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エストニアのアニメーション 第9回ラピュタアニメーションフェスティバル2009


ラピュタ阿佐ヶ谷で行われている「第9回ラピュタアニメーションフェスティバル2009 "エストニアのアニメーション"」に行ってきました。会期は2009年3月15日(日)~4月11日(土)まで。

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エストニアもご存じのようにバルト三国のうちの一国で、1991年にソヴィエトから再独立を果たし、2004年にはリトアニア、ラトヴィアと共にEUに加盟しました。お相撲さんの「把瑠都関」の出身国でもあります。

エストニアのアニメーションでは「ヌクフィルム」の作品が有名ですが、今回は若手アーティストが作成した作品からアニメ界の巨匠プリート・パルンの作品まで「エストニア・アニメのすべて」を堪能できてしまう盛りだくさんなフェスティバルです。

先日はまず、プリート・パルン(Priit Parn, 1946-)の「プリート・パルン作品集A・B」を観てきました。
上映されたのは下記の7作品:

『草上の朝食』(1987)
『トライアングル』(1982)
『ホテルE』(1992)
『おとぎ話』(1984)
『1985』(1995)
『ナイト・オブ・ザ・キャロット』(1998)
『カール・アンド・マリリン』(2003)

特に印象に残ったのが、『ホテルE』(1992)と『カール・アンド・マリリン』(2003)でした。『ホテルE』は、エストニアがソヴィエトから再独立を果たした翌年に制作された作品で、共産主義をモノクロで、資本主義をパステル調で描き、ベートーヴェンの第9交響曲の第4楽章の「歓喜の歌」から取られたフレーズをバックに、その狭間で揺れる人々を描いていました。また、『カール・アンド・マリリン』(2003)は、カール・マルクスとマリリン・モンローを登場させ、有名人から一般人に戻ろうとするマルクスと、もっと有名になろうとするマリリンそれぞれのストーリーが交互に展開されていて、印象的でした。

また、このフェスティバルのために特別に作成された「エストニアのアニメーションカタログ」にはアニメーション作家の山村浩二さんからのメッセージや、プリート・パルン氏のインタビュー、「ヌクフィルム、ヨーニスフィルムの訪問記」なども載っていて、エストニアのアニメーションについて詳しく知るには必読でしょう。

詳しくは、「ラピュタ阿佐ヶ谷のサイト」をご覧ください。

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by ciurlionis | 2009-03-18 23:59 | 映画