チェーホフ原作の映画「機械じかけのピアノのための未完成の戯曲」を鑑賞。監督はニキータ・ミハルコフ。

当時は傑作と言われたそうだが、原作のチェーホフがそうだから仕方ないとはいえ、他のチェーホフの小説同様ロシア貴族の恋愛劇が長々と続くだけで特別な印象は残らなかった。

自動ピアノのシーンは斬新なのかもしれないが、唐突に思えたのも事実。

ご興味のおありの方はぜひご覧ください。

機械じかけのピアノのための未完成の戯曲 [DVD]

c0193950_2223517.jpg



c0193950_11172377.jpg



c0193950_1961426.gif

[PR]
by ciurlionis | 2010-10-31 23:59 | 映画

最近は、リトアニアの民族音楽やチュルリョーニスのCDばかり聴いていて、私の最愛の作曲家プロコフィエフをしばらく聴いていなかったので、今月はプロコフィエフについて集中的に読んで聴くことにしました。

ロンドン大学大学院時代にお世話になったデイヴィッド・ニース(David Nice)先生とサイモン・モリソン(Simon Morrison)先生の伝記2冊と、アンソニー・フィリップス(Anthony Phillips)氏英訳のプロコフィエフの日記2冊の計4冊を参照しながらプロコフィエフの全作品を聴いていきます。

プロコフィエフは自分で自伝"Prokofiev by Prokofiev"を執筆していて、それはそれでとても興味深く、学生時代に読破しているのですが、昨今ではプロコフィエフ研究がさらに進んでいるので、比較的手に入りやすかった4冊をさらに読み進めます。

そこで、今日はその文献4冊と、私の愛聴しているCDを1枚ご紹介します。

まずはデイヴィッド・ニース(David Nice)先生とサイモン・モリソン(Simon Morrison)先生の伝記2冊から。この2冊を読めばプロコフィエフがロシアから西側に渡った1891-1935とソヴィエトに戻ってからの1935-1953までの彼の動向を詳しく知ることができます。

Prokofiev: A Biography: From Russia to the West, 1891-1935 (ハードカバー)
c0193950_11112577.jpg


The People's Artist: Prokofiev's Soviet Years (ハードカバー)
c0193950_11143446.jpg


そしてアンソニー・フィリップス(Anthony Phillips)氏英訳のプロコフィエフの日記2冊。残念ながらプロコフィエフの日本滞在に関する記述には誤りがあります。アンソニーは私がロンドン大学在学中に、ゴールドスミス・カレッジにあるプロコフィエフ・アーカイヴにこもってずっとこの日記を翻訳されていました。10ヶ国語くらいを操るジェントルマンでした。

Sergey Prokofiev: Diaries, 1907-1914: Prodigious Youth Volume 1 (ハードカバー)
c0193950_11182266.jpg


Sergey Prokofiev Diaries 1915-1922: Behind the Mask Volume 2 (ハードカバー)
c0193950_11203732.jpg


そして最後に私の愛聴している2枚組CD。アンドレ・プレヴィン指揮、ロンドン交響楽団(
London Symphony Orchestra, LSO)演奏のプロコフィエフ作曲のバレエ音楽《ロメオとジュリエット》 Op. 64 (1936) 全曲です。プレヴィン先生とLSOのコラボがすばらしく、プロコフィエフ作品を演奏するうえで不可欠な柔軟性のある完璧な演奏になっています。このCDを聴くだけでバレエの情景が目に浮かびます。ご興味のある方は聴いてみてください。

Prokofiev: Romeo and Juliet [Import] [from US]
c0193950_11365818.jpg

昨年末、ゲルギエフ率いるLSOが来日し連続演奏会を行った際には4回ほどサントリーホールに足を運び、LSOのダイナミック・サウンドを堪能しました。

そういえば、この曲は一時期ソフトバンク携帯のコマーシャルでも使われていましたよね?

c0193950_10261484.gif

[PR]
by ciurlionis | 2009-10-01 23:59 | 音楽

渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開催中の「忘れえぬロシア」展と夜19:30から行われた東京外国語大学学長の亀山郁夫氏による講演会に行ってきました。

昨年、同ミュージアムでロシア・アヴァンギャルド展を観ていたので、これらふたつのまったく趣の異なった展覧会が同じロシアというひとつの国からやってきたものであるということが信じられませんでした。ロシアにおける美術は19世紀後半から20世紀初頭にかけて激変したのだと、ふと考えさせられたのでした。

今回の展覧会は、国立トレチャコフ美術館所蔵の絵画より19世紀後半の写実絵画約70点が出品されていました。

印象に残った絵画は、ワシーリー・ポレーノフ《モスクワの中庭》、ワシーリー・ヴェレシャーギン《キルギスのきらびやかな鷹匠》、イリヤ・レーピン《コンスタンチン・コンスタンチーノヴィチ大公の肖像》。

c0193950_2171560.jpg


黄金の玉ねぎ型の教会の尖塔や、キルギスの民族衣装らしき服を着た鷹匠、チャイコフスキーと親交のあったコンスタンチン・コンスタンチーノヴィチ大公の肖像画からはロシアらしさを感じることができて有意義でした。また、数ある絵画のなかでもロシア絵画の巨匠、イリヤ・レーピンによる絵画はいずれも群を抜いて優れていて目を見張りました。

夜19:30から行われた亀山郁夫氏による講演会は、わたしの「忘れえぬロシア」というもので、参加者は30名ほど。亀山先生もロシア絵画の専門家ではなく、ひとりのファンとしてお話しをされました。

亀山先生にとってのロシアの精神性と自然について、ベルジャーエフやヴェイドレによる定義が紹介され、また『カラマーゾフの兄弟』からも一節が取り上げられ、「神が宿る自然」について説明されました。また、ロシアの風景について、クインジーの《ヴァラーム島にて》という絵画がまさに先生が経験された風景であるとのこと。講演会が行われた部屋にその絵画が展示してあったので、実際に作品をみながらお話しを聴くことができました。

私も注目していた三人のロシアの文豪の肖像画についても触れられていました。レーピン《文豪ツルゲーネフの肖像》(1874)、ゲー《文豪トルストイの肖像》(1884)、ブラース《文豪チェーホフの肖像》(1898)は、おおよそ10年の間隔を経て3人の画家によって描かれた彼らはいずれも民衆出身で当時のヒーローでありました。

また、最近はドストエフスキーの『罪と罰』を翻訳されている亀山先生らしく、ドストエフスキーとクラムスコイの関係についても触れられていました。クラムスコイはドストエフスキーのデスマスク(1881)を描いた画家でもありますが、彼の描いた《瞑想する人》(1876)をドストエフスキーが『カラマーゾフの兄弟』に登場するスメルジャコフに重ね合わせているとのこと。これはとても興味深いお話しでした。《瞑想する人》は今回の展覧会には出品されていませんが、次回モスクワ訪問の際にはぜひ観てみたいと思います。

c0193950_2152475.jpg


さらに亀山先生はひとつ大きな発見をされたとのこと。それは、この展覧会のチラシのメイン作品にもなっているクラムスコイの《忘れえぬ女》(見知らぬ女)のモデルは「涙目ではないか?」ということでした。良く見てみるとそう見えなくもないと思いました。先生がおっしゃるにはこのモデルはクラムスコイの知人で憧れの女性であるマトリョーナ・サヴィシナではないか?とのことでした。

c0193950_21481068.jpg


最後に、亀山先生が翻訳された『罪と罰』の文庫本が5人ほどの希望者に配られ、講演会はほのぼのとした雰囲気のなか終えられました。

************************************************************************
c0193950_1432321.gif

HMVジャパン CD DVD 音楽 書籍 ゲーム
[PR]
by ciurlionis | 2009-04-15 23:59 | 美術

先日、ノルシュテインのアニメーションを観たことをきっかけに、昨年デジタルリマスター版DVDが発売されていたもののずっと観る機会のなかった『チェブラーシカ』 [DVD]を観ました。

c0193950_1610721.jpg


このDVDに収録されているのは下記の4作品。

第一話:『ワニのゲーナ』(1969年製作)
第二話:『チェブラーシカ』(1971年製作)
第三話:『シャパクリャク』(1974年製作)
第四話:『チェブラーシカ学校へ行く』(1983年製作)

<映像特典>
●映画「チェブラーシカ」と作り手たちの仕事
●安藤美姫選手 スペシャルトークショー
●予告編集(劇場予告編/TVスポット)


チェブラーシカとはいったい何者なのか、日本のモンチッチとちょっと似ているのでおさるさんなのか?それともくまさんなのか?などいろいろ思い巡らしていたのですが、結局チェブラーシカは自分でも何者なのかがわからない、動物園にも入園させてもらえない生き物なのでした。チェブラーシカという名前は、「転んでばかりいるもの、倒れるもの」という語源が由来となって、「チェブラーシカ(ばったり倒れ屋さん)」と名づけられたとのことです。

私が観た限りでは、色々な動物たちが登場してほのぼのとしているし、「ピオネール」の活躍ぶりをみて、将来彼らのようになりたいという子どもも出てくるのではないか?とか、シャパクリャクという名の魔女のようなおばあさんが出てくるところも夢を与えるようで微笑ましく、そんななかで工場の排水による環境問題や、学校の修理現場にいる働かない労働者たちなどの社会問題にも触れていて、微笑ましいなかにも問題提起をしている子供向けの人形劇アニメと思ったのですが、沼野充義先生がジブリ美術館のサイトで「チェブラーシカ」ソ連的用語集-無邪気なアニメをよりティープに楽しむ(?)ためにという記事を書かれていて、それを読むと、ワニのゲーナが友だちを募集して集まったチェブラーシカをはじめとするさまざまな「南国の動物たち」や、その彼らと建てた「友だちの家」もすべてロシア、ソ連のイデオロギー的背景と結びついているのだそう。確かにそう言われるとそう観えてきました。私もシャパクリャクという名前を耳にしたとき、ロシア語で女スパイを意味する「シュピオンカ」をイメージしたのですから。その「スパイ」というところがなんともソ連らしいと思うのです。以前ロシア語を学んでいたときにそういえば、Вы шпион?「あなたはスパイですか?」という例文があったなぁと思い出したりしていました。あのときは、なぜいきなりスパイが例文に?と思ったものでしたが。

この「チェブラーシカ」のDVDにはコレクターズBOXというものも発売されていて、DVD以外にチェブラーシカのグッズもいろいろと付いているようです。ご興味のある方は下記からどうぞ。
チェブラーシカ コレクターズBOX (数量限定) [DVD]

c0193950_112370.jpg


************************************************************************
c0193950_1432321.gif

HMVジャパン CD DVD 音楽 書籍 ゲーム
[PR]
by ciurlionis | 2009-03-25 23:59 | 映画

京橋にある東京国立近代美術館フィルムセンター展示室7階で行われている「無声時代ソビエト映画ポスター展」の第2期に行ってきました。

この展覧会では、ロシア・ソビエト文化研究家・翻訳家の袋一平(1897-1971)がコレクションしていた、140点にも及ぶソビエト映画のポスターを3期に分けて展示しています。

第1期 1月8日-2月1日 (終了)
第2期 2月3日-3月1日 (開催中)
第3期 3月3日-3月29日


c0193950_146577.jpg


ソビエト時代の映画についてはあまり詳しくなく、作曲家のプロコフィエフの音楽について研究していた頃、プロコフィエフが音楽を担当していたエイゼンシュテイン監督の映画、「イワン雷帝」や「アレクサンドル・ネフスキー」を鑑賞したくらいでしたが、今回の展覧会で展示されているポスターから映画をイメージできたものがひとつだけありました。「新バビロン」です。この映画はもちろん無声映画なのですが、1929年まだ若きショスタコーヴィチがこの映画のために管弦楽曲New Babylon, Op. 18を作曲しています。なんでも無声映画の映像に合わせてオーケストラによる生演奏が行われたとか。今回の展覧会でこの映画のポスターを観られたことは大きな収穫でした。

ここにCDShostakovich: New Babylon Film Musicを一枚だけご紹介しておきます。

c0193950_123546.jpg



第2期の展示は1929年に制作されたものがほとんどで、どのポスターも斬新な色遣いと構図が印象的で、観る者を飽きさせませんでした。これらが約80年も前の作品なのですから、信じられません。

ステンベルク兄弟の作品を中心に「道化師ジョルジュの祝賀興行」や「アルセナール(武器庫)」、「陽気なカナリヤ」、「新バビロン」、「暗き帝国」などが特に印象に残りました。

この展覧会は一風変わっていて、しかも観る者を圧倒させるポスターが多いので、おすすめです。

P.S. フィルムセンターの大ホールでは、日蘭通商400周年を記念して「オランダ映画祭2009」が開催中です。2月24日-3月15日まで。

************************************************************************
c0193950_12162067.jpg

[PR]
by ciurlionis | 2009-02-24 23:59 | 美術


先日、渋谷のユーロスペースで映画『チェチェンへ~アレクサンドラの旅~』を観てきました。

ご紹介するのが遅れてしまったのですが、1月30日まで上映されています。

c0193950_3314326.jpg


この映画のすばらしいところは、世界的オペラ歌手のガリーナ・ヴィシネフスカヤさんが主人公を演じている点ではないでしょうか?ガリーナさんはご存じのとおりチェリストのロストロポーヴィチ氏の奥さまです。私も学生の頃にこのロストロ先生の弟子であるチェリストのアレクサンドル・イヴァシキン氏にロシア音楽史やオーケストラの授業を教わっていて、イヴァシキン先生がよくロストロ先生のお話しをしてくださいました。「ロストロ先生は朝からウォッカをお飲みになるのだよ」などと学生を笑わせたり感心させたりしていたのを覚えています。また、グルジア人ピアニストとリサイタルを開いたことをきっかけに彼女からグルジアやチェチェンの話を聞いていたこともあり、この映画には特に関心を持っていました。

この映画は、主人公アレクサンドラを演じる80歳のヴィシネフスカヤさんが、チェチェンに駐屯している孫でロシア人将校のデニスを訪問する話で、わずか3日間ほどの話のなかに、ロシア軍兵士たちの日常や、いつ終わるかわからない戦争への不安、また、現地チェチェン人たちの声や、敵も味方も関係なくひとを愛し、もてなすことを忘れない女性たちとの交流などがアレクサンドラとの会話を通して描かれています。

戦争を題材としている映画とはまったく感じられないほど、駐屯地やその周辺の人々の日常が静かにドキュメンタリー的に映し出されていて、ソクーロフ監督らしい人物を中心としてみせる映像に引き込まれました。この映像を通してのみ訴えられる「平和への願い」がとても伝わってきました。

また、ヴィシネフスカヤさんを主役に起用できる方なんてソクーロフ監督しかいないのではないでしょうか?この映画の存在を知ったとき、ロストロポーヴィチ氏の人生を描いた映画『ロストロポーヴィチ 人生の祭典』のことを思い出しましたが、奥さまを主人公とした映画も計画していたとは!こちらもすばらしい映画なのでした。

参考までに、ロストロポーヴィチ氏の伝記やヴィシネフスカヤさんの自伝も日本語に翻訳され出版されていますので、これを機会にご紹介しておきます。私も近いうちに図書館で借りて読みなおしたいと思います。アレクサンドル・イヴァシキン先生の著書で『栄光のチェリスト ロストロポーヴィチ』という本が春秋社より、また、『ガリーナ自伝―ロシア物語』がみすず書房より出ています。

c0193950_336465.jpg




*****************************************************************

チュルリョーニスの時代』(佐藤泰一・村田郁夫訳、ヤングトゥリープレス 2008)
c0193950_22562380.jpg

リトアニアを象徴する作曲家・画家チュルリョーニスの伝記が発売になりました!
ピアノ曲の楽譜、詳細なディスコグラフィー、音楽作品リスト、参考文献目録も収録!
[PR]
by ciurlionis | 2009-01-29 23:59 | 映画

昨日今井信子さんのヴィオラや日本の曲のフレーズが使われている曲をご紹介したので、そのつながりで今日は、スウェーデンのBISレーベルから発売されている今井信子さんのヴィオラによる"The Russian Viola"『ロシアのヴィオラ』と小川典子さんのピアノによる "Japonisme" 『ジャポニスム~世界の作曲家の目に映った日本』についてお話しします。

まず、一枚めの"The Russian Viola"ですが、文字通り、ロシア人作曲家によるヴィオラ曲ばかりを収録したCDです。今井信子さんの演奏するヴィオラが、まるでチェロかと思わせるような層の厚い音色で朗々と謳い上げています。

c0193950_21511268.jpg


おすすめは、ショスタコーヴィチの遺作となったヴィオラ・ソナタです。この作品は、1975年の春から夏にかけて作曲され、彼が亡くなる三日前に完成されました。曲の冒頭にはアルバン・ベルクのヴァイオリン協奏曲冒頭のピチカートが引用され、第二楽章のグロテスクな踊りはマーラーとストラヴィンスキーを想起させます。また、最終楽章の冒頭13小節はヴィオラのソロに捧げられ、メロディーはベートーヴェンの「月光ソナタ」と同じリズムとメロディーへと続きます。また、彼自身の第五交響曲と、チャイコフスキーの第四交響曲などからも構想を得ているのがわかります。

RUBINSTEIN, Anton (1829-1894)
Nocturne, Op. 11 No. 2 (Track 1)
GLINKA, Michail (1804-1857)
Viola Sonata in D minor (Tack 2-3)
GLAZUNOV, Alexandr (1865-1936)
Elegie, Op. 44 (Track 4)
STRAVINSKY, Igor (1882-1971)
Elégie per viola sola (1944) (Track 5)
SHOSTAKOVICH, Dmitri (1906-1971)
Sonata for viola and piano, Op. 147 (Track 6-8)
Nobuko IMAI, viola
Roland PÖNTINEN, piano



二枚目の "Japonisme" 『ジャポニスム~世界の作曲家の目に映った日本』は、こちらも文字通り、日本の曲や日本が題材にされている曲ばかりが収録されているCDです。収録曲のほとんどが「世界初録音」という貴重な盤です。小川典子さんのピアノの透明感のあるシャープな音色がしっかりと明快にジャポニスムを表現しています。

c0193950_21523494.jpg


アンリ・ジル=マルシェックスはピアニストとして生涯のうち4度ほど日本を訪れており、1937年の5月にRetour du ToshiwaraLune d'automne a Idzoumoを東京で初演しています。いずれも日本人にとっては不評だったようです。このCDに収録されている曲ではジル=マルシェックスが日本で聴いたメロディーやリズムが採用されています。また、この曲はアルフレッド・コルトーに捧げられました。

ポーランド生まれのフランスの作曲家タンスマンは、1933年のアジア・ツアーの際に日本にも訪れました。日本滞在中に、宮城道雄の琴を聴き、その美しさに触発されたそうです。ここでは、都節の音階と琴の音の模倣が試みられています。

Theodor SZÁNTÓはウィーン生まれの作曲家で、1898年から1901年までベルリンでブゾーニに師事しました。彼は、バルトークやコダーイがまだ有名になる前から彼らの曲を紹介していました。また、彼は日本の音楽にも大変興味を持っており、彼の作品のなかにさまざまな形で組み込みました。

Walter NIEMANNは、日本の文化を賞賛しており、自宅にはたくさんの日本画が飾られていたそうです。彼はドイツ人作曲家ですが、ここでの収録曲からはどこか北欧色をいっぱい感じました。

サン=サーンスは、数々の異国風の作品を作曲しましたが、ここでは、パリ博覧会から影響を受けたらしい作品が収録されています。このオペラは、彼がジャポニスムを取り入れた最初の作品だそうです。

シリル・スコットは、イギリス人作曲家でありますが、ドイツのフランクフルトでフンパーディンクに学び、フランスの印象派の音楽から強い影響を受けました。彼は「イギリスのドビュッシー」としばしば呼ばれ、オリエンタルな哲学と神秘主義に自分を捧げ、インドや中国の要素を含んだ曲を作曲しました。ここでの収録曲には明確な日本的要素は見られませんが、明らかに中国風の作品とは異なっており、スコットの日本から受けたイメージが曲想から感じられます。

シラスは、オランダ生まれの作曲家ですが、パリでピアノと作曲法を学びました。オランダにいたころより日本との交流があり、どこかで日本の伝統音楽を耳にしていたようです。ここでの一風変わった音楽は彼が日本の音楽から得た印象を反映しています。

ポルディーニはハンガリー生まれの作曲家で、ハンガリー国内ではオペラの作曲家として有名ですが、世界的には、彼のLa poupee valsanteが、クライスラーによってヴァイオリン用に編曲されたことで知られるようになりました。ここでの作品は、ドビュッシーを想わせるような曲のなかに日本と中国の要素が含まれています。また、中間部のアルペッジョは琴の演奏を暗示させています。

パーシー・グレインジャーはオーストラリア生まれの作曲家で、ブゾーニのもとでピアノを学びました。彼は、民謡のメロディーを用いて多くの作品を作曲しましたが、ここに収録されている作品は、当時として例外的に斬新なもので、和声がまったく感じられません。ここでは、彼がオーストラリアの日本バザールで聴いた都節の音階と日本的なリズムが採用されています。

アルバート・ケテルビーは、イギリス生まれの作曲家です。ここに収録されている作品では、日本と中国のモティーフが一般的なスタイルで採用されています。最初の部分では、芸者が描かれ、第二部では花や鳥、そしてサムライを描いています。そして、第三部には君が代が使用され、ここでは単に異国的な象徴として、日本が採用されています。

GIL-MARCHEX, Henri (1894-1970)
Deux Images du vieux Japon (1936) (Track 1-2)
TANSMAN, Alexandre (1897-1986)
Complainte de Nikko from 'Le tour de Monde en Miniature' (1933) (Track 3)
SZÁNTÓ, Theodor (1877-1934)
In Japan (1918-22)
Four studies in Japanese harmony based on native songs (Track 4-7)
Sakura Sakura (1924)
No. 2 of 'Zwei Japanische Melodien' from the opera 'Taifun' (Track 8)
NIEMANN, Walter (1876-1953)
Japan, Op. 89 (1923) (Track 9-13)
SAINT-SAËNS, Camille (1835-1921)
Overture to the opera 'La Princesse jaune', Op. 30 (1872) (Track 14)
SCOTT, Cyril (1879-1970)
Soirée japonaise Op. 67 No. 4 (1907) (Track 15)
SILAS, Edouard (1869-1909)
Tokio, Japanese March (1894) (Track 16)
POLDINI, Ede (1869-1957)
Étude japonaise, Op. 27 No. 2 (1907) (Track 17)
GRAINGER, Percy Aldridge (1882-1961)
Arrival platform Humlet
from the suite 'In a Nutshell' (1908-16) (Track 18)
KETELBEY, Albert (1875-1959)
From a Japanese Screen (Track 19)
Noriko OGAWA, piano


***********************************************************
チュルリョーニスの時代』(佐藤泰一/村田郁夫訳、ヤングトゥリープレス 2008)
c0193950_22562380.jpg

リトアニアを象徴する作曲家・画家チュルリョーニスの伝記が発売になりました!
ピアノ曲の楽譜、詳細なディスコグラフィー、音楽作品リスト、参考文献目録も収録!
[PR]
by ciurlionis | 2009-01-10 22:30 | 音楽