre Sandrin (1490–1561) 450 years
Vicente Lusitano (1561†) 450 years
Cornelius Canis|de Hondt (1510–1561) 450 years
Tomás Luis de Victoria (1548–1611) 400 years
Louis Couperin (1626–1661) 350 years
Francesco Feo (1691–1761) 250 years
Ignaz (Franz Joseph) Fränzl (1736–1811) 200 years
Anthony Philip Heinrich (1781–1861) 150 years
Tekla Badarcewska-Baranowska (1834–1861) 150 years
Tomás Genovés y Lapetra (1805–1861) 150 years
Heinrich Marschner (1795–1861) 150 years
Karol Lipinski (1790–1861) 150 years
Edwin A. Jones (1853–1911) 100 years
Alexander Alexandrovich Kopylov (1854–1911) 100 years
Mikalojus Konstantinas Čiurlionis (1875–1911) 100 years
Félix-Alexandre Guilmant (1837–1911) 100 years
Gustav Mahler (1860–1911) 100 years
Johan Severin Svendsen (1840–1911) 100 years
Bruno Oscar Klein (1858–1911) 100 years
John Fernström (1897–1961) 50 years
Percy Aldridge Grainger (1882–1961) 50 years
Wallingford Riegger (1885–1961) 50 years
Uuno (Kalervo) Klami (1900–1961) 50 years
Carlos Salzédo (1885–1961) 50 years
Maurice Delage (1879–1961) 50 years
York Bowen (1884–1961) 50 years
William Walter Beaton Moonie (1883–1961) 50 years
Luís Abraham Delgadillo (1887–1961) 50 years

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by ciurlionis | 2011-01-04 23:59 | 音楽
今年2011年はリトアニアの作曲家・画家ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス (Mikalojus Konstantinas Čiurlionis, 1875-1911) の没後100年にあたります。

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私がチュルリョーニスの音楽に出会ったのは2004年。ロンドン大学大学院留学中に旅行で訪れたバルト三国(エストニア、ラトヴィア、リトアニア)でクラシック音楽のCDをたくさん購入して帰ったことがきっかけでした。

それ以来バルト三国へは5回訪れ、リトアニア国立チュルリョーニス美術館でチュルリョーニスの絵画も鑑賞。2009年夏には首都ヴィリニュス大学のリトアニア語講座に留学しながら、国民参加型の歌と踊りの祭典に通い、バルト三国の民族音楽を身をもって体感しました。

私のチュルリョーニスLP・CDコレクションも80枚ほどになり、今年は没後100周年ということですので順番にご紹介していきたいと考えております。

また、昨年夏にリトアニアのドルスキニンカイで行われたチュルリョーニス学会に参加させて戴いた際に、チュルリョーニス作曲の交響詩「海」のオーケストラスコア・パート譜を購入してきましたので、演奏してくださるオーケストラを募集中です。
チュルリョーニスは画家でもあり、1992年には池袋にかつてあったセゾン美術館で展覧会が行われたことがあります。ですから、画家としてのチュルリョーニスの画業もご紹介していきたいと思います。

リトアニアのチュルリョーニス研究者ダリウス・クチンスカス教授と、チュルリョーニスの曾孫ロカス・ズボヴァス氏などが共同で開発したチュルリョーニス専門サイトがOPENしましたので、もしよろしければごらんください。絵画作品のほとんどをこちらからご覧いただけます。
http://ciurlionis.eu/en/

現在、イタリアのミラノの王宮でチュルリョーニスの絵画展が開催中です。2011年2月13日まで。詳しくは下記サイトを参照ください。
http://www.mostraciurlionis.it/

『チュルリョーニスの時代』(佐藤泰一・村田郁夫訳、ヤングトゥリープレス 2008
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リトアニアを象徴する作曲家・画家チュルリョーニスの伝記が発売になりました!
ピアノ曲の楽譜、詳細なディスコグラフィー、音楽作品リスト、参考文献目録も収録!


書籍「チュルリョーニスの時代」+ CD「M.K.Ciurlionis' Piano works performed by Vytautas Landsbergis」セット

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by ciurlionis | 2011-01-02 00:01 | 音楽

芸術新潮2010年10月号のチュルリョーニス特集を読みました。

ランズべルギス教授、チュルリョーニスのひ孫のズボヴァス、そして、先日の音楽学会でお目にかかったラサ・アンドリュシーテ・ジュキエネ教授のインタビューを楽しく拝見しました。

ただ、小沼純一氏の執筆した「音楽篇」は具体性に欠ける文章でチュルリョーニスの音楽に関してなにも得るものがありませんでした。かえって誌面の印象を悪くしている気さえしました。

チュルリョーニスの音楽を愛し、詳しく知る人は大勢いるのに、その方々によって執筆されなかったのは残念に思いました。

付録のCDは、昨年リトアニア国立交響楽協会からリリースされた2枚組CDからの抜粋盤。以前のランズベルギス録音にあったチュルリョーニス音楽の素朴感が薄れ、洗練された演奏になっています。

個人的にはソ連時代にメロディヤからリリースされたランズベルギス氏の演奏するピアノ曲のLPや、1998年にEMI ClassicsからリリースされたCDの録音の方が、本来チュルリョーニスの音楽のもつ牧歌的で素朴なイメージがよくあらわれていて、おすすめです。

芸術新潮誌上では、詳しい曲目の解説がなかったので、軽く解説をしておきます。

トラック1~5
プレリュードなど5曲 (VL186, 187, 189, 188, 197)

チュルリョーニスが1899-1903年に作曲した一連のプレリュードは、幅広い和音と多声のテクスチュアからなり、ロマン的な要素の上に、リトアニア民謡の旋律やリズムが用いられていて、最もチュルリョーニスらしい作品です。なかでも1901年の夏にリトアニアの保養地ドルスキニンカイにて作曲されたプレリュードは「ドルスキニンカイ・プレリュード」と呼ばれ、牧歌的で素朴な印象が強い作品。このCDに収録されているVL187, VL188, VL260の3曲はジョナス・メカス監督の映画『リトアニアへの旅の追憶』でも使用されていたので聞いたことがある方もいらっしゃるはず。

トラック6
"Sefaa Esec" の主題によるピアノのための変奏曲 (VL258)

1904年の作品。親しい女友達の名前、ステファニア・レスキェヴィチ (Stefania Leskiewicz) の綴り字から9音 "Sefaa Esec" (変ホ、ホ、ヘ、イ、イ、変ホ、ホ、ハ)を採用して音列化し、その主題をもとに7つの変奏曲が作曲されました。

トラック7
プレリュード ト長調 (VL338)

1909年にドルスキニンカイで作曲された8曲のプレリュードのうちの一曲でチュルリョーニス晩年の作品。この年初めにソフィヤと結婚し、自作の絵画と音楽作品がともにサンクト・ペテルブルグで発表されるなど、幸せの絶頂にありました。この曲を含む8曲のプレリュード(VL335, 337a, 338, 339, 340, 341, 343, 344)を聴くと、音楽を知り尽くしたチュルリョーニスの宇宙観を感じることができます。独創的なテクスチュアに新古典主義的な方向性すらうかがえます。そしてこれらの集大成としてチュルリョーニス最大の傑作、フーガVL345が生まれることになります。

トラック8
Pater Noster 「主の祈り」(パーテル・ノステル)(VL260)

1904年にワルシャワで作曲された作品。チュルリョーニスの音楽は1904年を境にして大きく作風が変わりました。この時期チュルリョーニスは彼自身の芸術への道を模索しており、美術学校で絵画を学ぶようになったことも影響したのか、空間的な拡がりや、新しい現代的な和声やリズムを試すようになっていきました。その頃の作品のひとつです。


下記にランズベルギス教授の演奏するおすすめCDを載せておきます。

”Born of the Human Soul” Čiurlionis Piano Works by Vytautas Landsbergis

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また、リトアニアをソ連邦からの独立回復へと導いたランズベルギス教授の英語による自伝も出版されていますのでご興味のおありの方はぜひどうぞ。

Lithuania Independent Again: The Autobiography of Vytautas Landsbergis [Hardcover]

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芸術新潮 2010年 10月号 [雑誌]

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by ciurlionis | 2010-09-27 23:59 |


チュルリョーニス・ファンにお知らせです。

芸術新潮2010年10月号の第二特集でチュルリョーニスが取り上げられます。

チュルリョーニスのピアノ曲を収録したミニCDも付録についているそうです。

誰の演奏なのかが楽しみです~。ランズベルギスさん演奏の板おこしでしょうか?

9月25日(土)発売です。下記のサイトでも購入できます↓


芸術新潮 2010年 10月号 [雑誌]

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感想はまた後日~


*****

チュルリョーニスの生涯や作品について知るには下記書籍がおすすめです。

『チュルリョーニスの時代』(佐藤泰一・村田郁夫訳、ヤングトゥリープレス 2008)[単行本]
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リトアニアを象徴する作曲家・画家チュルリョーニスの伝記が発売になりました!
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by ciurlionis | 2010-09-24 00:14 |

チュルリョーニスに関する英語論文を執筆するにあたって過去に日本語で執筆されたチュルリョーニス関連の記事を読んでいる。

先日、国立国会図書館で日本に初めてチュルリョーニスを紹介した加藤氏の雑誌記事を閲覧しに行き、チュルリョーニスについて色々と調べていたら沼野充義先生がポーラ文化研究所発行の雑誌『IS』に1997年~2000年にわたって連載されていた「レーリッヒとロシア文化の地平」というものが目にとまった。おかげで日本ではあまり知られていない画家・思想家のニコライ・レーリヒ(レーリッヒまたは、リョーリフとも)について多くを知ることができて有意義だった。

レーリヒはストラヴィンスキーのバレエ『春の祭典』の舞台美術で知られるが、ヒマラヤ山岳地帯を題材に数多くの風景画を描いている。チュルリョーニスと同時代人で、風景のなかに底知れない神秘を見出すところが共通しているように思う。

沼野先生の連載では「チュルリョーニス・サリヤン・ピロスマニ」と題した回にチュルリョーニスが登場する。レーリヒと関連づけながら同時代のリトアニア、アルメニア、グルジアの画家が紹介されていて興味深かった。

後日、レーリヒやサリヤンなどの絵画を観たくなってロシア絵画やバレエ・リュス関連の画集を広げてみたら、ロシアの芸術家グループ「芸術世界」«Мир искусства»の創始者のひとり、アレクサンドル・ベヌア(ブノワ)の息子、ニコライ・ベヌア(ブノワ)がチュルリョーニスに影響を受けて描いた絵画が数点載っていた。なかでも下記の "Fantasy in the Spirit of Čiurlionis" という作品はチュルリョーニスが好んだモティーフである宇宙、月、太陽、お城、ピラミッドなどの神話的断片がいくつも散りばめられていて面白い。チュルリョーニスの絵画を知るひとなら、楽しんでもらえるかも知れない。
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この絵画は昨年2009年にヴィリニュス・アート・ギャラリーで行われたチュルリョーニス展でも展示されていて現物を観ていたのだが、紹介するのを忘れていたのでこの場で紹介しておくことにした。

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チュルリョーニスの時代』(佐藤泰一・村田郁夫訳、ヤングトゥリープレス 2008)
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by ciurlionis | 2010-09-11 00:02 | 美術

以前一度このブログでもご紹介した世界的映像作家であるジョナス・メカス氏のウェブサイト、
www.jonasmekas.comでやっていた映像日記"365 Films by Jonas Mekas"のなかの2007年11月12日の映像日記には、リトアニアの元国家元首ヴィータウタス・ランズベルギス氏が登場してチュルリョーニスのピアノ作品を演奏しているのですが、その映像がYou Tubeで公開されていました。



演奏されているのは、

リトアニア民謡のピアノ用編曲より、
Močiute, noriu miego [Mother, I want to sleep], VL281 (1906) 

The last Summer (8曲) より、
III. Prelude in G major, VL338 (1909) 

の2曲で、使用されているピアノはドイツのベヒシュタイン(C.Bechstein) です。

1906年にチュルリョーニスは、リトアニア民謡の重要性を説き、リトアニア民謡の編曲に取り組み、多くの合唱用編曲とピアノ用編曲を作曲しました。

また、2曲目のPrelude in G majorは、チュルリョーニスが1909年「作曲に打ち込んだ最後の夏」に作曲した8曲のうちの1曲です。

やはり、チュルリョーニス研究の第一人者、ランズベルギス氏の弾くチュルリョーニスには特別なものを感じます。その指からは静かに語りかけるような深く思索的な音楽が紡ぎだされる。誰も真似のできないところです。演奏後には「ブラヴォー!」の声が飛んでいます。

わずか5分足らずの映像日記ですが、一見・一聴に値します。おすすめです。

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by ciurlionis | 2010-09-10 00:01 | 音楽

今日は、チュルリョーニスに関する英語論文を書きながらチュルリョーニスの合唱・ピアノ作品の演奏会DVDを観ていた。

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内容は、2009年4月28日にブリュッセル王立音楽院でリトアニアEU加盟5周年とリトアニアの国名千年紀を記念して行われた、ヴィリニュス大学合唱団 "Pro musica" とヴィータウタス・ランズベルギス教授のピアノ演奏によるチュルリョーニス合唱・ピアノ作品演奏会の模様を収録したもの。

„Pro musica“. Religious songs.

1. Kyrie
2. Gloria
3. Sanctus

Prof. Vytautas Landsbergis. Piano works.

1. Moment musical in F sharp minor
2. Mazurka in B minor
3. Prelude in B minor
4. Fughetta in B minor
5. Prelude in B minor
9–11. Three traditional Lithuanian folk songs
12. Autumn
13. Prelude on the six-tone row
14. Music for the Whit Sunday
15. Prelude in A major
16. The Willow on the Hill
17. Prelude in D Minor

„Pro musica“. Lithuanian folk songs harmonized by M. K. Čiurlionis

18. Across the Nemunas
19. What the Lad Thought
20. Oh, Forest, Forest
21. Mother Sent Me
22. Dawn is Breaking
23. Oh, Mother

Choral works are conducted by Rasa Gelgotienė and Gediminas Gelgotas.

DVDとCDがセットになっている。

昨年2009年夏にヴィリニュス大学に留学していた時に大学の教会で聴いた演奏会とほぼ同一の内容。教会内に響くチュルリョーニスの合唱・ピアノ作品の音、音、音。耳に焼き付いていて今でも忘れることはない。ランズベルギス氏の弾くチュルリョーニスの生演奏を聴くことができて感慨無量であった。

これはヴィリニュスでたまたま見つけて買ってきたものなのでどこで入手できるかはわからないが、下記のサイトで少しだけ聴くことができる。ご興味があればぜひどうぞ。


"Pro Musica" DVD "M. K. Čiurlionio chorinė ir fortepijoninė kūryba", Briuselis, 2009.

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by ciurlionis | 2010-09-09 23:59 | 音楽