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チュルリョーニスに少しでも興味を持たれた方におすすめのチュルリョーニスのDVDとVHSがありますのでご紹介します。

まず、DVDのすばらしいところは、1985年当時、まだ音楽学者であったヴィータウタス・ランズベルギス氏の映像が観られることと、プリセツカヤのダンスが観られることでしょうか。チュルリョーニスに扮する俳優さんも登場します。


           M. K. Ciurlionis Trilogy DVD
                『チュルリョーニス トリロジー DVD』

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これら三つのフィルムは、リトアニアテレビによって制作されたもので、画家で作曲家のミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス(1875-1911)の作品を紹介しています。彼は、音楽における目覚ましい想像力を持った芸術家であるばかりでなく、絵画においては、ヨーロッパ象徴主義の先駆者でもあります。



一本目のフィルム(1975)は、チュルリョーニスの絵画と音楽をインタビューと彼の手紙からの引用とともに結びつけています。ワルシャワやライプツィヒ音楽院で学んだことや、ヴィジュアル・アーティストとしての成長過程や、サンクト・ペテルブルグの前衛芸術サークルに参加したことなどが含まれています。この芸術家を記念してデザインされた彫刻は、完成し、公開されました。


二本目のフィルム(1975)は、カウナスにあるチュルリョーニス美術館で撮影されたものですが、率直にその芸術家の音楽と絵画が提示されています。


三本目(1985)は、ヴィータウタス・ランズベルギス(音楽学者であり、リトアニアの独立運動のリーダーであり、ソ連から独立後初のリトアニアの国家元首です。)によって紹介されていて、オリジナル作品を創作するためにマヤ・プリセツカヤによって振りつけられた創作ダンスとともにチュルリョーニスの作品が紹介されています。


1DVDに3作品を収録。リトアニア作品1975/85、カラー、140分
リトアニア語による解説と対話。英語字幕。


NTSC形式 リージョン0 全世界共通


また、もうひとつチュルリョーニスのVHSもあり、こちらは1964年というとても古い映像ですが、こちらもご紹介しておきます。

           
Ciurlionis: Mintys, Paveikslai, Muzika (Ciurlionis: Thoughts, Pictures, Music)
『チュルリョーニス: 思想、絵画、音楽』 VHS
 


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このちょっとしたドキュメンタリーは、有名な作曲家・画家のM. K. チュルリョーニスの絵画に焦点をあてています。彼の音楽を使い、彼の個人的な日記を有名なリトアニア人俳優ユオザス・ミルティニスが読み上げます。言葉と音楽作品のハーモニーはチュルリョーニスの幻想的な絵画の鑑賞をより盛り上げてくれます。
(リトアニア作品、1964、カラー、30分、リトアニア語による解説、字幕なし)




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チュルリョーニスの時代』(佐藤泰一・村田郁夫訳、ヤングトゥリープレス 2008)
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by ciurlionis | 2009-01-23 23:59 | 映画


 チュルリョーニスが生きた時代のリトアニアは帝政ロシアの支配下にあり、ラテン文字によるリトアニア語表記が禁止されキリル文字の使用が強制されていました。また、16世紀以来カトリック化とともに文化面ではポーランド化が進んでいたため、リトアニアの家庭では一般的にポーランド語が話されていました。しかし、そんな環境のなか、リトアニア人の間ではロシアでもなくポーランドでもない「リトアニア」というものが意識されるようになり、チュルリョーニスもリトアニア民謡の旋律に興味を持ち、60曲近いリトアニア民謡による合唱曲を作曲(編曲)しました。

 チュルリョーニスはワルシャワ音楽院で学んでいた20歳頃よりリトアニアの民謡に興味を持っていましたが、実際に彼が民謡の編曲に着手したのは、1905年にワルシャワのリトアニア相互扶助協会の合唱指揮者になった30歳頃からでした。

 農業の盛んなリトアニアという国だけあって民謡の多くは、農作物の刈り入れの歌や、自然にまつわる歌、農家の娘の嫁入りの歌などです。

チュルリョーニスはたとえ民謡の編曲であっても妥協せず、対位法や転調、半音階など、現代的な手法や個性的な和音付けによって見事に民謡の旋律を際立たせたのでした。

リトアニア民謡として良く知られているものは次の4曲です。
„Bėkit bareliai" 「走れ、刈り入れの列よ」 [Stretch away, fields] VL 32
„Oi giria giria" 「おお、森よ、森よ」 [Oh forest, forest] VL 52

„Subatos vakarėlį" 「土曜日の夕暮れに」 [Saturday night] VL 63

„Siuntė mane močiutė" 「お母さんは私を送り出した」 [My mother sent me away] VL 62

下記にこれらのリトアニア民謡合唱曲の収録されているCDをご紹介します。


CD-KING: KICC 98 (JP, 1993) "Čiurlionis: Lithuanian Folk Songs for Chorus" "Oi, giria giria" [Oh, Forest, Forest] [VL 52], "Prapuoliau, motule" [I Am Lost, Mother] [VL 58a], "Anoj pusėj Nemuno" [On the Other Bank of Nemunas] [VL 27], "Siuntė mane močiutė" [Mother Sent Me] [VL 62], "Šėriau žirgelį" [I Was Feeding the Horse] [VL 68], "Beauštanti aušrelė" [Dawn is Breaking] [VL 31], "Išėjo seselė" [Sister Left] [VL 37] (Lionginas Abarius / Lithuanian State Television and Radio Chorus), "Kai mes augom" [When We Were Growing] [VL 39a], "Vai močiute" [Oh, Mother] [VL 73], "Pasekėjužėliai marčios brolužėliai" [You Followers, Bride's Brothers] [VL 56], "Sutems tamsi naktužėlė" [Dark Night Will Fall] [VL 66], "Du broleliai stovėjo" [Two Brothers Stood] [VL 35], "Kas bernelio pamislyta" [What the Lad Thought] [VL 41], "Bėkit bareliai" [Stretch Away, Fields] (Fughetta on Lithuanian Folk Song Theme) [VL 32], "O čia berželis stovėjo" [Here Stood the Birch] [VL 50], "Kelk, dukrele" [Get up, Daughter] [VL 42] (Petras Bingelis / Kaunas State Chorus)
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CD-SEMPLICE: VSSECD 006 (LT, 2000) „Mikalojus Konstantinas Čiurlionis (1875-1911). Liaudies dainos chorams [Folk song for choirs]" "Oi giria giria" [Oh, Forest, Forest] [VL 52], "Šėriau žirgelį" [I Was Feeding the Horse] [VL 68a], "Prapuoliau, motule" [I Am Lost, Mother] [VL 58a], "O čia berželis stovėjo" [Here Stood the Birch] [VL 50], "Kelk, dukrele" [Get up, Daughter] [VL 42], "Našlaitis" [Orphan] [VL 47a], "Beauštanti aušrelė" [Dawn is Breaking] [VL 31], "Aš prašiau Dievą" [I Pled God] [VL29], "Ant kalno gluosnys" [Willow on the Hill] [VL 289], "Pasekėjužėliai marčios brolužėliai" [You Followers, Bride's Brothers] [VL 56], "Išėjo seselė" [Sister Left] [VL 37a], "Sutems tamsi naktužėlė" [Dark Night Will Fall] [VL 66], "Anksti rytą kėliau" [I Got Up Early] [VL 26], "On onem kiemely" [In a Courtyard] [VL 75], "Oi dariau, dariau lyseles" [I Dug Garden-beds] [VL 51-51a], "Našlaitėlė" [Orphan Girl] [VL 46], "Kai mes augom" [When We Were Growing] [VL 39a], "Bėkit bareliai" [Stretch Away, Fields] (Fughetta on Lithuanian Folk Song Theme) [VL 32], "Anoj pusėj Nemuno" [On the Other Bank of Nemunas] [VL 27], "Kareivužėlis" [Dear Soldier] [VL 40], "Siuntė mane močiutė" [Mother Sent Me] [VL 62], "Taip toli žadėta" [So Much Promised] [VL 71], "Du broleliai stovėjo" [Two Brothers Stood] [VL 35], "Vai močiute" [Oh, Mother] [VL 73], "Dainų dainelė" [Song of Songs] [VL 33] (Vaclovas Augustinas / Choir "Jauna muzika")
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CD-LRT & JAM RECORDS: JMCD 061 (LT, 2001) "Kelk dukrele" [Get up, daughter] [VL 42] (Audronė Steponavičiūtė-Zupkauskienė / "Liepos" Female choir)
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CD-VICTOR: VICS 61109 (JP, 2003)バルト三国の合唱音楽選集 Vol.5 リトアニア合唱曲集<"Bėkit, bareliai" [Stretch Away, Fields] [VL 32] (Vaclovas Augustinas / Choir "Janua Muzika")こちらはアマゾンでも購入可能です。 
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CD-LLKC & BOD: (No Number) (LT, 2005) "Nemune upeli" [O Nemunas, the River] [VL 48] (Audronė Steponavičiūtė-Zupkauskienė / "Liepos" Female choir)
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CD-SEMPLICE: VSSECD 003-6 (LT, 2000) "Mikalojus Konstantinas Čiurlionis (1875-1911)"CD 4: Liaudies dainos chorams: "Oi giria giria" [Oh, Forest, Forest] [VL 52], "Šėriau žirgelį" [I Was Feeding the Horse] [VL 68a], "Prapuoliau, motule" [I Am Lost, Mother] [VL 58a], "O čia berželis stovėjo" [Here Stood the Birch] [VL 50], "Kelk, dukrele" [Get up, Daughter] [VL 42], "Našlaitis" [Orphan] [VL 47a], "Beauštanti aušrelė" [Dawn is Breaking] [VL 31], "Aš prašiau Dievą" [I Pled God] [VL29], "Ant kalno gluosnys" [Willow on the Hill] [VL 289], "Pasekėjužėliai marčios brolužėliai" [You Followers, Bride's Brothers] [VL 56], "Išėjo seselė" [Sister Left] [VL 37a], "Sutems tamsi naktužėlė" [Dark Night Will Fall] [VL 66], "Anksti rytą kėliau" [I Got Up Early] [VL 26], "on onem kiemely" [In a Courtyard] [VL 75], "Oi dariau, dariau lyseles" [I Dug Garden-beds] [VL 51-51a], "Našlaitėlė" [Orphan Girl] [VL 46], "Kai mes augom" [When We Were Growing] [VL 39a], "Bėkit bareliai" [Stretch Away, Fields] (Fughetta on Lithuanian Folk Song Theme) [VL 32], "Anoj pusėj Nemuno" [On the Other Bank of Nemunas] [VL 27], "Kareivužėlis" [Dear Soldier] [VL 40], "Siuntė mane močiutė" [Mother Sent Me] [VL 62], "Taip toli žadėta" [So Much Promised] [VL 71], "Du broleliai stovėjo" [Two Brothers Stood] [VL 35], "Vai močiute" [Oh, Mother] [VL 73], "Dainų dainelė" [Song of Songs] [VL 33] (Vaclovas Augustinas / Choir "Jauna muzika")
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by ciurlionis | 2009-01-17 22:59 | 音楽

今日は、リトアニア人作曲家で親日家であるヴィータウタス・バルカウスカス氏のCD "JEUX"をご紹介します。バルカウスカス氏は2005年に来日し、講演会と演奏会が実施されました。

バルカウスカス氏は1931年、リトアニアのカウナスに生まれました。カウナスには、第二次大戦前に多くのユダヤ人に国外脱出のためのヴィザを発行し、命を救ったことで知られる「日本人のシンドラー」と呼ばれた杉原千畝氏が勤務していた旧領事館があります。バルカウスカス氏はこの街で育ち、杉原夫妻の人道的行為に大変感銘し、このCDに収録されている『二重協奏曲』を作曲しました。この曲は、2004年6月のヴィリニュス音楽祭で世界初演されました。5楽章からなるこの作品の第2楽章には日本の「さくらさくら」のメロディーが採用されていて、第5楽章では和太鼓をイメージしたフレーズが登場します。

また、このCDにはヴィオラ・ソロのための『二つのモノローグ』という作品も収録されていて、この曲の2004年に作曲された改訂版は日本を代表するヴィオラ奏者の今井信子さんに捧げられています。

このほかには、ヴァイオリンとオーケストラのための"JEUX"『遊戯』とヴァイオリン・ソロのための『パルティータ』も収録されていて、前者はこのCDでヴァイオリンを演奏している、フランス人奏者のフィリップ・グラファンに捧げられています。

バルカウスカス氏の作品は、前衛的なものが有名ですが、このCDに収録されている曲は、いずれも抒情的な作品で、ぜひおすすめしたい一枚です。

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Vytautas Barkauskas: Jeux; Partita; Two Monologues; Duo Concertante

JEUX for violin and orchestra, Op. 117 (2003)
dedicated to Philippe Graffin (track: 1-7)

PARTITA for violin solo, Op. 12 (1967) (track:8-12)

TWO MONOLOGUES for viola solo, Op. 71 (1983/2004)
dedicated to Nobuko Imai (track:13-14)

DUO CONCERTANTE for violin, viola and orchestra, Op. 122 (2004) (track:15-19)



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チュルリョーニスの時代』(佐藤泰一/村田郁夫訳、ヤングトゥリープレス 2008)
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by ciurlionis | 2009-01-09 23:59 |

みなさま、

あけましておめでとうございます
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます


バルト三国を二度ほど訪れて以来、バルト三国出身の作曲家や画家に興味を持つようになりました。
昨年は、フィンランドとリトアニアを訪れ、フィンランドではトゥルクやハメーンリンナなどシベリウスにゆかりのある地を回り、リトアニアではカウナスにある杉原千畝記念館やチュルリョーニス美術館を回ったりしました。

その影響もあって、昨年はリトアニア語講座にも通い始め、今年の年賀状はリトアニア一色でまとめてみました。中心にある牛の絵画はチュルリョーニスの"Taurus"です。

こんな感じです。→
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「一年の計は元旦にあり」というので、今年の目標を定めてみました。

今年は日ごろから買い集めていたクラシック音楽のCDをできるだけ聴き進めることに専念したいと思っています。少しずつこのブログでも紹介できたらと思っています。

また、今年はリトアニアのヴィリニュスが「欧州文化首都」"European Capital of Culture"というものに指定されていて多くの文化イヴェントが催されるようですので、再度リトアニアを訪れてみたいと思っています。

今日は、毎年恒例のウィーン・フィルのニューイヤー・コンサート2009を観ていました。
今年の指揮者はイスラエル出身のダニエル・バレンボイム氏でした。
観客全員が楽しめるようにユーモアのある選曲がされていて、
とても印象的なニューイヤー・コンサートとなりました。

これを良い機会としてバレンボイム氏について少し書きたいと思います。

バレンボイム氏は個人的にも尊敬している指揮者のひとりです。彼は、1999年、対立状態にあるイスラエルとアラブ諸国(ヨルダン、シリア、レバノン)の若い音楽家たちを集め、その地域の和平を願ってウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団(West-Eastern Divan Orchestra)をエドワード・サイード氏と共に設立しました。2005年にはパレスチナ自治区のラマラでの演奏会を実現させました。この演奏会の模様はこちらのDVDRamallah Concert [DVD] [Import]やこちらのCDライヴ・イン・ラマラでも鑑賞することが可能です。エドワード・サイード氏は2003年9月に急逝されましたが、その後もバレンボイム氏が活動を続けています。私がこのオーケストラについて知ったのは2003年の夏、ロンドンにおいてでした。それはまさにサイード氏が亡くなるひと月ほど前でした。ロイヤル・アルバート・ホールで行われているBBC Proms音楽祭にこのオーケストラが出演すると聞いて、立ち見席でも良いからと並びましたが、定員オーバーでホールの外から聴くことになってしまいました。もし入場できていたら亡くなる前のサイード氏を一目みられていたのですが、とても残念でした。しかし、それをきっかけとし、パレスチナやアラブ諸国について興味を持ち、彼らについての文献などを読み理解を深めました。その文献が『バレンボイム/サイード 音楽と社会』みすず書房(2004)、英文ではParallels and Paradoxes: Explorations in Music and Societyというものでした。これは、バレンボイム氏とサイード氏の対談集で、ドイツのワイマールでのワークショップの話に始まり、話題はフルトヴェングラーやバイロイト、ワーグナーなどにも及びます。バレンボイムはユダヤ系ですので、彼に対する様々な評価を耳にしますが、この本を読むと彼がこのオーケストラを通じて成し遂げようとしていることが理解できると思います。その他にもたくさん文献が出ていますので、読み進めてみると新たな発見に出会えます。おすすめです。

しかし、ウエスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団がパレスチナの和平を祈り、活動を続けている最中、またイスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザへの攻撃が始まりました。罪のない多くの市民までが巻き添えになっているもようです。一日も早い停戦と武力の廃絶を訴えたいところです。戦いのない平和な一年になりますように。
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by ciurlionis | 2009-01-01 23:59 | 音楽