ジョナス・メカスの日記映画 「ロスト・ロスト・ロスト」 イメージフォーラム・ビル3F 「寺山修司」
渋谷のイメージフォーラムでジョナス・メカス監督の映画「ロスト・ロスト・ロスト」が上映されるというので観に行ってきた。
約3時間という長編の日記映画の為なかなか上映されないので、この機会を楽しみにしていた。
1リール約30分の計6リールからなっている176分の映画。
メカスがリトアニア難民としてアメリカに亡命した1949年11月から1963年までの映像の断片をつなぎ合わせたコラージュ。
リール1・2では、ブルックリンに移り住んだリトアニア難民の若き詩人の生活を中心に、リトアニア人移民コミュニティーが新しい土地に適応しようと虚しくも祖国独立のために努力している映像が記録されている。そこからは失望や不安が読みとれ、メカスはブルックリンからマンハッタンへ引っ越す決意をしている。
リール3・4では、マンハッタンで詩人や映像作家たちと交流を始めたころの映像や1950年代末期から60年代初めまでの平和を求めるデモのドキュメント、タイムズスクエアで行われた祈祷、アメリカ軍の空爆に抗議する集会などの映像が記録されている。
リール5・6では、ヴァーモントで撮った一連の《兎の糞の俳句 Rabbit Shit Haikus》という実験的な映像や、ニューヨークのthe Film-Maker's Cooperativeでの映像、ニューヨークを撮った映画Hallelujah the Hillsからの映像、Stony Brookの海辺まで足を延ばした時の映像などが取り上げられている。
映像のなかでメカス本人も言っているように、映像の所々に採用されている哀愁を帯びたショパンの音楽はショパンがパリへ亡命したときのもので、故郷を想うメカスの気持ちを代弁しているかのようだった。
この映画、近くDVD化されると言われているのだが、いつになるのだろうか。
ここのサイトでリール4の映像を見ることができる。
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書籍:メカスの映画日記―ニュー・アメリカン・シネマの起源 1959‐1971
"Jonas Mekas" (洋書・ペーパーバック)
by ciurlionis
| 2010-09-11 23:59
| 映画