カテゴリ:音楽( 77 )


先日、ヴィオラ奏者の今井信子さんの半生を綴った自伝を読んで、このブログで取り上げたら、クラシック好きの友だちが今井信子さん演奏のCDを数枚貸してくださったので、順番に聴いてご紹介していきたいと思います。

今日の一枚は、今井信子さんの人生を決めた一枚と言っても過言ではないくらい彼女にとっては重要なCDです。LPしか出ていないと思っていたらなんとCDにもなっていて嬉しくなりました!

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Hector Berlioz (1803-1869):
《Harold en Italie》 Op. 16
《Tristia》 Op. 18

Nobuko Imai, Viola (Op. 16)
John Alldis Choir (Op. 18)
London Symphony Orchestra
Sir Colin Davis, Conductor

PHILIPS 416 431-2

今井信子さんのヴィオラはまだ若いころの演奏ですが、勢いに乗っていて、瑞々しくて、LSOとの息もぴったり。LSOのベルリオーズがまたすばらしい!ベルリオーズ音楽のスペシャリスト、サー・コリン・デイヴィスとLSOの演奏なのですから上手なのは当たり前なのですが、今まで聞いた《イタリアのハロルド》のなかでは最高のものでした。

まるで、オペラかバレエ音楽のように、その場その場の情景が思い浮かぶような変化に富んだ音楽で、その合間に語りかけるように出てくるヴィオラのフレーズがまた素晴らしかったです。

彼女がこのCDを録音するに至った経緯は先日ご紹介した彼女の著書『今井信子 憧れ ヴィオラとともに』に書かれています。

その運命的な出会い?についてはまた後日このページでご紹介させていただきます。

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by ciurlionis | 2009-03-05 23:59 | 音楽

先日、渋谷のタワーレコードのクラシックフロアに立ち寄り、現代音楽のコーナーで興味深いCDを見つけました。その名も"DAVID'S SONG: David Geringas plays Anatolijus Šenderovas"というものです。リトアニア出身のチェリスト、ダーヴィド・ゲリンガス(David Geringas)がリトアニアの作曲家アナトリユス・シェンデロヴァス(Anatolijus Šenderovas)の作品を収録したCDと聞いては、買わずにはいられませんでした。

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2005年秋に、ロンドンのウィグモア・ホールで行われた"A Russian Spectacular"という演奏会で彼の演奏を初めて聴いたのですが、その演奏会はNatalia Gutman、Leonid Gorokhov、Sergei Suvorov、Ivan Monighetti、Alexander Rudin、David Geringasという6人のチェリストが集い、プロコフィエフ、シュニトケ、ヴァスクス、リムスキーコルサコフ、ペンデレツキ、アレンスキーの曲を演奏するという豪華な演奏会で、ゲンリンガス氏はラトヴィアの作曲家Pēteris VasksのDas Buchを演奏したのですが、その時の彼の演奏があまりにも印象的で、それまでに聴いたことのないような洞察力の深い演奏でしたので魅了されてしまい、その日以来、彼には注目していました。

ダーヴィド・ゲリンガスは、指揮者としても有名で、現在ヴィリニュスのリトアニア室内管弦楽団の常任客演指揮者や2006年4月からは九州交響楽団の首席客演指揮者として活躍しています。

彼は、モスクワ音楽院で、故ロストロポーヴィチ氏に師事し、バロックから現代音楽まで幅の広いレパートリーを持ったチェリストとしても良く知られています。

このCDの収録作品の作曲者アナトリユス・シェンデロヴァス(Anatolijus Šenderovas)とゲンリンガスは幼なじみで、ゲリンガスの最初の師はアナトリユスのお父様であったそうです。このCDのなかでは、もちろんこの"David's Song"がおすすめですが、"Songs of Shulamith for Cello, Bajan, Percussion and Recording (1992/ Version 2001)"も色々な楽器の音が聞こえてきて楽しめますし、チェロの音色もクラシック音楽の楽器ではないようなどこか、民族的な楽器に聴こえます。

ゲリンガスはシェンデロヴァスの曲を多数初演しており、2002年に初演された《ハ調の協奏曲》では、ヨーロッパ作曲家賞を受賞したそうです。

また、ゲリンガスはラトヴィアの作曲家、ぺーテリス・ヴァスクスのチェロ作品もCDに録音していて、そちらもかなりおすすめのCDですので、ご紹介しておきます。

Peteris Vasks: Gramata cellam; Partita; Episodi e canto perpetuo

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ゲリンガスの演奏は、洞察力の深い、完璧なテクニックによる世界でも屈指の名演ばかりだと思います。

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by ciurlionis | 2009-03-04 23:59 | 音楽

今日は、チュルリョーニス・ファンの皆さまのご要望にお答えして、チュルリョーニスのCDを無料で試聴できるサイトをご紹介します。

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試聴できるのは、www.naxos.comというアメリカ・ナクソスのサイトで、メールアドレスとパスワードを登録するだけで、チュルリョーニスのみならず、ナクソスからリリースされているほとんどのCDの各トラックの25%をいくらでも試聴できてしまうという夢のようなサイトです。

日本のナクソスやmusic libraryとは異なりますのでご注意ください。

各CDのページ左側のPlease Log-in / Subscribe to play track. というところをクリックし、
Not yet a subscriber? Try Naxos.com for FREEをクリックして登録します。

ここでは、チュルリョーニスのCDのページのリンクのみ下記に載せておきます。
他の作曲家の作品を楽しみたい方は、www.naxos.comからアクセスしてください。

チュルリョーニスのCDで試聴できるのは下記の5枚です。

CIURLIONIS: Piano Works, Vol. 1
8.223549 Instrumental
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CIURLIONIS: Piano Works, Vol. 2            
8.223550  Instrumental
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CIURLIONIS: Sea (The) / In the Forest / Five Preludes
8.223323  Orchestral
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BALTIC ORGAN MUSIC
BIS-CD-561 Instrumental
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Around The World In 80 Minutes
8.223003 Instrumental
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皆さまに少しでもチュルリョーニスの音楽を楽しんで頂けましたらこの上なく幸いです。

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by ciurlionis | 2009-02-27 23:59 | 音楽

最も尊敬している作曲家のひとりにドイツの作曲家マックス・レーガー (Max Reger, 1873-1916) がいます。今日は、以前から愛聴していた今井信子さん演奏のヴィオラ作品集がありますのでそれをご紹介します。

特におすすめはSonata for Viola and Piano in B flat major, Op. 107 です。この曲は、クラリネット・ソナタにもなっていて、自分もリサイタルで演奏したことがあり、後期ロマン派に属したレーガーらしい、変化に富んだ楽曲でお気に入りでした。同じ曲がヴィオラ用にも作曲されていることを知り、うれしくなってご紹介しました。ヴィオラ・ソナタの方は、弦楽器だけあって流れるように演奏されていて、こちらもまたクラリネットとは違った良さがあり、しみじみと繰り返し聴いていました。

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Reger: Music for Viola

Brautigam, Ronald, piano
Imai, Nobuko, viola

Romance for Viola and Piano (arr. H. Sitt)
3 Suites for Solo Viola, Op. 131d: Suite No. 1 in G minor
3 Suites for Solo Viola, Op. 131d: Suite No. 2 in D major
3 Suites for Solo Viola, Op. 131d: Suite No. 3 in E minor
Sonata for Viola and Piano in B flat major, Op. 107


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また、この曲のクラリネット・ソナタ・ヴァージョンは、下記のカール・ライスター氏演奏のものがおすすめです。

マックス・レーガー作曲のクラリネット作品はどの作品も秀逸で、完成度も高く、演奏する者にとっても聴くものにとっても楽しめる作品ばかりだと思います。ロマンティックなメロディーもあれば、難解な転調を繰り返す場面もあり、変化に富んだレーガー作品を堪能できるアルバムです。元ベルリン・フィルの首席クラリネット奏者、カール・ライスター氏の個性的で柔らかいクラリネットの音色が耳に優しく、伴奏者との息もばっちり合った名演となっています。

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レーガー:クラリネット作品全集

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by ciurlionis | 2009-02-26 23:59 | 音楽

先日、イスラエルで行われた、村上春樹さんのエルサレム賞の授賞式の模様がテレビで放送されました。

彼は、授賞式への出席を迷っていたそうですが、「メッセージを伝えるために出席した」と記念講演会の場で最近のイスラエルによるガザ地区への攻撃を批判しました。

最近のイスラエル軍によるガザ地区の攻撃で、1300人にもおよぶ命が奪われました。多くの子どもや女性も含まれていたそうです。村上さんは「壁と卵」の話をされて、爆弾、戦車、ロケット弾、白リン弾は「高い壁」であり、それに対してなす術がない市民を「卵」にたとえて、「どんなに壁が正しく、どんなに卵が間違っていても、私は卵の側に立つ」と述べられていました。

この講演の詳しい内容は下記のサイトから読むことができます。
【英語全文】村上春樹さん「エルサレム賞」授賞式講演

人種や民族の問題だけで無実の民間人1300人もの命が短期間のうちに奪われてしまうという現実。もう21世紀だというのに絶えない紛争。もう少し世界が協同して紛争をなくす努力はできないのでしょうか?そう簡単にはいかないことなの分かっていても、これだけ多くの人々が亡くなったとなると冷静ではいられなくなりました。また、実際にイスラエルはパレスチナとの境界に壁を建設中で、攻撃は止められましたが、建設は続けられています。

このイスラエルとパレスチナの境界に建設中の壁については、2005年に公開された佐藤真監督のドキュメンタリー映画『エドワード・サイード OUT OF PLACE [DVD]』でも取り上げられていました。この映画では故・エドワード・サイード氏と関わりのあった知識人たちの証言などを交えながら、サイードの生涯を辿っています。

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ダニエル・バレンボイム氏とエドワード・サイード氏が対立状態にあるイスラエルとアラブ諸国(ヨルダン、シリア、レバノン)の若い音楽家たちを集め、その地域の和平を願って設立した、ウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団(West-Eastern Divan Orchestra)の活動を追っていたら、このドキュメンタリーに辿り着いたのですが、この地域の問題を考える上でとても意味のある映画であると思いました。

サイード氏が2003年に逝去されてからは、バレンボイム氏がサイード氏の意思を引き継いで、このオーケストラの活動を継続し、2005年にはパレスチナ自治区のラマラでの演奏会を実現させました。バレンボイム氏については様々な意見が聞かれますが、彼とウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団の行ったこの演奏会は音楽の面からパレスチナの和平を訴える良い機会であったと思います。

村上さんの講演を聞いて、また「平和とは?」と考えさせられ、CD PEACE~平和への祈り~をひっそりと聴いていました。

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このCDは北欧やエストニアの作曲家による宗教合唱曲が収録されています。

ご覧の通り、ジャケットでは、「青空に羽ばたくハト」が採用されていています。ライナーノーツでは北欧の写真をみることもできて、リラックスするのにおすすめのCDです。

収録曲は下記の14曲。

1. 深き淵より(デ・プロフンディス)(ペルト)
2. 「エニグマ変奏曲」~ニムロッド「永遠の光(ルクス・エテルナ)」(エルガー)
3. 神の小羊(アニュス・デイ)(ペンデレツキ)
4. 「レクイエム」~永遠の安息を与えて下さい(レクイエム・エテルナム)(コッコネン)
5. 神よ,我らを戦いから守りたまえ(トルミス)
6. 「主の祈り(グロリア・パトリ)」~我ら皆,声を高めて(オムニス・ウナ)(シサスク)
7. 哀悼歌(クーラ)

8. アヴェ・マリア(ラウタヴァーラ)
9. 「学位授与式のためのカンタータ」~あなたを讃えます,創造主よ(シベリウス)
10. 「詩篇」~天国には喜びがある(クラミ)
11. 「8つの宗教歌」~夜の歌(レーガー)
12. スターバト・マーテル~終曲(クーラ)
13. 神の小羊(アニュス・デイ)(バーバー)
14. 「祝福されし高き三位一体」による 終曲~アンティフォナ(カイパイネン)

おすすめは、エストニアの作曲家ペルトの《深き淵より》、ポーランドの作曲家ペンデレツキの《神の小羊》、エストニアのシサスク、フィンランドのクーラ、シベリウスですが、このCDのなかでは一番良く知られているのではないかという点でサミュエル・バーバー(1910-81)の《神の小羊》が特におすすめです。また、私の大好きな作曲家で、唯一ドイツの作曲家マックス・レーガー(1873-1916)の《夜の歌》もぜひ聴いて頂きたい一曲です。

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チュルリョーニスの時代』(佐藤泰一・村田郁夫訳、ヤングトゥリープレス 2008)
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by ciurlionis | 2009-02-17 23:59 | 音楽

チュルリョーニスを生んだ国、リトアニアのつながりで最近一枚のCDを繰り返し聴いていました。

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わずか15歳のリトアニア出身のハープ奏者アイステ・バリューニテの 「ハープ・レボリューション」 というデビューCDで、古今東西のハープ作品を取り上げて録音しています。

CDケースを開けるとかわいらしいピンク色のCDが。何とも15歳の少女のデビューCDにふさわしいデザインで、立派なハープの写真も載っています。使用されている楽器は青山ハープ: Apollon 47S (WN)だそうです。日本製のハープが使われているなんて嬉しいですね!

若干15歳の少女の演奏とは思えないほどしっかりとしたテクニックで風格のある演奏をされています。

収録曲は下記の23曲。すべてオリジナル作品だそうです。

1. グラズノフ: バレエ音楽「ライモンダ」作品57~前奏曲とヴァリアシオン
2. ベートーヴェン: スイス民謡による変奏曲WoO64
3. ワーグナー: 「ワルキューレ」第3幕フィナーレ
4. フランク: 初見用小品
5. ドリーブ: 初見用小品
6. フンパーディンク: 夜曲
7. 雨田光平: 初夏草心抄
8. コステラネッツ: ルイーズ湖
9. トゥルニエ: 古き日本のパステル画 作品47第1曲 桜木を抜ける風の子守歌
10. トゥルニエ: 古き日本のパステル画 作品47第2曲 聴く者なき琴うた
11. トゥルニエ: 古き日本のパステル画 作品47第3曲 剣の舞

12. クローヴァ: レント・カンタービレ
13. チェレプニン: 全音階的カプリス 第1曲 アニマート
14. チェレプニン: 全音階的カプリス 第2曲 アレグレット
15. チェレプニン: 全音階的カプリス 第3曲 レント
16. チェレプニン: 全音階的カプリス 第4曲 アレグロ

17. 石田一郎: 牧歌
18. フォーレ: 塔の中の王妃 作品110
19. シフリン: コンティヌウム
20. ニーノ・ロータ: サラバンドとトッカータ サラバンド
21. ニーノ・ロータ: サラバンドとトッカータ トッカータ
22. ジョン・ウィリアムズ: ハリー・ポッターと賢者の石~フラッフィーのハープ
23. ジョン・ウィリアムズ: ハリー・ポッターと賢者の石~ヘドウィグのテーマ

おすすめは、20世紀最大のハープ奏者であったトゥルニエのジャポニスム作品と、日本にも多くの教え子を残したチェレプニンの作品です。

また、雨田光平作曲《初夏草心抄》などを聴くと、西洋の「ハープ」の音が、東洋の「琴」の音に聴こえるような不思議な感覚になりました。

これだけたくさんのオリジナル作品を収録し、しかも時代もジャンルも様々ですので、ハープという楽器をこのCD一枚で堪能することができました。


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チュルリョーニスの時代』(佐藤泰一・村田郁夫訳、ヤングトゥリープレス 2008)
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by ciurlionis | 2009-02-14 23:59 | 音楽


今朝早く、アメリカの第44代大統領にバラク・フセイン・オバマ氏が就任されました。
これを機会に世界中の景気が少しでも良くなってくれるよう願っています。

昨日に引き続き、ライプツィヒ音楽院に留学した頃のチュルリョーニスについて考えていて、あるCDのことを思い出しました。

先日、弦楽四重奏曲を取り上げた日にちょっとだけ触れましたが、チュルリョーニスとカール・ライネッケ両氏の作品が収録されているCDがありますのでご紹介します。

収録されているのは、チュルリョーニスがライプツィヒ音楽院時代に作曲した、弦楽四重奏のためのカノン2曲と弦楽四重奏曲1曲。ピアノ曲7曲。そして、カール・ライネッケ教授作曲のピアノ五重奏曲イ長調作品83(1866)です。演奏もリトアニア人アーティスト、Čiurlionis Quartetと、Petras Geniušas (piano)によります。Čiurlionis Quartetの演奏が素晴らしく仕上がっています。数々のCDを聴いてきましたが、チュルリョーニスの作品は、奏者によって大きく趣が変わってしまうものであることがわかりました。このCDに収録されている弦楽四重奏曲は特におすすめしたいと思いました。


ここで、改めてライプツィヒ留学時代に作曲されたということを意識して聴いてみると、Pastorale VL 187, Prelude VL 182a, VL 188, Little Song VL 199などは、ライプツィヒで作曲法を学んだ成果というよりは、まだ、ポーランドのショパンやワルシャワ音楽院での影響が残っているように感じました。しかし、Fugue VL 219やPrelude VL 230は、対位法や斬新な反復進行などが採用されていて、それまでのチュルリョーニスの作品とは違ってきていることが感じ取れます。

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1. M.K.Čiurlionis. Canon in C minor (VL 216a; 1902)
2. M.K.Čiurlionis. Canon in D major (VL 217a; 1902)

3. M.K.Čiurlionis. Prelude in D flat major (VL 187; 1901)
4. M.K.Čiurlionis. Fugue in C minor (VL 219; 1902)
5. M.K.Čiurlionis. Prelude in F major/A minor (VL 188; 1901)
6. M.K.Čiurlionis. Mazurka in E flat minor (VL 222; 1901)

7. M.K.Čiurlionis. String Quartet in C minor. Allegro moderato (VL 83; 1901)
8. M.K.Čiurlionis. String Quartet in C minor. Andante
9. M.K.Čiurlionis. String Quartet in C minor. Menuetto
10. M.K.Čiurlionis. Little Song (VL 199; 1901)
11. M.K.Čiurlionis. Prelude in B minor (VL 182a; 1900)
12. M.K.Čiurlionis. Prelude in A minor (VL 230; 1902)

13. Carl Reinecke. Piano Quintet in A major, Op. 83. Lento ma non tropo. Allegro con brio (1866)
14. Carl Reinecke. Piano Quintet in A major, Op. 83. Andante con variazioni
15. Carl Reinecke. Piano Quintet in A major, Op. 83. Intermezzo
16. Carl Reinecke. Piano Quintet in A major, Op. 83. Finale. Allegro con spirito

Petras Geniušas (piano)
Čiurlionis Quartet


このCDのライナーノーツを読んでいたら、「内気だけれども野望のあるわずか26歳のリトアニア人田舎者が、77歳にもなるドイツの伝統主義者であるライネッケに出会ったのだから、年齢さもある彼にがっかりさせられるのも当然であったかも知れない」「またチュルリョーニスはドイツ語が全くできなかったがために友達ができなかった」とあり、納得してしまいました。チュルリョーニスはわずか1年しかライプツィヒ音楽院にいませんでしたし、まして年齢差のある教授と分かり合えるようになるにはもっと時間が必要だったのかも知れません。しかし、チュルリョーニスは自身の卒業作品であった弦楽四重奏曲VL 83について「この作品は特に悪いというものではなかったけれども、演奏が本当に下手だった。私はすばらしい演奏を期待していたが、まったく不満であった。しかし、ライネッケ教授はこの作品が気に入った様子だった」と述べていて、結果的に1902年の夏にはきちんと音楽院を卒業しています。

このCDに収録されているカール・ライネッケ教授のピアノ弦楽五重奏曲もさすが大作曲家を何人も育てた方だけあると思いました。今日のCDの作品を聴いてみて、また新たに彼の作品のすばらしさに触れることができました。変化があって、ドラマがあって、軽快なフレーズもあり、もりだくさんでしたので、もっと色々な作品を聴いてみたくなりました。

また、彼の作品では、フルート・ソナタやフルート協奏曲が演奏会などでよく取り上げられますので、機会があったら生演奏も聴いてみたいと思いました。


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チュルリョーニスの時代』(佐藤泰一・村田郁夫訳、ヤングトゥリープレス 2008)
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by ciurlionis | 2009-01-21 23:17 | 音楽


今年に入ってから単行本『チュルリョーニスの時代』を読み返していて、26~7歳のチュルリョーニスがライプツィヒ音楽院留学時代(1901-02)に「作曲法をライネッケ教授に、また対位法をヤーダスゾーン教授に学んだ」とあったことを思い出し、これを良い機会としてライネッケを聴いてみることにしました。Carl Reineke: Fantasy Pieces Op. 22; Trio Op. 274; Sextet Op. 271というCDです。


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Carl Reinecke(1824-1910): Chamber Music with Clarinet
Fantasy Pieces, Op. 22
Trio, Op. 274
Sextet, Op. 271

Clarinet: Csaba Klenyán
Horn: Gábor Bizják, Gábor Tóth
Flute: Gergely Ittzés
Oboe: Ilona Csizmadia
Bassoon: György Lakatos
Piano: Ildikó Cs. Nagy
(Hungaroton Classic 2005)



カール・ライネッケ(Carl Reinecke, 1824-1910)は、ドイツの作曲家・ピアニストで、父親から音楽教育を受け、ヨーロッパ全土でピアニストとして、また教育者としても活躍しました。シューマンやリストと親交があったことでも知られています。

チュルリョーニスが友人のモラフスキに宛てた手紙を読むと、1902年の初めには、「もはや、ライネッケには信がおけない――彼は僕を縛りすぎ、二人の好みは完全に違うときている」と書いています。

また、もう一通の1902年2月のモラフスキに宛てた手紙では、チュルリョーニスはライネッケ教授について「何と言っても彼が好きなのは音楽の「中庸」で、彼は生徒たちに百年も前に実践されていた方法で作曲をするよう望んでいる。多分それは良いことだが、最初だけだ」と述べているように、ライネッケは多産な作曲家ではあったけれども、どこか保守的で中庸な作品が多いような感じがします。

これらのライネッケ教授とチュルリョーニスの感性の不一致が原因だったのかは不明ですが、その頃からチュルリョーニスは絵画を描き始め、1902年秋にはワルシャワに戻り、今度は絵画学校に通い始めるのでした。


今日聴いていたのは、『クラリネット室内楽作品集』ですが、いずれもウェーバーやブラームスを想わせるロマン的な作品でした。おすすめは、六重奏曲 Op. 271で、それぞれの楽器の良さを活かすように作曲されていて、木管楽器の音色が重なり合って響くtuttiのフレーズなどには美しい場面もありました。

『クラリネット室内楽作品集』というCDなので、クラリネット奏者に期待をしてこのCDを購入したのですが、クラリネット奏者のCsaba Klenyánの演奏は、特に個性のあるものではなく、オーケストラ・プレイヤーというよりは、室内楽向けの奏者であると思いました。どうやら現代音楽を得意としている奏者のようです。また機会があったら、彼のほかの演奏も聴いてみたいと思います。

しかし、チュルリョーニスと関わりのあった作曲家の作品でしたので、興味深く聴くことができました。

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チュルリョーニスの時代』(佐藤泰一・村田郁夫訳、ヤングトゥリープレス 2008)
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by ciurlionis | 2009-01-20 21:48 | 音楽

先日のブログで、ピアニストの小川典子さん演奏のCD"Japonisme"をご紹介しましたが、本日は、その第2弾とも言えるエリカ・ヘルツォークさん演奏のCD『日本の思い出~Memoirs of Japan』をご紹介します。

今回のCDは、ドイツ人と日本人のハーフであるエリカ・ヘルツォークさんの演奏による日本を題材としたピアノ曲集です。演奏はしっかりとしたタッチとともに、日本的な抒情性をたいへん美しく表現されていました。

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オーストリア人作曲家、ゲオルク・カペレン(1869-1934)によって西洋風に和声付けされた「君が代」 作品26の1 (1903)は、一世紀も前の作品とは思えないほど斬新な和声で、一瞬子守唄かと思うほど、優しく響くフレーズもあり、なかなか不思議な魅力があります。

アメリカの作曲家、ヘンリー・アイクハイム(1870-1942)の「東洋の印象」より〈日本のスケッチ〉と〈日本夜想曲〉は、ワグネリアンであった作曲家が来日時に能を鑑賞し、芸術観を根底から覆されたのちに作曲された作品だけあって「日本をイメージしている」と言われると、そのように聴こえてくるのですが、この曲は戦前の日本の音楽界でもかなり知られていて「誤った日本像の例」として言及されていたそうです。

フィンランドの作曲家、エルッキ・メラルティン(1875-1937)の「日本の桜」 作品85の5は、ピアノの音域が満遍なく使用された、とても絵画的な作品です。フィンランドの作曲家の作品だけあって、自然を想わせるようなフレーズが印象的です。

このCDはすべての作品が個性的で聴きごたえがあるのですが、特に「さくらさくら」の旋律を採用しているエルンスト・プッチェル(1896-1962)とドミートリー・カバレフスキー(1904-1987)の変奏曲はそれぞれ、日本的ななかに西洋が絶妙に融合されていて、そこがまた「外国人による日本的変奏曲」として魅力的に聴こえました。特にカバレフスキーの方は、かなり斬新でした。

最終トラックに収録されているエフゲニー・キーシン(1971- )作曲による「浜辺の歌 パラフレーズ」もなんとも言えず美しいです。浜辺の歌がとてもロマンティックな曲に仕上がっています。


この「日本を題材としたピアノ曲」を集めたCDはとても良く考えられていて、すばらしい企画だと思いました。こんなにも大勢の世界の作曲家たちが日本に着目し作品を作曲している事実を知り、またその作品に触れることができるとても画期的で意味のある一枚です。この続編も期待したいです。

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チュルリョーニスの時代』(佐藤泰一・村田郁夫訳、ヤングトゥリープレス 2008)
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by ciurlionis | 2009-01-18 23:59 | 音楽


 チュルリョーニスが生きた時代のリトアニアは帝政ロシアの支配下にあり、ラテン文字によるリトアニア語表記が禁止されキリル文字の使用が強制されていました。また、16世紀以来カトリック化とともに文化面ではポーランド化が進んでいたため、リトアニアの家庭では一般的にポーランド語が話されていました。しかし、そんな環境のなか、リトアニア人の間ではロシアでもなくポーランドでもない「リトアニア」というものが意識されるようになり、チュルリョーニスもリトアニア民謡の旋律に興味を持ち、60曲近いリトアニア民謡による合唱曲を作曲(編曲)しました。

 チュルリョーニスはワルシャワ音楽院で学んでいた20歳頃よりリトアニアの民謡に興味を持っていましたが、実際に彼が民謡の編曲に着手したのは、1905年にワルシャワのリトアニア相互扶助協会の合唱指揮者になった30歳頃からでした。

 農業の盛んなリトアニアという国だけあって民謡の多くは、農作物の刈り入れの歌や、自然にまつわる歌、農家の娘の嫁入りの歌などです。

チュルリョーニスはたとえ民謡の編曲であっても妥協せず、対位法や転調、半音階など、現代的な手法や個性的な和音付けによって見事に民謡の旋律を際立たせたのでした。

リトアニア民謡として良く知られているものは次の4曲です。
„Bėkit bareliai" 「走れ、刈り入れの列よ」 [Stretch away, fields] VL 32
„Oi giria giria" 「おお、森よ、森よ」 [Oh forest, forest] VL 52

„Subatos vakarėlį" 「土曜日の夕暮れに」 [Saturday night] VL 63

„Siuntė mane močiutė" 「お母さんは私を送り出した」 [My mother sent me away] VL 62

下記にこれらのリトアニア民謡合唱曲の収録されているCDをご紹介します。


CD-KING: KICC 98 (JP, 1993) "Čiurlionis: Lithuanian Folk Songs for Chorus" "Oi, giria giria" [Oh, Forest, Forest] [VL 52], "Prapuoliau, motule" [I Am Lost, Mother] [VL 58a], "Anoj pusėj Nemuno" [On the Other Bank of Nemunas] [VL 27], "Siuntė mane močiutė" [Mother Sent Me] [VL 62], "Šėriau žirgelį" [I Was Feeding the Horse] [VL 68], "Beauštanti aušrelė" [Dawn is Breaking] [VL 31], "Išėjo seselė" [Sister Left] [VL 37] (Lionginas Abarius / Lithuanian State Television and Radio Chorus), "Kai mes augom" [When We Were Growing] [VL 39a], "Vai močiute" [Oh, Mother] [VL 73], "Pasekėjužėliai marčios brolužėliai" [You Followers, Bride's Brothers] [VL 56], "Sutems tamsi naktužėlė" [Dark Night Will Fall] [VL 66], "Du broleliai stovėjo" [Two Brothers Stood] [VL 35], "Kas bernelio pamislyta" [What the Lad Thought] [VL 41], "Bėkit bareliai" [Stretch Away, Fields] (Fughetta on Lithuanian Folk Song Theme) [VL 32], "O čia berželis stovėjo" [Here Stood the Birch] [VL 50], "Kelk, dukrele" [Get up, Daughter] [VL 42] (Petras Bingelis / Kaunas State Chorus)
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CD-SEMPLICE: VSSECD 006 (LT, 2000) „Mikalojus Konstantinas Čiurlionis (1875-1911). Liaudies dainos chorams [Folk song for choirs]" "Oi giria giria" [Oh, Forest, Forest] [VL 52], "Šėriau žirgelį" [I Was Feeding the Horse] [VL 68a], "Prapuoliau, motule" [I Am Lost, Mother] [VL 58a], "O čia berželis stovėjo" [Here Stood the Birch] [VL 50], "Kelk, dukrele" [Get up, Daughter] [VL 42], "Našlaitis" [Orphan] [VL 47a], "Beauštanti aušrelė" [Dawn is Breaking] [VL 31], "Aš prašiau Dievą" [I Pled God] [VL29], "Ant kalno gluosnys" [Willow on the Hill] [VL 289], "Pasekėjužėliai marčios brolužėliai" [You Followers, Bride's Brothers] [VL 56], "Išėjo seselė" [Sister Left] [VL 37a], "Sutems tamsi naktužėlė" [Dark Night Will Fall] [VL 66], "Anksti rytą kėliau" [I Got Up Early] [VL 26], "On onem kiemely" [In a Courtyard] [VL 75], "Oi dariau, dariau lyseles" [I Dug Garden-beds] [VL 51-51a], "Našlaitėlė" [Orphan Girl] [VL 46], "Kai mes augom" [When We Were Growing] [VL 39a], "Bėkit bareliai" [Stretch Away, Fields] (Fughetta on Lithuanian Folk Song Theme) [VL 32], "Anoj pusėj Nemuno" [On the Other Bank of Nemunas] [VL 27], "Kareivužėlis" [Dear Soldier] [VL 40], "Siuntė mane močiutė" [Mother Sent Me] [VL 62], "Taip toli žadėta" [So Much Promised] [VL 71], "Du broleliai stovėjo" [Two Brothers Stood] [VL 35], "Vai močiute" [Oh, Mother] [VL 73], "Dainų dainelė" [Song of Songs] [VL 33] (Vaclovas Augustinas / Choir "Jauna muzika")
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CD-LRT & JAM RECORDS: JMCD 061 (LT, 2001) "Kelk dukrele" [Get up, daughter] [VL 42] (Audronė Steponavičiūtė-Zupkauskienė / "Liepos" Female choir)
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CD-VICTOR: VICS 61109 (JP, 2003)バルト三国の合唱音楽選集 Vol.5 リトアニア合唱曲集<"Bėkit, bareliai" [Stretch Away, Fields] [VL 32] (Vaclovas Augustinas / Choir "Janua Muzika")こちらはアマゾンでも購入可能です。 
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CD-LLKC & BOD: (No Number) (LT, 2005) "Nemune upeli" [O Nemunas, the River] [VL 48] (Audronė Steponavičiūtė-Zupkauskienė / "Liepos" Female choir)
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CD-SEMPLICE: VSSECD 003-6 (LT, 2000) "Mikalojus Konstantinas Čiurlionis (1875-1911)"CD 4: Liaudies dainos chorams: "Oi giria giria" [Oh, Forest, Forest] [VL 52], "Šėriau žirgelį" [I Was Feeding the Horse] [VL 68a], "Prapuoliau, motule" [I Am Lost, Mother] [VL 58a], "O čia berželis stovėjo" [Here Stood the Birch] [VL 50], "Kelk, dukrele" [Get up, Daughter] [VL 42], "Našlaitis" [Orphan] [VL 47a], "Beauštanti aušrelė" [Dawn is Breaking] [VL 31], "Aš prašiau Dievą" [I Pled God] [VL29], "Ant kalno gluosnys" [Willow on the Hill] [VL 289], "Pasekėjužėliai marčios brolužėliai" [You Followers, Bride's Brothers] [VL 56], "Išėjo seselė" [Sister Left] [VL 37a], "Sutems tamsi naktužėlė" [Dark Night Will Fall] [VL 66], "Anksti rytą kėliau" [I Got Up Early] [VL 26], "on onem kiemely" [In a Courtyard] [VL 75], "Oi dariau, dariau lyseles" [I Dug Garden-beds] [VL 51-51a], "Našlaitėlė" [Orphan Girl] [VL 46], "Kai mes augom" [When We Were Growing] [VL 39a], "Bėkit bareliai" [Stretch Away, Fields] (Fughetta on Lithuanian Folk Song Theme) [VL 32], "Anoj pusėj Nemuno" [On the Other Bank of Nemunas] [VL 27], "Kareivužėlis" [Dear Soldier] [VL 40], "Siuntė mane močiutė" [Mother Sent Me] [VL 62], "Taip toli žadėta" [So Much Promised] [VL 71], "Du broleliai stovėjo" [Two Brothers Stood] [VL 35], "Vai močiute" [Oh, Mother] [VL 73], "Dainų dainelė" [Song of Songs] [VL 33] (Vaclovas Augustinas / Choir "Jauna muzika")
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チュルリョーニスの時代』(佐藤泰一/村田郁夫訳、ヤングトゥリープレス 2008)
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by ciurlionis | 2009-01-17 22:59 | 音楽