今年2月に錦糸町のすみだトリフォニーホールで、オランダ人指揮者のフランス・ブリュッヘンと新日本フィルハーモニー交響楽団が、作曲家のハイドン没後200年を記念して、ひと月をかけた大プロジェクト"Haydn Project"をやっていました。

その時に、2月の新日本フィルの「すべての公演」、または「交響曲の公演4回」に通った方にはもれなくこのプロジェクトの演奏CDをプレゼント!という企画があり、私は後者の方に応募して2月末からまだかまだかと首を長~くして待っていました。

2か月経っても届かないので、郵便が届かなかったか、何か不備があったかで却下されたものと諦めかけていたのですが、今日帰宅したらそのCDが届いていたのでした。。

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収録曲は下記の通り:
FRANZ JOSEPH HAYDN (1732-1809): SYMPHONIES
1. Symphony No. 95, 2nd movement
2. Symphony No. 93, 4th movement
3. Symphony No. 94, 1st movement
4. Symphony No. 97, 2nd movement
5. Symphony No. 100, 3rd movement
6. Symphony No. 101, 2nd movement
7. Symphony No. 104, 1st movement
8. Symphony No. 104, 4th movement

February 2009, Sumida Triphony Hall
Frans Brüggen (cond.)
New Japan Philharmonic Symphony Orchestra


このプロジェクトでは公開リハーサルも無料で行われていて、ブリュッヘンがどのように曲作りをするのかに興味があったので、リハにも3回ほど通いました。ですから2月は7回もすみだに通ったことになります。

ブリュッヘンは古楽器アンサンブルのスペシャリストで、18世紀オーケストラ(Orchestra of the 18th Century) と録音したハイドンの交響曲のCDがたくさん出ているので7~8枚聴いてみたのですが、このオーケストラの演奏に比べて、今回の新日本フィルとの演奏は、演奏者の意思を尊重した、より柔軟なものになっているように思いました。

これを良い機会として、今後も「ブリュッヘン+新日本フィルハーモニー交響楽団」のコンビネーションで別のプロジェクトを企画して欲しいです。CDはハイドン・イヤーの良き思い出として大切にしたいと思います。

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by ciurlionis | 2009-05-14 23:59 | 音楽

ロンドンで活躍中のソプラノ歌手の友人が一時帰国しているので、仕事の帰りに渋谷で食事をしました。彼女とはロンドン留学時代の2年半くらいを一緒に過ごし、また昨年ロンドンを訪問したときも大変お世話になりました。今日は久しぶりにロンドンの話で盛り上がりました。ふたりの共通の恩師であるチェリストのアレクサンドル・イヴァシキン氏の話などをしました。サーシャは相変わらずお元気のご様子で、5月2日にはウィグモア・ホールで行われる若手チェリストのためのチェロ・コンクールの審査員をされるとか。サーシャは故・ロストロポーヴィチ氏のお弟子さんであり、また故・シュニトケ氏の大親友でもあった方で、彼が執筆した本は秋元里予さんの訳で日本語にもなっています。『栄光のチェリスト ロストロポーヴィチ』『シュニトケとの対話』の2冊。いずれもとても勉強になる良書です。そんな話をしていたら5月にロンドンに行きたくなってきてしまいました。リージェン・パークの薔薇には少し早いかしら?

また、今日2009年4月14日は作曲家のヘンデルが亡くなってからちょうど250年にあたるとのこと。そういえば、ロンドン留学時代に彼女と一緒にヘンデル・ハウス・ミュージアムに行ったことを思い出しました。ヘンデルが最期を過ごした邸宅が博物館になっていて、その時はチェンバロの生演奏なども行われていました。

時を忘れておしゃべりをしていたらあっという間に3時間半が経過していました。また近いうちにヨーロッパのどこかでの再会を約束し、別れました。

行き帰りの電車のなかでフランス・ブリュッヘン指揮、18世紀オーケストラによるハイドン交響曲100番《軍隊》&104番《ロンドン》を聴きました。先日すみだトリフォニー・ホールで行われた新日本フィルによるロンドン・セット演奏会のときの演奏よりも、アーティキュレーションが明確で、ちょっと窮屈な演奏に聴こえましたが、18世紀オケと日本のオケとではどこが違うかと言われれば、ヨーロッパのオケは管楽器のソリストたちが名手揃いであるということでしょうか?日本のオケは弦楽器パートは優秀なオケが多いですが、聴衆を魅了するようなソロを吹ける管楽器奏者が少ないように思います。今日このCDを聴いていて特に管楽器奏者の力量について考えさせられました。1990年の録音なのですが、先日の新日本フィルによる演奏とは明らかに奏法が異なっていました。この19年の間にブリュッヘンのハイドン交響曲に対する考え方にも変化があったようです。もしご興味がおありの方はぜひ聴いてみてくださいね。今年はハイドンの没後200年の年でもありますので、ハイドンも積極的に聴いてみたいと思っています。

Haydn: Symphonies Nos. 100 & 104

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by ciurlionis | 2009-04-14 23:59 | 音楽

昨日のリハーサルに続き、本日2月28日もすみだトリフォニー・ホールにて、フランス・ブリュッヘン+新日本フィルの HAYDN PROJECT 「ロンドン・セット」第四日目(最終日)を聴いてきました。

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最終回のプログラムは下記の通り、ハイドンのロンドン・セットから最後の3曲でした。

ハイドン作曲交響曲第102番変ロ長調Hob.I-102
ハイドン作曲交響曲第103番変ホ長調「太鼓連打」Hob.I-103
ハイドン作曲交響曲第104番ニ長調「ロンドン」Hob.I-104


リハーサルのときから、最終回はすばらしいものになる予感はしていたのですが、本当に心温まる最高のハイドンを聴かせてくださいました。

交響曲第102番変ロ長調では弦楽器の複雑で繊細なフレーズが多いのですが、機械的にならずにクリアーで、奏者全員のフレージングの方向性もしっかりと合っていて、しかもどこか心温まるアンサンブルにとても感動しました。

交響曲第103番変ホ長調「太鼓連打」の目玉はもちろん冒頭のティンパニで、ティンパニの完璧なトレモロに続いて、さまざまな地方の民族音楽の旋律に由来されるという主題が交互にあらわれ、低弦パートにしっかりと支えられた主旋律の美しいこと!思わず息をのんでしまいました。また、クラリネットがちょっとだけ活躍していたのも嬉しかったです。ハイドンはクラリネットを忘れてはいなかった!

交響曲第104番ニ長調「ロンドン」は、これも学生時代に演奏したことのある曲だったので、その時のことを頭のなかで回想しつつ、ブリュッヘンのテンポ設定は「少しゆったりめ」でしっかりと聴かせている演奏だなと思ったりしていました。冒頭部分のトゥッティも上品にまとまっていたし、またこの曲では、要所要所に弦楽器と管楽器が絡み合うフレーズが出てくるのですが、弦と管の息のあったアンサンブルが印象的で、このひと月のうちにずいぶんと趣が変わり、指揮者と演奏者が完璧に一体となり、ひとつの塊(かたまり)となって聴こえてきてすばらしかったです。

アンコールに、「ロンドン」交響曲の終楽章が演奏されたのですが、本当に本当にすばらしい演奏で、名残惜しく、「まだ聴いていたい!」と心の中でずっと思っていました。

ブリュッヘンは、指揮者用のちょっと高めの椅子に腰かけて、指揮棒を持たずに指揮をされているのですが、その大きな手、長い指から表現される細かいニュアンスまでもが演奏者さんたちにはきちんと伝わっているようで、「ブリュッヘン+新日本フィル」がこのひと月をかけて取り組んできた集大成ともいえる、指揮者と演奏者のばっちりと息のあったハイドン・イヤー、没後200年を飾る最高の演奏会でした。今回のバイドン・プロジェクトのおかげで、ふだん意識して聴くことのあまりないハイドンの後期の交響曲を集中して聴くことができ、とても有意義なひと月でした。

今回リハーサル3回と演奏会4回に足を運びましたが、ハイドン音楽に造詣の深い古楽アンサンブルのスペシャリスト、ブリュッヘンを海外から招いて、「ひと月間をかけてじっくりと取り組む」というこのプロジェクトのやり方が指揮者にもオーケストラにも最良の結果をもたらしたのではないか?と思いました。観客として聴いていた私にもオケの成長ぶりには目を見張るほどでしたので、今後もこのような「時間をかけてじっくりと取り組むプロジェクト」を期待したいです。

やはり、2,3回の公演のために足早に来日して、一週間も滞在しないで帰国してしまうような指揮者の招聘の仕方では、日本の国内オケがどんなに優れていても指揮者と演奏者が一体となって何かを成し遂げるのには限界があるのではないかと思った次第です。

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昨日のリハーサルに続き、本日2月20日もすみだトリフォニー・ホールにて、フランス・ブリュッヘン+新日本フィルの HAYDN PROJECT 「ロンドン・セット」第三日目を聴いてきました。

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今回のプログラムは下記の3曲で、今回から木管楽器セクションにクラリネットが加わりました!

ハイドン作曲交響曲第99番変ホ長調Hob.I-99
ハイドン作曲交響曲第100番ト長調「軍隊」Hob.I-100
ハイドン作曲交響曲第101番ニ長調「時計」Hob.I-101


回を重ねてきて指揮者もオケもお互いが良くわかってきたのか、ますます指揮者とオケの距離が縮まっているのを感じました。多少ピッチのブレなどがありましたが、今回の演奏会では木管楽器の存在感が増して、弦と管が一体化していて、ブリュッヘンの手腕のすばらしさを実感することができました。まるでどこかのピリオド楽器のオーケストラの演奏ではないか?と錯覚してしまうほど、ハイドンの後期の交響曲の多様さを上手く引き出せていたと思います。

特に交響曲第100番ト長調「軍隊」Hob.I-100は、自分もロンドン大学のオケでクラリネットの首席奏者をしていたときに演奏した思い出の曲で、最初から最後まで熟知しているので、ハイドン・イヤーに最高の演奏を聴けて感慨無量でした。第四楽章フィナーレではトルコの軍楽隊を思わせる打楽器隊が舞台を行進する場面もあって、ブリュッヘンの演出にも感動しました!

ブリュッヘンは古楽器アンサンブルのスペシャリストで「18世紀オーケストラ」という古楽器専門のオーケストラを結成したことでも良く知られています。ブリュッヘンがこの「18世紀オーケストラ」と録音したハイドン交響曲ロンドン・セット12曲のCDHaydn: 12 London Symphoniesが出ていますので、下記にご紹介しておきます。

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それでは、2月28日(土)の最終日も楽しみに。


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本日2月15日(日)も、すみだトリフォニー・ホールにて、フランス・ブリュッヘン+新日本フィルの
HAYDN PROJECT 「ロンドン・セット」第二日目を聴いてきました。

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今回のプログラムは下記の3曲でした。

交響曲第94番ト長調「驚愕」Hob.I-94
交響曲第98番変ロ長調Hob.I-98
交響曲第97番ハ長調Hob.I-97


前回にも増して指揮者と演奏者の呼吸が合っていて、前回はぎこちない部分がいくつかあったものの、今回は指揮者の意図と演奏者の自発性が上手く噛み合っている感じがしました。

「驚愕」シンフォニーのAndante楽章のティンパニのffの一撃も上手く決まっていたし、交響曲第98番の冒頭の弦楽器のアンサンブルがすばらしく、最終楽章では渡邊順生さん演奏のフォルテピアノが優しく奏され、ハイドンの交響曲が時折みせる優しいフレーズにまたほのぼのとしてしまったのでした。交響曲第97番ハ長調の第一楽章のゲネラル・パウゼもバッチリ決まり、さすがブリュッヘン!と大拍手を送りました。

本日のブリュッヘン氏は心なしか足取りも軽くなっていたような気がしたのですが…

次回2月20日(金)の公演がますます楽しみになりました。

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2月11日(水・祝)、すみだトリフォニーホールにて、フランス・ブリュッヘン指揮、新日本フィルのハイドン交響曲を聴いてきました。

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今年はハイドンの没後200年にあたり、さまざまなイヴェントが予定されていますが、そのなかでもこの「ブリュッヘン+新日本フィル」のプロジェクトは最大規模のものと言って良いでしょう。2月11日、15日、20日、28日の4日間で、ハイドンの交響曲のなかでも晩年にロンドンで書かれた代表作12曲が演奏される予定となっています。

先日聴いてきたのは、HAYDN PROJECTのなかでも「ロンドン・セット」の第一日目で、下記の3曲が演奏されました。

交響曲第96番ニ長調「奇蹟」Hob.I-96
交響曲第95番ハ短調Hob.I-95
交響曲第93番ニ長調Hob.I-93


もちろん、本物のハイドンを聴くにはそれ相応の古楽アンサンブルで聴くのが一番で、実際ロンドン留学中に聴いたOAE (The Orchestra of the Age of Enlightenment) によるハイドンは「現在聴けるハイドンのなかでは最高のハイドンではないか?」と思ったほどでした。古楽器を使用しているにもかかわらず、縦の線も横の線もとても美しく、耳に優しい演奏だったのが印象的でした。

今回のブリュッヘン+新日本フィルのハイドンはもちろんそのOAEとはまた一味違うハイドンでしたが、古楽アンサンブルを得意とするブリュッヘンと新日本フィルが時間をかけて取り組んできたということがわかる演奏でした。一音一音が大切に演奏されていましたし、なによりも演奏している楽団員さんたちの表情がとても良く、ブリュッヘンと楽団員の深いつながりが感じられました。

最も良かったと思ったのは唯一の短調作品といわれる「交響曲第95番ハ短調Hob.I-95」でした。他の二曲に比べて、アインザッツも上手く行っていて、演奏者もリラックスした雰囲気でゆったりと演奏されていて、こちらもほのぼのとした気持ちになりました。

実は、このブリュッヘンはリコーダー奏者としても世界的に有名で、数々のCDを出しています。下記のCD涙のパヴァーヌ ~リコーダー名曲集のなかでは特にソナタ ト短調op.5-12「ラ・フォリア」(コレッリ) がダイナミックな情感あふれる演奏で、リコーダーの表現力の豊かさを実感することができ、おすすめです。

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先ほど、Amazonを覗いていたら、元旦に行われたバレンボイム指揮ウィーン・フィルのニューイヤーコンサート2009のCDDVDがもう予約受付中になっていました。

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今年は、ハイドンの没後200年の年にあたり、バレンボイム氏はハイドン作曲の「《告別》交響曲」から第4楽章をプログラムに入れていました。

この曲は、「演奏中に楽団員が徐々に退場する」という演出付きで、バレンボイム氏と楽団員のコラボにより、ユーモアたっぷりの舞台となりました。

観そびれ、聴きそびれてしまったという方はニューイヤー・コンサート 2009 [DVD]New Year's Concert 2009[CD] でお楽しみいただければと思います。


今年は、
ヒルデガルト・フォン・ビンゲン没後830年
パーセルの生誕350年
ヘンデルの没後250年

ハイドンの没後200年
メンデルスゾーンの生誕200年

だそうです。

演奏会が楽しみですね。

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by Ciurlionis | 2009-01-12 23:59 | 音楽